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帝国を調べる
植民地フィールドワークの科学史
- 書店発売日
- 2016年2月19日
- 登録日
- 2016年1月7日
- 最終更新日
- 2016年2月18日
紹介
朝鮮半島、満洲、京都、対馬、パラオ、北海道、沖縄、岡山……。「帝国日本」「ポスト帝国」時代の研究者たちは、日本/アジアのフィールドで何を経験したのか。自然・人文・社会の区別をこえた、多様な学問領域におけるフィールドワークを取り上げ、科学史的観点から「帝国」との関わりを検証する日本初の試み。
目次
序論 「帝国日本」「ポスト帝国」時代のフィールドワークを問い直す[坂野徹]
1 本書のねらい
2 本書の視角
3 各章の内容
第一章 民俗学者・水野清一──あるいは、「新しい歴史学」としての民俗学と考古学[菊地暁]
1 はじめに──東方部の「折口ファン」たち
2 文化史学と民俗学──戦前期
3 石窟と民具──戦中期
4 宮本常一──占領期
5 おわりに──ふたたび「あまり品のいいことではない」「内証話」
第二章 植民地考古学・歴史学・博物館──朝鮮半島と古代史研究[アルノ・ナンタ]
1 はじめに
2 植民地考古学の系譜──建国神話から最初の現場発掘調査へ
3 研究の制度化および植民地の学知
4 企画発掘調査から地方博物館へ
5 書き直された過去──一九二〇年代─三〇年代
6 結び
第三章 フィールドワークと実験室科学の接合──京城における薬理学研究[愼蒼健]
1 はじめに
2 農商工部の薬用植物フィールドワーク
3 憲兵警察の薬草調査フィールドワーク
4 総督府中央試験所におけるフィールドワークと有効成分研究
5 帝国日本における漢薬研究の進展
6 京城帝大医学部薬理学第二講座の研究体制
7 おわりに
第四章 珊瑚礁・旅・島民──パラオ熱帯生物研究所研究員の「南洋」経験[坂野徹]
1 はじめに
2 パラオ熱帯生物研究所の誕生
3 研究員たちの「南洋」経験
4 パラオから遠く離れて
5 パラオ熱帯生物研究所の遺産とアメリカ
6 おわりに──追憶のパラオ熱帯生物研究所
第五章 「アイヌ民族綜合調査」とは何だったのか──泉靖一の「挫折」と戦後日本の文化人類学[木名瀬高嗣]
1 はじめに
2 「アイヌ民族綜合調査」の研究組織と「成果」
3 泉靖一の調査
4 結びに代えて
第六章 アメリカ人地理学者による冷戦期東アジアのフィールド調査──F・ピッツの結ぶ瀬戸内海、沖縄、韓国[泉水英計]
1 はじめに
2 『戦後沖縄』とその著者たち
3 沖縄と瀬戸内海──生産性の村落空間
4 韓国と瀬戸内海──ハンドトラクター
5 おわりに
あとがき
人名索引・事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。