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ひらがなの世界
文字が生む美意識
- 初版年月日
- 2024年5月17日
- 書店発売日
- 2024年5月21日
- 登録日
- 2024年4月10日
- 最終更新日
- 2024年5月15日
書評掲載情報
2024-08-10 |
毎日新聞
朝刊 評者: 持田叙子(日本近代文学研究者) |
2024-07-14 |
読売新聞
朝刊 評者: 青木千恵(書評家) |
2024-06-16 | 産經新聞 朝刊 |
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紹介
たとえば紀貫之によると伝えられている「高野切」は、書を学ぶ人の手本となる書である。この名品には書き間違いがあるといわれ続けてきたが、しかしそれは本当に誤字脱字なのか。著者は実作者の目をもって書と対話し、ひらがなという大河の最初の一滴にさかのぼる。「つながる」という本質に注目しながら、美の宇宙を読み解くこころみ
目次
はじめに――文学と文字
文字とは何か
どう読むのか
どう書くのか
女手(ひらがな)への一大変身
第一章 ひらがなへの道
漢字、ひらがな、カタカナ
桜、さくら、サクラ
篆書、隷書、草書
書は、王羲之からはじまる
舒明天皇、国見の歌
万葉仮名を読む
文字は語る
かなの誕生
ひらがな=女手
五母音表記
清音表記
第二章 女手の宇宙
結合、連続
女手書記
「高野切古今和歌集」
くっついたり離れたり
「寸松庵色紙」
掛字の美
脱字か、技巧か
表出と表現
不自然なつながり
併字の技巧
霧が文字も隠す
掛筆万歳
見せ消ち
「秋萩帖」
隠字
古典に向かう態度
文字がとける
掛筆いろいろ
言葉の本質
重字・畳字・顕字
「高野切」第一種
第二種、第三種から
第三章 散らし書きの美学
小山正太郎と岡倉天心
有限の紙面
不自然な筆蝕
密集型の構成
色紙の書を形成する三つの力
「雨ニモマケズ」
古筆の終焉
第四章 三色紙を味わう
三色紙とは
つながる女手
「升色紙」
三色紙の書法
「継色紙」
返し書き
言葉と時間
第五章 葦手の書法
『うつほ物語』
真・行・草
同じ文字をさまざまに変へて書けり
葦手とひらがな
文字は言葉そのもの
明朝体
葦手を読む
「平家納経」
「葦手下絵和漢朗詠集」
「元輔集」
なぜ葦なのか
具象と抽象
むすびにかえて
はるはあけぼの
ずらずらと
曖昧性の美
ひらがな(女手)字体一覧表
図版出典一覧
上記内容は本書刊行時のものです。