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戦争ミュージアム 梯 久美子(著/文) - 岩波書店
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戦争ミュージアム (センソウミュージアム) 記憶の回路をつなぐ (キオクノカイロヲツナグ)

新書
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発行:岩波書店
新書判
縦173mm 横107mm 厚さ10mm
重さ 152g
220ページ
定価 920円+税
ISBN
978-4-00-432024-1   COPY
ISBN 13
9784004320241   COPY
ISBN 10h
4-00-432024-0   COPY
ISBN 10
4004320240   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C0295  
0:一般 2:新書 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年7月19日
書店発売日
登録日
2024年6月10日
最終更新日
2024年7月19日
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書評掲載情報

2024-09-21 (予定) 毎日新聞  朝刊
評者: 加藤陽子(東京大学教授・日本近代史)
2024-08-17 朝日新聞  朝刊
評者: 高谷幸(東京大学准教授)
2024-08-10 東京新聞/中日新聞  朝刊
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紹介

日本が当事国であった戦争を知る世代が少なくなるなか、忘れてはならない記録と記憶の継承を志す場があり、人がいる。戦争の時代を生きた人間を描くノンフィクションを多数ものしてきた作家が、各地の平和のための博物館を訪ね、そこで触れた土地の歴史と人びとの語りを伝える。未来への祈りをこめた、今と地続きの過去への旅。

目次

大久野島毒ガス資料館――毒ガス製造と使用の知られざる歴史
 地図から消された島
 「危険な施設は地方に」
 毒ガス兵器を使用した日本軍
 廃棄処理の難しさ

予科練平和記念館――大空に憧れた少年たちの「特攻」
 予科練出身者の戦死率は八割
 厳しい訓練と高度な座学
 「人も飛行機も唯消耗品なのです」
 飛行機にさえ乗れずに死んでいった若者たち

戦没画学生慰霊美術館 無言館――遺された絵が語りかける青春の美術館
 画家を夢みた戦没学生たち
 妹を描いて出征、二三歳で戦病死
 妻が五〇年間、自室に飾っていた絵
 未完の絵が語るもの

周南市回天記念館――若者を兵器として扱った「人間魚雷」の実態
 魚雷と人間が一体となった兵器
 完成を急ぎ事故が多発
 コックピットを精巧に再現
 戦死者の平柊年齢は二〇・九歳
 海岸に残る訓練基地跡

 コラム◆戦跡を訪ねて――土地は歴史を記憶する
  太平洋戦争末期の激戦地 硫黄島
  民間人の悲劇が起きた サイパン島
  地上戦で二〇万人の命が失われた 沖縄
  地上の国境線があった島 サハリン(樺太)

対馬丸記念館――子どもたちを乗せて沈んだ疎開船の悲劇
 いまだに確定できない死者の数
 竣工三〇年の老朽貨物船
 五三年後に発見された対馬丸
 国策の犠牲となった子どもたち

象山地下壕(松代大本営地下壕)――本土決戦に備えて掘られた巨大な地下壕
 総延長約一〇キロの巨大な地下壕
 過酷な労働を強いられた朝鮮人労働者
 天皇と三種の神器
 地下壕の公開を実現させた高校生たち

東京大空襲・戦災資料センター――記録することで記憶をつなぎとめる
 被災地図の上の死者たち
 焼夷弾を持ち上げてみる
 無数の三月一〇日、死者と生者の声

八重山平和祈念館――知られざる戦争マラリアの実相を後世に残す
 戦争マラリアとは何か
 軍命によって有病地へ
 避難小屋での暮らし
 軍はマラリア罹患の危険性を知っていた

原爆の図丸木美術館――絵の前に立ち、死者からの問いを受けとめる
 丸木スマが描いた「ピカのとき」
 「原爆の図」のために建てられた美術館
 絵を通して人が出会う場所

長崎原爆資料館――いまこそ学ぶべき核兵器の惨禍
 偶然が左右した運命
 失われた遺構のレプリカ
 「ファットマン」の実寸大模型
 絵巻物「崎陽のあらし」のメッセージ

稚内市樺太記念館――戦争で手に入れた領土で起きたこと
 世界でも類を見ない巨大防波堤
 日露戦争の勝利で手に入れた領土
 日本の近現代史の縮図
 引揚船で稚内港へ
 一般市民を巻き込んだ地上戦

満蒙開拓平和記念館――「国策」がもたらした八万の死
 満蒙開拓団とは何か
 悲惨をきわめた逃避行
 被害と加害がからみあった複雑さ
 当事者の壮絶な体験を聴く
 国策に従った果てに

舞鶴引揚記念館――シベリア抑留の帰還者を迎えた町
 シベリア抑留の一次資料を収蔵・展示
 最後の引揚港・舞鶴
 記録性の高い資料の数々
 帰還を待ち続けた人々

都立第五福竜丸展示館――市民が守った被ばく漁船を展示
 死の灰を浴びたマグロ漁船
 「沈めてよいか、第五福竜丸」
 市民の力で船体を保存
 模型船を造り続けた元乗組員

 コラム◆インターネット上の戦争アーカイブ――学びを深めるためのサイト
  中国新聞 ヒロシマ平和メディアセンター
  NHK戦争証言アーカイブス
  アメリカ合衆国 ホロコースト記念博物館

 主な参考文献
 あとがき

著者プロフィール

梯 久美子  (カケハシ クミコ)  (著/文

梯 久美子
ノンフィクション作家。1961(昭和36)年、熊本市生まれ。北海道大学文学部卒業後、編集者を経て文筆業に。『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』(新潮社)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。同書は米、英、仏、伊など世界8か国で翻訳出版されている。『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社)で読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞、講談社ノンフィクション賞を受賞。近現代史における戦争と人間というテーマを一般読者に向けて執筆し、『昭和二十年夏、僕は兵士だった』(角川文庫)、『昭和の遺書 55人の魂の記録』(文春新書)、『百年の手紙 日本人が遺したことば』『原民喜 死と愛と孤独の肖像』(岩波新書)、『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』(角川文庫)、『この父ありて 娘たちの歳月』(文藝春秋)など、著書多数。

上記内容は本書刊行時のものです。