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情報哲学入門 北野 圭介(著) - 講談社
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情報哲学入門 (ジョウホウテツガクニュウモン)

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発行:講談社
46
272ページ
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-06-534597-9   COPY
ISBN 13
9784065345979   COPY
ISBN 10h
4-06-534597-9   COPY
ISBN 10
4065345979   COPY
出版者記号
06   COPY
Cコード
C0310  
0:一般 3:全集・双書 10:哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2023年11月29日
最終更新日
2024年10月7日
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書評掲載情報

2024-05-11 毎日新聞  朝刊
評者: 村上陽一郎(東京大学名誉教授・科学史)
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紹介

「生成AIブームの今こそ切望される知がここにある。」西垣 通(東京大学名誉教授)

「存在から情報へ――シン・哲学の姿に注目せよ!」山内志朗(慶應義塾大学名誉教授)

私たちは「情報」なしで暮らすことはできません。スマホでニュースを確認する、メールやラインをチェックする。改札を電子マネーの端末で通り抜け、車内では画面に映る広告や駅名を見る。そして会社に着けば……といったように、あらゆる場所に、無数の形で情報はあふれています。
では、そもそも情報とは何でしょうか? 一昔前のように言語をモデルに理解するのでは、医療現場での生体反応データから宇宙空間における周波数データまでをすべて「情報」として捉えることはできません。つまり、それが何かをよく理解していないまま私たちは情報なしではありえない生活を送るようになっているのです。
本書は、こうした現状の中で「情報という問い」に正面から取り組みます。カーツワイル、ボストロム、テグマークを通して技術との関係の中で「人間」とは何かを確認し、マカフィーとブリニョルフソン、ズボフを通して社会の中での情報がもつ機能を捉え、フクヤマ、ハラリ、サンデルを通して政治との関わりを考察します。その上で改めて「情報」というものを哲学的に規定し、情報をめぐる課題を整理します。
最先端の議論の見取り図を得られるばかりか、そこから得られる知見を整理し、日常にどう役立てるのかまで示してくれる本書は、これまでになかった1冊と断言できます。

[本書の内容]
序 章 情報という問い

 第I部 情報がもたらす未来
第1章 情報と技術の未来
第2章 情報と経済の未来
第3章 情報と政治の未来

 第II部 情報哲学の現在
第4章 情報の分析哲学
第5章 情報の基礎づけ
第6章 人工知能の身体性

 第III部 情報の実践マニュアル
第7章 世界のセッティング
第8章 社会のセッティング
第9章 「人間」のセッティング

目次

はじめに

序 章 情報という問い

第I部 情報がもたらす未来
第1章 情報と技術の未来
一 カーツワイルのポスト・ヒューマン論
二 ニック・ボストロムのスーパーインテリジェンス論
三 マックス・テグマークの生命システム論

第2章 情報と経済の未来
一 マカフィーとブリニョルフソンによる第二のマシン・エイジ
二 ショシャナ・ズボフの監視資本主義

第3章 情報と政治の未来
一 フランシス・フクヤマと「テクノロジーの政治学」
二 マイケル・サンデルと「守るべき美徳」
三 ユヴァル・ノア・ハラリと「自由主義の擁護」

第II部 情報哲学の現在
第4章 情報の分析哲学
一 第一哲学としての情報哲学
二 機械情報の振る舞いを把捉するための情報概念の再定義
三 情報技術を再定義し、情報化された環境における生の条件を問う
四 知能(インテリジェンス)とは何かを再定義する

第5章 情報の基礎づけ
一 生命情報、社会情報、機械情報
二 情報とは何か――パターンのパターン
三 情報学が揺さぶる哲学的思考
四 情報論的転回は大文字のパラダイムチェンジか
五 シグナルの存在論、シンボルの存在論

第6章 人工知能の身体性
一 知能は実装されるのか、知能は生成するのか
二 ロボットのなかの「知能の誕生」(ピアジェ)

第III部 情報の実践マニュアル
第7章 世界のセッティング
一 交差する二つの世界理解図式
二 複数の世界像の乱立
三 「世界像の時代」の果て

第8章 社会のセッティング
一 「社会とはなにか」という問いを変容する技術
二 コミュニカビリティに関わるデジタル・メディア
三 行為の時代

第9章 「人間」のセッティング
一 自己表象の時代
二 自由意志のデザイン─世界は誰が設計するのか
三 「人間」の溶解、あるいは民主主義の溶解


文献一覧
あとがき

著者プロフィール

北野 圭介  (キタノ ケイスケ)  (

1963年、大阪府生まれ。ニューヨーク大学大学院映画研究科博士課程中途退学。ニューヨーク大学教員、新潟大学助教授を経て、現在、立命館大学映像学部教授。専門は、映画・映像理論、メディア論。ロンドン大学ゴールドスミス校客員研究員(2012年9月-13年3月)、ラサール芸術大学客員研究員(2022年6月-11月)、ハーヴァード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所客員研究員(2023年11月-24年3月)。
主な著書に、『新版ハリウッド100年史講義』(平凡社新書)、『映像論序説』、『制御と社会』、『ポスト・アートセオリーズ』(以上、人文書院)ほか。
主な訳書に、デイヴィッド・ボードウェル+クリスティン・トンプソン『フィルム・アート』(共訳、名古屋大学出版会)、アレクサンダー・R・ギャロウェイ『プロトコル』(人文書院)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。