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女性不況サバイバル 竹信 三恵子(著/文) - 岩波書店
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女性不況サバイバル (ジョセイフキョウサバイバル)

新書
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発行:岩波書店
新書判
縦173mm 横107mm 厚さ11mm
重さ 178g
270ページ
定価 1,000円+税
ISBN
978-4-00-431981-8   COPY
ISBN 13
9784004319818   COPY
ISBN 10h
4-00-431981-1   COPY
ISBN 10
4004319811   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C0236  
0:一般 2:新書 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年7月20日
書店発売日
登録日
2023年6月12日
最終更新日
2024年9月26日
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書評掲載情報

2023-09-09 東京新聞/中日新聞  朝刊
2023-09-09 日本経済新聞  朝刊
2023-08-13 読売新聞  朝刊
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紹介

コロナ禍は、「ケアする性」を直撃した災害でもあった・・・。世界各地で「女性不況」と課題視されたにもかかわらず、なぜ日本の女性たちの雇用危機は無いことにされ、放置されてきたのか。社会に埋め込まれた「不可視化と沈黙」を生み出す六つの仕掛けを浮き彫りにし、女性たちの模索をたどる。危機はまだ終わっていない。

目次

序 章 「女性発」の見えない脅威
 国連が発した警告
 張り巡らされる不可視化の仕組み
 「女性不況」被害の幅広いすそ野

第1章 「夫セーフティネット」という仕掛け
 1 シフト制パート女性の反乱
  サービス産業に広がったシフト制
  「シフトなし」は「契約なし」?
  「週一日勤務」でも失業ではない
 2 「家計補助」のトリック
  解雇も失業も見えない働き方
  夫(父)セーフティネットと家計補助
  「大黒柱型」から「多就業型」へ
 3 一斉休校と「子育て緊急事態宣言」
  母子軽視の「右へならえ」政策
  「子育て緊急事態宣言」

第2章 「ケアの軽視」という仕掛け
 1 感染拡大下での学童保育指導員雇い止め
  専門的意見を述べたら「反抗的」
  切り離される「ケア的公務」
 2 「保健師増やして」キャンペーン
  保健所の統廃合のなかで
  職場と家族の板挟み
  搾取される資格職の使命感
 3 「三密」の連続、上がらない報酬
  実態と乖離した要請の連鎖
  保育なしで医療現場も動かない
  届かない「三%アップ」
 4 会計年度任用職員の登場
  ダブルワークでしのぐ
  「マタハラの制度化」効果

第3章 「自由な働き方」という仕掛け
 1 キャバクラの女性たちの「雇用回復」
  「夜の街」の女性が労働実態アンケート
  政府の除外が招いた風俗女性バッシング
  「華やかさ」と「自由」が隠す窮迫
 2 脆弱雇用ほど手薄な支え
  「個人事業者」扱いの罠
  渋谷ホームレス殺人事件への道
 3 フリーランスを素通りした育児支援
  個人申請の休校補償にも壁
  自由を選んだら無保障は我慢?
  仕事を口実に繰り返されたセクハラ行為

第4章 「労働移動」という仕掛け
 1 就労支援の先の劣悪雇用
  仕事探しの際の経済不安
  「回転寿司型就労」の陰にDV
 2 「資格」の限界
  高度な資格が逆に壁
  デンマークの「労働移動」との落差
  置き去りにされる中高年女性
 3 「正規化」にも限界
  正社員数押し上げた福祉業界
  マタハラ解雇の影
  客室乗務員に最賃割れの恐れ

第5章 「世帯主主義」という仕掛け
 1 「簡素」「迅速」ではなかった世帯主支給
  届くまでに一年九か月
  混乱招いた「受給権者は世帯主」
 2 繰り返される給付金差別
  子どもへの給付金でも問題化
  三〇年以上にわたる攻防
  暮らしへの公費の出し渋り
 3 子どもや少女に広がる被害
  困窮する子どもたち
  少女たちの家庭脱出
  家庭の外に逃げ場がない
  暮らしを立て直す居場所

第6章 「強制帰国」という仕掛け
 1 「外国人切り」も女性から
  子どもの発熱で休んだら解雇
  妊娠告げたら解雇
 2 二つの「派遣切り」の温度差
  繰り返された「派遣村」の構図
  見えなくさせるからくり
  「自己責任型コロナ対策」の歪み
  境界線の両側をつなぐ動きと「支援崩壊」
 3 「入れ替え装置」に挑む
  「妊娠したら帰国」という「常識」
  前向きの会社に、国が待った
  「取り替えれば済む」という安易さ
  まるで「労働者ロンダリング」

第7章 新しい女性労働運動の静かな高揚
 1 「夫」の外にセーフティネットを作る
  札幌の訴えが生んだ個人申請の休校補償
 2 実態に合ったルールを作る
  厚労省の「留意事項」の背中押す
  公務員労組の三三条キャンペーン
 3 「よい労働移動」を目指して
  非正規公務から民間シェルターへ
  五〇代で正社員に......でも限界
 4 動き出す若い世代
  「生理」「更年期障害」が政策課題に
  海外への道ふさがれ視線が内に
  「やさしいこぶしの振り上げ方」

終 章 「沈黙の雇用危機」との闘い方
 1 作られた「女性不況」
  「沈黙の雇用危機」とは何か
  「六つの仕掛け」はどう機能したか
  「生きないように、死なないように」
 2 男性労働問題の核でもある女性労働問題
  「戦争する国」から生まれた仕組み
  「家計補助」論が生んだ「賃下げ国家日本」
  返す刀で作られる男性の不幸
 3 「使えるもの」を掘り起こす
  ステルスな戦時体制が生んだ「柊衡」
  「マスメディア」の二つの顔
  コミュニティを掘り起こす

 おわりに
 主要引用・参照文献一覧

著者プロフィール

竹信 三恵子  (タケノブ ミエコ)  (著/文

竹信三恵子(タケノブ ミエコ)
ジャーナリスト,和光大学名誉教授.朝日新聞社記者,和光大学教授などを経て,現職.NPO法人官製ワーキングプア研究会理事.2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞.『ルポ雇用劣化不況』で2009年度日本労働ペンクラブ賞受賞.2022年『賃金破壊』で日隅一雄・情報流通促進賞特別賞.
著書:『ワークシェアリングの実像』『ミボージン日記』(岩波書店),『ルポ雇用劣化不況』『家事労働ハラスメント』(以上,岩波新書),『女性を活用する国,しない国』『災害支援に女性の視点を!』(共編著)『官製ワーキングプアの女性たち』(共編著)(以上,岩波ブックレット),『ルポ賃金差別』(ちくま新書),『正社員消滅』(朝日新書),『10代から考える生き方選び』(岩波ジュニア新書),『賃金破壊』(旬報社)ほか多数.

上記内容は本書刊行時のものです。