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戦争映画の誕生
帝国日本の映像文化史
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2025年9月30日
- 書店発売日
- 2025年9月29日
- 登録日
- 2025年5月16日
- 最終更新日
- 2025年10月15日
書評掲載情報
| 2025-12-06 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
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紹介
映画はいかにして戦争のリアルに迫るのか
日清・日露戦争に始まりアジア・太平洋戦争にいたる時代、日本の映画人たちは帝国の戦争を描くために苦闘していた。そこにはフィクションとノンフィクションの垣根を超えて戦争の現実に迫ろうとする、戦後の反戦映画とはまったく異なる独特のリアリズムが作動していた。それは時に、プロパガンダにとどまらない新たな可能性を秘めたものでもあった。柴田常吉、村田実、岩崎昶、板垣鷹穂、亀井文夫、円谷英二、今村太平など映画監督と批評家を中心に、文学や写真とも異なる映画という新技術をもって、彼らがいかにして戦争を表現しようとしたのか、詳細な資料調査をもとに丹念に描き出した力作。
「戦中と戦後の連続性を考えるうえでより深刻なのは、戦後日本社会が戦争映画の歴史的経験をおしなべて「暗い谷間」のなかに閉ざし込んでいったことで、その戦争映画のリアリズムのなかに賭けられていた批判的リアリズムの存在までも忘却していったことにある。実際、戦後の日本映画の多くが過去の十五年戦争を「再現」する反戦映画の製作にこだわり続ける一方で、戦後のアジアで起きていた同時代の戦争をほとんど「記録」しようとも試みなかったことは象徴的である。」(本書より)
◎目次
序章 戦争映画を問い直す
第一章 戦争映画の誕生――柴田常吉の『北清事変活動写真』
第二章 戦争映画のモダニズム――村田実と岩崎昶
第三章 戦争映画の美学――板垣鷹穂と機械美の探求
第四章 戦争記録映画の時代――亀井文夫の日中戦争三部作
第五章 戦争映画の技術――円谷英二の戦時モダニズム
第六章 戦争映画の終焉――今村太平と記録主義リアリズム
終章 戦争映画のリアリズム
目次
序章 戦争映画を問い直す
問題の所在
日本の戦争映画――「暗い谷間」を越えて
リアリズムという視座
戦争映画の作家たち
第一章 戦争映画の誕生――柴田常吉の『北清事変活動写真』
はじめに
写真の限界
絵画の凋落
戦争映画の誕生
娯楽とリアリズム
おわりに
第二章 戦争映画のモダニズム――村田実と岩崎昶
はじめに
総力戦体制構想と戦争映画
戦争映画のモダニズム――村田実と日活現代劇部
岩崎昶の戦争映画批評
批評運動と統一戦線――戦争機械を止めるために
プロキノ批評運動の終焉
おわりに
第三章 戦争映画の美学――板垣鷹穂と機械美の探求
はじめに
機械のリアリズム
軍事教育映画とアヴァンギャルド
戦争映画の美学
おわりに
第四章 戦争記録映画の時代――亀井文夫の日中戦争三部作
はじめに
戦争記録映画の台頭
『上海』――帝国の「夾雑物」
『北京』――「空想」の植民地
『戦ふ兵隊』――「沈黙」という抵抗
戦争の「真実」
おわりに
第五章 戦争映画の技術――円谷英二の戦時モダニズム
はじめに
日本特撮映画の黎明
円谷英二の戦時モダニズム
『ハワイ・マレー沖海戦』――「近代の超克」のリアリズム
特撮化する戦争映画――「死」のスペクタクル化
おわりに
第六章 戦争映画の終焉――今村太平と記録主義リアリズム
はじめに
戦争記録映画の「劇化」
今村太平と記録主義リアリズム
リアリズムの呪縛――坂斎小一郎の『陸軍航空戦記』
『轟沈』――最後の戦争記録映画
おわりに
終章 戦争映画のリアリズム
戦争映画の系譜
戦争映画のリアリズム
「異化」のリアリズム
この時代の遺産――戦中・戦後の連続性と断絶性
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。
