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介護格差 結城 康博(著/文) - 岩波書店
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介護格差 (カイゴカクサ)

新書
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発行:岩波書店
新書判
縦173mm 横107mm 厚さ11mm
重さ 178g
270ページ
定価 1,000円+税
ISBN
978-4-00-432028-9   COPY
ISBN 13
9784004320289   COPY
ISBN 10h
4-00-432028-3   COPY
ISBN 10
4004320283   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C0236  
0:一般 2:新書 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年8月20日
書店発売日
登録日
2024年7月10日
最終更新日
2024年8月9日
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紹介

団塊世代が全て75歳以上の後期高齢者となり、団塊Jr.世代は50歳を超える2025年。介護問題がさらに深刻化していくのは必定とされる。経済、医療・健康、情報、地域、親類・縁者、世代間、意識の7つをキーワードとして、介護保険の実態や課題を余すところなく解説。誰もが安心した介護生活を送るための決め手を探る。

目次

 はじめに

序 章 介護は「人」との繫がり次第なのか1
  おカネも大事だけれども......
  「ケチ」な要介護者
  年金毎月10万円層が厳しい

第1章 やっぱり「おカネ」次第?
 1 介護と経済力格差
  老後不安を抱く高齢者
  介護費用はいくらか?
  介護期間は?
 2 貧困/裕福な要介護者
  木造アパートに住むケース
  裕福なほどケチ
 3 介護保険料からの貧富差
  介護保険料の仕組み
  保険料滞納とペナルティ
  増える滞納者
  介護保険料格差
 4 高齢者世帯の貯蓄格差
  増える独居及び老夫婦高齢者世帯
  独居高齢者(単独世帯)の実態
  核家族世帯の高齢者世帯
  3世代家族の場合
 5 老後資金2000万円不足問題
  金融庁報告書
  厚生年金受給者における格差
  老齢基礎年金(国民年金)は厳しい
  厚生年金と国民年金との格差
 6 生活保護受給者は「最下位層」ではない
  半数以上は高齢者
  医療や介護の負担がゼロ
  生活保護受給者と高齢者アパート
  生活保護受給となれば介護は安心
 7 格差はジニ係数で測れるのか?
  ジニ係数とは
  サービスに繫がらない層
  民間介護保険の加入者

第2章 頼れる人がいるか否かで明暗が分かれる
 1 介護格差は若いときから始まる
  要介護者の人間関係?
  孤独への不安
 2 「おひとりさま」は気楽ではない
  介護施設の3割は入居困難
  身元保証人とは
  医療同意が課題
  援助者にとっての安心感
 3 身元保証人がいない
  親族以外でも
  身元保証人を請け負う業者
  成年後見人制度は限界がある
 4 要介護者の仲間の大切さ
  デイサービス等での人間関係
  介護は生活である
  介護は「死後」格差にも繫がる

第3章 医療と健康格差
 1 健康寿命による格差
  元気でいられる寿命
  介護予防とフレイル
  コミュニケーション力の差
  輪の中に入るコツ
 2 認知症を患うか否か?
  年齢を重ねれば認知症になる
  徘徊の介護
  異食行動と排泄障害
 3 病気と介護
  要介護者となる疾患
  医療的ケアを伴うか否か
  介護施設も限られる
  「がん」を伴う介護
  介護保険サービスの限度額
  要介護認定申請と主治医
  医療と介護の連携の必要性
 4 在宅介護における入院とリハビリ
  一般病床の現状
  退院後の行き先
  在宅での「リハビリ」の現状
 5 感染症にもろい介護現場
  コロナ禍における経験
  ワクチン接種手続きや会場へのアクセス
  医療・介護連携にも課題
  サービス利用控えと機能低下
  衛生用品不足による混乱
  介護施設のクラスター
  医療機関に入院できない
  面会規制下における成人式
  コロナ禍の教訓

第4章 介護人材不足と地域間格差
 1 介護人材不足による深刻さ
  介護事業所閉鎖による影響
  小規模デイサービスが閉鎖
  訪問入浴介護サービスも使えない
  サービス依頼を断る要因
 2 地方の介護現場
  徳島県三好市を訪ねる
  離島では
 3 住む市町村で異なる
  市町村による解釈の違い
  介護保険料の地域差
 4 要介護認定率の差
  要介護者の出現率に差
  「運」も否めない
  高齢者意識による違い
  主治医にも頼んでおく
 5 介護保険以外のサービス格差
  自治体による高齢者福祉サービス
  民間市場による保険外サービス
 6 介護業界と他産業格差
  有効求人倍率における格差
  尋常ではない訪問介護の人材不足
  給与格差
  職場環境の格差
  ケアマネジャーが見つからない!
  ケアマネジャー不足の要因
 7 市町村の財政力と首長次第
  地方政治の差
  ヘルパー資格に自治体が責任を持つ
 8 地域の互助組織力の違い
  ボランティア不足も深刻
  民生委員不足の実態

第5章 介護は情報戦!
 1 知っているか否かで違う!
  情報の取得次第で変わる!
  介護事業所が喫茶店経営
 2 SNSなどの情報
  メリットとデメリット
  介護サービス情報公表制度の活用
  間違わない介護施設の選び方
  疑念があれば役所などへ
 3 民間介護施設相談センター
  地域包括支援センターの限界
  民間介護施設相談センターの活用
  1件契約成立30万~50万円
  貧困ビジネスについて
  天涯孤独の要介護者の住まい
  市内の処遇困難ケースが集まる
  特養が空いている
  有料老人ホームの細分化
 4 高級有料老人ホームのメリット
  高級有料老人ホームを訪ねる
  現役時代は高収入層が多い
 5 自助の意識も重要
  介護のイメージを抱いておこう
  苦情を述べることも重要

第6章 団塊ジュニア世代の介護危機
 1 人口減少社会と介護問題
  団塊世代と団塊ジュニア世代
  DXへの期待と課題
  40年後も未知数
 2 年金格差
  保険料と給付額
  年金給付額は目減りする
 3 団塊ジュニアと親の介護
  ケアラー(家族介護者)とは
  ダブルケア
  借金が増える孫世代
  シングル介護
  多重介護
  家族介護者の格差
  家族介護者の集いの場
  増えている男性家族介護者
 4 注目されるヤングケアラー
  介護がもたらす児童間格差
  お手伝いとの差異?
  千葉県調査研究委員会に携わる
  セルフケアの視点
  外国人のシングルマザー
  ケアラー支援と介護保険
 5 仕事と介護の両立格差
  ビジネスケアラーによる経済損失
  介護休業の充実
  介護離職の実態
 6 先進的な企業
  大企業を訪ねる
  浸透しつつある介護課題
 7 家族介護者における世代間格差
  世代間で異なる家族介護
  介護保険創設時とのギャップ

第7章 厳しい2024年改正介護保険
 1 禍根を残す2024年改正
  抜本改正とは程遠い
  老人保健施設等の自己負担増
  福祉用具の「選択制」導入
 2 介護事業者には期待外れ
  誤解される介護報酬引き上げ
  在宅介護は幻想化する
  訪問介護の基盤が崩れる
  地域包括支援センターは限界
  ケアマネ更新制度は廃止に
  有料老人ホームによる配置基準の緩和
 3 2027年改正が正念場!
  給付サービス抑制の動き
  ケアプランの自己負担導入
  2割負担層は現状維持にすべき

第8章 格差是正のための処方箋
 1 勝負の10年!
 2 競争原理の再検証
  過度な競争原理
  市場と準市場の違い
  保険者機能を強化
  特養ホーム施策の変革
 3 「契約制度」の限界
  旧「措置制度」の評価を見直すべき!
  自治体責任が低下
  自己決定権は錦の御旗?
 4 このような変革を!
  ヘルパーの公務員化
  介護は「雇用の創出」
  10%程度の介護報酬引き上げを!
  高額介護サービス費の優遇
  新たな「療養介護福祉士」の創設
  准看護師との比較
  介護人材紹介業の規制
 5 立ちはだかる財源論
  新たな公費の投入
  法人税の引き上げを
  資産に基づく負担増
  消費税増税は?
 6 介護は経済政策!
  発想の転換
  外国人介護職員と日本経済
  介護は「負担」ではなく「投資」

終 章 「介活」で格差を乗り切ろう!
 1 「介活」をやってみよう!
 2 「介活」とは
  支えられ上手に
  ハラスメントの加害者にならない
  良し悪しは「口コミ」から
  元気なうちから親子で考えよう
  介護相談機関などを調べておこう
  「かかりつけ医」を持とう!
  元気なうちは働こう!
 3 災害と要介護者
  避難行動要支援者名簿
  個別避難支援計画
 4 介護に関する価値観
  世代間に応じた価値観
  どうして介護が必要か?

 おわりに

著者プロフィール

結城 康博  (ユウキ ヤスヒロ)  (著/文

結城康博(ゆうき・やすひろ)
1969年生まれ.
淑徳大学社会福祉学部卒業.法政大学大学院修了(経済学修士,政治学博士).1994~2007年,東京都北区,新宿区に勤務.この間,介護職,ケアマネジャー,地域包括支援センター職員として介護関連の仕事に従事(社会福祉士,介護福祉士).現在,淑徳大学総合福祉学部教授(社会保障論,社会福祉学).元社会保障審議会介護保険部会委員.
著書―『日本の介護システム――政策決定過程と現場ニーズの分析』(岩波書店)
   『医療の値段』『介護 現場からの検証』
   『在宅介護――「自分で選ぶ」視点から』(以上,岩波新書)
   『介護職がいなくなる――ケアの現場で何が起きているのか』(岩波ブックレット)
   ほか多数.

上記内容は本書刊行時のものです。