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9条の挑戦 伊藤 真(著/文) - 大月書店
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9条の挑戦 (キュウジョウノチョウセン) 非軍事中立戦略のリアリズム (ヒグンジチュウリツセンリャクノリアリズム)

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発行:大月書店
四六判
256ページ
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-272-21119-7   COPY
ISBN 13
9784272211197   COPY
ISBN 10h
4-272-21119-6   COPY
ISBN 10
4272211196   COPY
出版者記号
272   COPY
Cコード
C0031  
0:一般 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年9月28日
最終更新日
2018年10月18日
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目次

第1章 憲法9条の防衛戦略  (伊藤 真)

 1 はじめに

 2 軍隊を持つのか持たないのか――安全保障政策を検証する
  (1)「国民の生命や財産を守るためには、軍隊が必要だ」
  (2)「近隣諸国の軍事力増強に現実的に対応するためには軍隊が必要だ」
     近隣諸国との武力衝突の歴史 / 中国による侵略の脅威 / 北朝鮮による侵略の脅威
  (3)「攻められないように軍隊を持つべきだ」
  (4)「独立した主権国家である以上、自分の国を自分で守る軍隊は必要だ」
  (5)「専守防衛に徹する条件で軍隊を持つべきだ」
     自衛の名の下の侵略 / 個別的自衛権の危うさ / 文民統制 / 軍隊を持つことによる国民生活への影響
  (6)非軍事中立戦略という安全保障政策
     軍隊は何を守るのか / 軍事力によらない安全保障 / 攻められたらどうする? / 日本の叡智

 3 自衛隊は合憲か違憲か――憲法9条の解釈論を整理する
  (1)戦争違法化の歴史
     第二次世界大戦まで / 国連憲章の武力不行使原則 / 武力不行使原則の例外
  (2)日本国憲法9条1項の解釈
     「戦争の放棄」の消極目的と積極目的 / 放棄される「戦争」の拡張 / 侵略戦争の放棄
  (3)日本国憲法9条2項の解釈
     「前項の目的を達するため」とは / 戦力とは / 自衛権 / 交戦権の否認 / 2項の先駆性
  (4)自衛隊の合憲性
     自衛隊違憲論 / 政府の立場 / 憲法学説における最近の合憲論 / 自衛隊の合憲性に関する判例

 4 非軍事中立戦略から見た自衛隊憲法明記の弊害
  (1)自衛隊違憲論の立憲的意味
  (2)軍事力の拡大
  (3)国防国家への傾斜
  (4)国防目的による人権制約へ
  (5)自衛隊の憲法明記を議論する際に注意すること


第2章 憲法学は何を主張してきたか  (神原 元)

 1 はじめに

 2 小林直樹教授の「憲法九条の政策論」(1975年)
    「憲法九条の政策論」が書かれた頃の状況 / 「国防」の目的とは何か / 現代防衛論批判 / 日米安保体制批判 / 自主防衛論の虚妄 / 非軍事による国防 / まとめ

 3 深瀬忠一教授らの「総合的平和保障基本法試案」(1987年)
    「総合的平和保障基本法試案」提案の背景 / 基本法という手法 / 自衛隊をどうするか / 軍縮プログラムと国連中心の平和維持機能強化、そして世界連邦構想へ / まとめ

 4 水島朝穂教授の「自衛隊の平和憲法的解編構想」(1997年)
    ポスト冷戦期の平和構想 / 冷戦後の自衛隊の「存在理由」 / 自衛隊解編構想の概要 / 安保条約はどうするか / まとめと「解編」公表後の世界情勢

 5 非軍事中立戦略は現代に通用するか
    冷戦構造崩壊後の状況 / 核戦争の脅威は終わっていない / 安保条約は有効か / 自主防衛論は適用可能か / 自衛隊は「改編」すべきか、それとも「解編」すべきか / 基本法方式の有効性 / 国連との関係をどうすべきか / まとめ

 6 本章のまとめと結論


第3章 日米同盟と「専守防衛」のひずみ  (布施 祐仁)

 1 安全保障の「リアリズム」と「理想」
    軍事力で防衛するのが「不向き」な国 / 本格的な侵略の可能性は低い / 「軍備撤廃」の理想は放棄してはならない

 2 憲法9条の「原点」

 3 ゆがめられた「専守防衛」
    米軍防衛に踏み出した「シーレーン防衛」 / 米世界戦略に組み込まれる自衛隊 / 日本を再軍備させたアメリカの意図

 4 米軍依存と「見捨てられる恐怖」
    「専守防衛」はアメリカの打撃力とセット / アメリカが打撃力を行使する保証はない / 「見捨てられる恐怖」か「巻き込まれる恐怖」か

 5 周辺国の「脅威」にどう向き合うか
    自衛隊も「矛」を持つ? / 中国の海洋進出に対抗する「列島線防衛」 / 「中国海軍封じ込め」は日本防衛に必要か

 6 日本の安全保障政策はどうあるべきか
    アメリカ依存から脱し、真の「専守防衛」に / 北東アジアの集団安保体制と非核兵器地帯を

 7 自衛隊員に対する責任


第4章 等身大の安全保障論  (伊藤 真・神原 元・布施祐仁)

 1 9条をさかのぼる
    両親は戦争体験世代 / 西ドイツでの生活と愛国心 / 冷戦終結 / 湾岸戦争以後 / 宮田光雄著『きみたちと現代』と非武装中立 / 軍隊は自己増殖するもの / すでにある自衛隊 / 1995年、広島と沖縄 / 防衛政策をどこまで戻すのか 

 2 安全保障とは何なのか
    膨らみつづける防衛費 / 希少資源の分配が政治の本質 / 納税者の自覚 /  貧困と排外主義 / 象徴化した安全保障 / 安全保障イコール軍事ではない

 3 9条改憲で何が変わるのか
    まちがいなく変わる自衛隊 / 「必要な自衛の措置」は無限大 / 徴兵制の可能性 / 自衛隊員のPTSDを内包する社会 / 民主主義を非民主的なもので守るのか? / 等身大の安全保障

著者プロフィール

伊藤 真  (イトウ マコト)  (著/文

1958年生まれ。弁護士、伊藤塾塾長、日弁連憲法問題対策本部副本部長。著書に『増補版 赤ペンチェック 自民党憲法改正草案』(大月書店)ほか多数。

神原 元  (カンバラ ハジメ)  (著/文

1967年生まれ。弁護士。著書に『ヘイト・スピーチに抗する人びと』(新日本出版社)など。

布施 祐仁  (フセ ユウジン)  (著/文

1976年生まれ。ジャーナリスト、「平和新聞」編集長。著書に『経済的徴兵制』(集英社新書)『主権なき平和国家』(共著、集英社クリエイティブ)『日報隠蔽』(共著、集英社)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。