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女性不況サバイバル
- 初版年月日
- 2023年7月20日
- 書店発売日
- 2023年7月22日
- 登録日
- 2023年6月12日
- 最終更新日
- 2024年9月26日
書評掲載情報
2023-09-09 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
2023-09-09 | 日本経済新聞 朝刊 |
2023-08-13 | 読売新聞 朝刊 |
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紹介
コロナ禍は、「ケアする性」を直撃した災害でもあった・・・。世界各地で「女性不況」と課題視されたにもかかわらず、なぜ日本の女性たちの雇用危機は無いことにされ、放置されてきたのか。社会に埋め込まれた「不可視化と沈黙」を生み出す六つの仕掛けを浮き彫りにし、女性たちの模索をたどる。危機はまだ終わっていない。
目次
序 章 「女性発」の見えない脅威
国連が発した警告
張り巡らされる不可視化の仕組み
「女性不況」被害の幅広いすそ野
第1章 「夫セーフティネット」という仕掛け
1 シフト制パート女性の反乱
サービス産業に広がったシフト制
「シフトなし」は「契約なし」?
「週一日勤務」でも失業ではない
2 「家計補助」のトリック
解雇も失業も見えない働き方
夫(父)セーフティネットと家計補助
「大黒柱型」から「多就業型」へ
3 一斉休校と「子育て緊急事態宣言」
母子軽視の「右へならえ」政策
「子育て緊急事態宣言」
第2章 「ケアの軽視」という仕掛け
1 感染拡大下での学童保育指導員雇い止め
専門的意見を述べたら「反抗的」
切り離される「ケア的公務」
2 「保健師増やして」キャンペーン
保健所の統廃合のなかで
職場と家族の板挟み
搾取される資格職の使命感
3 「三密」の連続、上がらない報酬
実態と乖離した要請の連鎖
保育なしで医療現場も動かない
届かない「三%アップ」
4 会計年度任用職員の登場
ダブルワークでしのぐ
「マタハラの制度化」効果
第3章 「自由な働き方」という仕掛け
1 キャバクラの女性たちの「雇用回復」
「夜の街」の女性が労働実態アンケート
政府の除外が招いた風俗女性バッシング
「華やかさ」と「自由」が隠す窮迫
2 脆弱雇用ほど手薄な支え
「個人事業者」扱いの罠
渋谷ホームレス殺人事件への道
3 フリーランスを素通りした育児支援
個人申請の休校補償にも壁
自由を選んだら無保障は我慢?
仕事を口実に繰り返されたセクハラ行為
第4章 「労働移動」という仕掛け
1 就労支援の先の劣悪雇用
仕事探しの際の経済不安
「回転寿司型就労」の陰にDV
2 「資格」の限界
高度な資格が逆に壁
デンマークの「労働移動」との落差
置き去りにされる中高年女性
3 「正規化」にも限界
正社員数押し上げた福祉業界
マタハラ解雇の影
客室乗務員に最賃割れの恐れ
第5章 「世帯主主義」という仕掛け
1 「簡素」「迅速」ではなかった世帯主支給
届くまでに一年九か月
混乱招いた「受給権者は世帯主」
2 繰り返される給付金差別
子どもへの給付金でも問題化
三〇年以上にわたる攻防
暮らしへの公費の出し渋り
3 子どもや少女に広がる被害
困窮する子どもたち
少女たちの家庭脱出
家庭の外に逃げ場がない
暮らしを立て直す居場所
第6章 「強制帰国」という仕掛け
1 「外国人切り」も女性から
子どもの発熱で休んだら解雇
妊娠告げたら解雇
2 二つの「派遣切り」の温度差
繰り返された「派遣村」の構図
見えなくさせるからくり
「自己責任型コロナ対策」の歪み
境界線の両側をつなぐ動きと「支援崩壊」
3 「入れ替え装置」に挑む
「妊娠したら帰国」という「常識」
前向きの会社に、国が待った
「取り替えれば済む」という安易さ
まるで「労働者ロンダリング」
第7章 新しい女性労働運動の静かな高揚
1 「夫」の外にセーフティネットを作る
札幌の訴えが生んだ個人申請の休校補償
2 実態に合ったルールを作る
厚労省の「留意事項」の背中押す
公務員労組の三三条キャンペーン
3 「よい労働移動」を目指して
非正規公務から民間シェルターへ
五〇代で正社員に......でも限界
4 動き出す若い世代
「生理」「更年期障害」が政策課題に
海外への道ふさがれ視線が内に
「やさしいこぶしの振り上げ方」
終 章 「沈黙の雇用危機」との闘い方
1 作られた「女性不況」
「沈黙の雇用危機」とは何か
「六つの仕掛け」はどう機能したか
「生きないように、死なないように」
2 男性労働問題の核でもある女性労働問題
「戦争する国」から生まれた仕組み
「家計補助」論が生んだ「賃下げ国家日本」
返す刀で作られる男性の不幸
3 「使えるもの」を掘り起こす
ステルスな戦時体制が生んだ「柊衡」
「マスメディア」の二つの顔
コミュニティを掘り起こす
おわりに
主要引用・参照文献一覧
上記内容は本書刊行時のものです。