版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
ルーヴル美術館 ブランディングの百年 藤原 貞朗(著/文) - 講談社
..
詳細画像 0
【利用不可】

書店員向け情報 HELP

ルーヴル美術館 ブランディングの百年 (ルーヴルビジュツカン ブランディングノヒャクネン)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:講談社
四六判
288ページ
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-06-537502-0   COPY
ISBN 13
9784065375020   COPY
ISBN 10h
4-06-537502-9   COPY
ISBN 10
4065375029   COPY
出版者記号
06   COPY
Cコード
C0370  
0:一般 3:全集・双書 70:芸術総記
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年9月30日
最終更新日
2025年4月17日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2024-12-14 毎日新聞  朝刊
評者: 鹿島茂(仏文学者)
2024-12-14 日本経済新聞  朝刊
2024-12-08 産經新聞  朝刊
評者: 藤田一人(美術ジャーナリスト)
MORE
LESS

紹介

なぜ、数ある美術館のなかで、ルーブルだけが特別なのか?
世界中の人が「人生に一度は」《モナリザ》《サモトラケ島のニケ》《ミロのヴィーナス》をひと目見たいと願っている。
だが、かつては時代遅れのみっともない美術館として「ルーヴルは国の恥」「若者よ、ルーヴルに行くな」と言われたこともあった。1793年、フランス大革命によって成立した第一共和制政府が王室コレクションを「略奪」して公開する場所として誕生したこの美術館は、その後、さまざまなコレクションを吸収して肥大化した挙げ句、近代化に乗り遅れた「カオスの迷宮」となり果てていたのである。
それが、いかにして世界中から憧れられる場所となったのか?
繰り返される国内紛争と政権交代に翻弄された苦難の時代を経て、現代アート、モードや漫画をも「古典」と成して飲み込み文化国家フランスを荘厳する「偉大なるルーヴル」が生み出されるまでの百年は、戦略と欲望、政治と資本が渦巻く歴史に彩られている。
◯なぜ《ニケ像》だけが大階段の前に据えられているのか?
◯印象派が十年間だけ所蔵された顛末とは?
◯ケネディ米大統領を《モナリザ》に「拝謁」させたフランス初代「文化大臣」の恐るべき手腕とは?
豊富な図版と多彩なエピソード満載、驚くべき発見と鋭い洞察に満ちた興奮の美術史!

【本書の内容】
序章 ルーヴル美術館の現在
第一章 ルーヴル美術館の歴史―─誕生から巨大化への長い道のり
第二章 コレクションと展示室の発展―─第三共和政前期(一八七〇―一九一四)
第三章 一九二〇年代、「迷宮」からの再出発
第四章 ルーヴル美術館の「ナショナリゼーション」―─近代化に隠された意味
第五章 ルーヴルの「顔」―─ブランド・イメージの創出と《サモトラケ島のニケ》の秘密
第六章 ルーヴル・マジック、もしくは古典の誘惑
第七章 幕間劇 空白の二十年(一九三九―五九年)と一九三〇年代の「忘却」
第八章 「世界一の美術館」の誕生―─《モナリザ》とともに
第九章 「ルーヴルへの回帰」―─グラン・ルーヴル計画
第十章 グローバル・ブランド「ルーヴル帝国」への「進化」
第十一章 「ルーヴル美術館展」の歴史―─学芸員による展覧会活動

【本書より】
ルーヴル美術館は、過去の作品を祀るだけの神殿であることを止め、芸術作品を「解体」し、「変容」させていった。展示空間の大改革を進めることによって、過去の作品を「眠り」から目覚めさせ、新しい「後世」の形象を与えていったのである。翼を広げた《ニケ像》は後世、すなわち未来に向かって飛び立ったのであり、それは、そのまま、みずから変容しようとしていたルーヴルの姿に重なっていたと言ってよいだろう。

著者プロフィール

藤原 貞朗  (フジハラ サダオ)  (著/文

1967年、大阪府に生まれる。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程退学。リヨン第二大学第三課程、大阪大学大学院助手を経て、現在、茨城大学人文社会科学部教授。博士(文学)。専門は美学・美術史。主な著書に、『オリエンタリストの憂鬱 植民地主義時代のフランス東洋学者とアンコール遺跡の考古学』(めこん、渋沢・クローデル賞本賞、サントリー学芸賞)、『共和国の美術 フランス美術史編纂と保守/学芸員の時代』(名古屋大学出版会、吉田秀和賞)、共著書に『山下清と昭和の美術 「裸の大将」の神話を超えて』(名古屋大学出版会)、訳書に『潜在的イメージ』(ガンボーニ著、三元社)、『塹壕の戦争 1914─1918』(タルディ著、共和国)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。