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紫式部の実像
稀代の文才を育てた王朝サロンを明かす
発行:朝日新聞出版
四六判
重さ 335g
360ページ
定価
1,800円+税
- 初版年月日
- 2024年2月25日
- 書店発売日
- 2024年2月9日
- 登録日
- 2024年1月10日
- 最終更新日
- 2024年1月31日
書評掲載情報
2024-03-31 | 産經新聞 朝刊 |
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紹介
私は、紫式部と具平親王との関係が気になって調べ、その生涯をたどることにしたのが、本書を書くきっかけとなった。二人は血縁関係にあるだけではなく、父為時は長く具平親王の家司として仕え、おじの為頼は、具平親王や藤原公任らとも強い友情関係で結ばれていた。すると、具平親王や公任は、若いころの紫式部を知っていたはずで、深いかかわりが想像されてくる。紫式部は父に伴われて具平親王邸に出入りし、漢籍とは異なる多様な知識を吸収し、物語にも目覚めたのではないか。
具平親王は六条の宮と称され、その邸宅は「桃花閣」とも「千種殿」とも呼ばれ、庭には季節ごとの草花が植えられていた。文人たちが集まっての詩歌の会も催されており、紫式部は身近に見聞きもしていたことであろう。このようにたどると、光源氏の六条院のモデルになったのではないかと思われ、紫上の春の御殿や秋好中宮の秋の御殿も連想されてくる。新しい視点として、注目される。(「はじめに」より)
上記内容は本書刊行時のものです。