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出版者情報
「倫理」における「主体」の問題
発行:御茶の水書房
縦210mm
295ページ
価格情報なし
- 初版年月日
- 2013年12月
- 登録日
- 2016年9月13日
- 最終更新日
- 2016年9月13日
紹介
自由意志によって自らの生の目的を設定し、それを社会の中で、他者との関係を調整しながら合理的に追求する「主体」の存在が、近代の倫理学の大前提だった。自由意志によって自発的に選択した行為だからこそ、行為主体の「責任」を問うことに意味があった。しかし、普段自己自身のことを明確に意識しないまま半ば受動的に生きている「私」たちの内に、いかにして「主体」が立ちあがってくるのか、そのプロセスや背景を詳細に分析・検討すると、"主体"の論理の根底に潜む、無意識の深淵が見えてくる。「主体」の限界と新たな可能性をめぐる、現代の(メタ)倫理学的な諸理論の状況を概観する。
目次
「主体」の生成と変容
発話行為と主体の成立、あるいは主体の受動性について
生まれてくることのない者と死者-「非存在者」に関する倫理的問題と形而上学
「主体」というニヒリズム
自己立法へのふたつのアプローチ
C.ダイアモンドの「道徳的思考」とエウチュプロン問題に寄せて-ウィトゲンシュタインの「概念形成論」の射程
ひとはいかにして自己の主体性を理解しているか
共同行為の主体と責務
Why Be Moral?問題における主体-大庭・永井・安彦論争の再考
道徳的主体性と環境依存性の問題
スピヴァクにおける読みの倫理 フェミニズムと帝国主義
テクストと倫理的転回-村上春樹の一九九〇年代
メディアと主体化とのかかわり-活字と電子メディアによる主体と倫理の変容
上記内容は本書刊行時のものです。