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黒いイギリス人の歴史 忘れられた2000年 平田 雅博(著/文) - 講談社
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黒いイギリス人の歴史 忘れられた2000年 (クロイイギリスジンノレキシ ワスレラレタニセンネン)

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発行:講談社
四六判
256ページ
定価 1,900円+税
ISBN
978-4-06-539325-3   COPY
ISBN 13
9784065393253   COPY
ISBN 10h
4-06-539325-6   COPY
ISBN 10
4065393256   COPY
出版者記号
06   COPY
Cコード
C0322  
0:一般 3:全集・双書 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2025年2月25日
最終更新日
2025年4月4日
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紹介

「黒いイギリス人」とは、Black Britishの訳語である。「黒人のイギリス人」である彼らは、歴史に翻弄されながらも、「白いイギリス人と女王様の国」では忘れられた存在だった。
「黒人史」といえば真っ先に思い浮かぶのは「アメリカ黒人史」だが、アメリカ黒人史の多くは「アメリカの国内史」として語られるのに対し、イギリスの場合、その黒人史はブリテン島内だけでなく、海を越えて東西にわたる帝国に視野を広げて見る必要がある。ここに「イギリス黒人(在英黒人)」にとどまらない「黒いイギリス人」という語を用いる意図がある。
イギリス史には古くから黒人が姿を見せる。イングランドに最初の黒人女性が現れたのはローマ時代。16世紀チューダー朝の絵巻には王室付き黒人ラッパ手が描かれている。17世紀初頭、エリザベス女王は黒人追放令を発し、シェイクスピアは『オセロー』でムーア人の軍人を主人公にした。さらに、18世紀の新聞の「逃亡奴隷」の広告データベース分析や、アメリカ独立戦争で王党派についた「黒人ロイヤリスト」たちの命運、ロンドンの黒人貧民をアフリカに移送する「シエラレオネ植民計画」の顛末など、「黒いイギリス人」の歴史は「イギリス帝国」の光と影を映し出す。
長期的かつグローバルな視点で、その移動と混合の歴史をたどり、社会的マイノリティの共生の道をさぐっていく。

目次
はじめに:「白いイギリス人」と女王様の国で
序章 「黒いイギリス人」とは誰か
第1章 最初の来訪者たち:ローマ帝国期から近世まで
第2章 逃亡奴隷のプロファイル:18世紀前半
第3章 シエラレオネ計画の夢と失望:18世紀後半
第4章 奴隷解放と「黒人消滅」:19世紀
第5章 世界大戦下の黒人臣民と黒人米兵:20世紀前半
第6章 戦勝国の旧弊:20世紀後半
終章 「イギリスらしさ」を担うのは誰か
あとがき

目次

はじめに:「白いイギリス人」と女王様の国で
序章 「黒いイギリス人」とは誰か
第1章 最初の来訪者たち:ローマ帝国期から近世まで
1 黒いイギリス人のルーツ 
2 近世、アフリカ世界への膨張 
3 チューダー朝期、スチュアート朝期の黒人 
4 シェイクスピア『オセロー』のムーア人 
5 奴隷貿易の興隆 
第2章 逃亡奴隷のプロファイル:18世紀前半
1 本土に流入する黒人 
2 逃亡奴隷データベース 
3 身体の特徴、傷痕と「内面」
4 どこへ、どう逃げたのか
第3章 シエラレオネ計画の夢と失望:18世紀後半
1 アメリカ独立戦争と黒人ロイヤリスト 
2 シエラレオネ植民地計画 
3 シエラレオネへの出航 
4 第二弾、第三弾の合流 
第4章 奴隷解放と「黒人消滅」:19世紀
1 奴隷貿易の廃止から奴隷制の廃止へ 
2 女性と黒人の参加 
3 シエラレオネの再捕獲奴隷 
4 本国での黒人の発掘と再発掘 
第5章 世界大戦下の黒人臣民と黒人米兵:20世紀前半
1 第一次世界大戦下の黒人臣民 
2 第一次世界大戦の終結 
3 第二次世界大戦中の黒人米兵と黒人臣民 
第6章 戦勝国の旧弊:20世紀後半
1 ウィンドラッシュ号という分岐点 
2 騒擾、暴動、蜂起 
3 人種主義の現場としての福祉 
終章 「イギリスらしさ」を担うのは誰か
あとがき 
注 

著者プロフィール

平田 雅博  (ヒラタ マサヒロ)  (著/文

1951年青森県生まれ。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程退学。愛媛大学法文学部助教授、青山学院大学文学部史学科教授などを経て、現在、青山学院大学名誉教授。著書に、『イギリス帝国と世界システム』『内なる帝国・内なる他者――在英黒人の歴史』『ウェールズの教育・言語・歴史――哀れな民、したたかな民』『ブリテン帝国史のいま――グローバル・ヒストリーからポストコロニアルまで』(以上、晃洋書房)、『英語の帝国――ある島国の言語の1500年史』(講談社選書メチエ)、共著に、川北稔編『知の教科書 ウォーラーステイン』(講談社選書メチエ)、共編著に、『近代ヨーロッパを読み解く――帝国・国民国家・地域』(ミネルヴァ書房)、『帝国・国民・言語――辺境という視点から』『言語、文化の狭間で』(三元社)、共訳書に、R・フィリプソン『言語帝国主義――英語支配と英語教育』(三元社)、D・アーミテイジ『思想のグローバル・ヒストリー――ホッブズから独立宣言まで』(法政大学出版局)、C・A・ベイリ『近代世界の誕生――グローバルな連関と比較1780-1914』(上・下、名古屋大学出版会)など。

上記内容は本書刊行時のものです。