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出版者情報
往復書簡 無目的な思索の応答
発行:朝日出版社
四六変型判
124ページ
定価
1,500円+税
- 初版年月日
- 2019年3月18日
- 書店発売日
- 2019年3月18日
- 登録日
- 2019年2月27日
- 最終更新日
- 2019年3月4日
書評掲載情報
2019-05-05 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 藤沢周(作家) |
2019-04-28 | 毎日新聞 朝刊 |
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紹介
「ここでしか書けない」
言葉の在庫を放出した。
言葉の世界にそれぞれ立ち向かう同年代の作家が、
一年半にわたって新聞上で交わした往復書簡。
それは、いわゆる「往復書簡」とはまったく異なる。
馴れ合いや戦略や俯瞰から遠く離れて、
記憶を掘り起こし、違和感を継ぎ足し、書くことについて考える。
流れから逸脱し、散らばった先でぶつかり合って、
思索が自由に泳いでいく。
「言葉への態度」をめぐる、個と個のあてどない応答の軌跡。
まえがき(武田砂鉄)とあとがき(又吉直樹)は書き下ろし。
「自分の名前で文章を書くということは、なにかを確定させるという意味において身体に文字を彫ることと似ている。取り返しのつかないことになりかねないし、覚悟が必要な行為でもある」
……又吉直樹(あとがき)
「言葉を重ねていくと、意味が固まってくるものだけど、今回は、意味がただただ点在している感じが続き、生まれたり消えたりした。それはもしかしたら、とても貴重なことだったのでは、と思っているのです」
……武田砂鉄(まえがき)
【本文より】
武田 極端な話をすると、ジャムの瓶を開けてもらったことで生まれた恋もあれば、ノリの瓶が開かなかったことで離縁を決めた事例もあるかもしれません。
又吉 たとえば、「流しそうめん」は考えようによってはわざわざいったん流すという無駄な行為でしかないのですが、でも楽しいんです。
武田 しょっぱい生姜焼きを「でしょー」と言われながら食べる。文章にもこういうことがあってもいいと思います。
又吉 僕自身、「世に迎合すると鈍る」などと思っていたのですが、「迎合」という認識が間違いで、起爆するための条件と捉えたらどうか?
上記内容は本書刊行時のものです。