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平成司法改革の研究 須網 隆夫(著/文) - 岩波書店
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平成司法改革の研究 (ヘイセイシホウカイカクノケンキュウ) 理論なき改革はいかに挫折したのか (リロンナキカイカクハイカニザセツシタノカ)

社会科学
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発行:岩波書店
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ26mm
重さ 594g
398ページ
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-00-024728-3   COPY
ISBN 13
9784000247283   COPY
ISBN 10h
4-00-024728-X   COPY
ISBN 10
400024728X   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C3032  
3:専門 0:単行本 32:法律
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年9月27日
書店発売日
登録日
2022年8月10日
最終更新日
2024年4月9日
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書評掲載情報

2022-12-03 朝日新聞  朝刊
評者: 犬塚元(法政大学教授・政治思想史)
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紹介

司法制度改革審議会の最終意見書から20年。法曹人口増、法科大学院、裁判員制度など矢継ぎ早に行われた平成期の司法改革が、いずれもうまく行かなかったのはなぜか。実定法学、基礎法学、政治学等、多彩な分野の研究者やジャーナリスト、実務家が結集。「失敗の原因」を探り、それを踏まえて新たな改革提言を行う。

目次

はじめに……………(須網隆夫)
  ――本書に至る経緯・本書の狙い・本書の概要

第I部 司法改革とは何か

 第1章 司法制度改革の源流を考える……………(豊秀一)
    ――関係者の取材から
  はじめに
  1 統治構造改革の一環としての司法制度改革
  2 法曹三者の改革の限界が生んだ司法制度改革
  3 「呉越同舟」「同床異夢」を超えて
  4 「制度を活かすもの、それは人である」
  5 統治構造改革としての限界とその意味

 第2章 平成の司法改革をもたらしたもの……………(飯考行)
    ――司法制度改革審議会前後の経過と社会を視野に入れて
  はじめに
  1 司法制度改革審議会の前史
  2 司法制度改革審議会の提言とその後の経過
  3 平成の司法改革をもたらしたもの
  4 今後の司法改革の課題
  おわりに

第II部 司法制度改革の総論的検討

 第3章 制度改革の理論とは何か……………(須網隆夫)
    ――審議会に欠けていた改革の理論
  はじめに――理論なき司法制度改革
  1 制度改革への基本的アプローチ
  2 新制度派経済学の基本的発想
  3 新制度派経済学からの示唆
  4 事例研究Ⅰ――司法アクセスの場合
  5 事例研究Ⅱ――法曹養成の場合
  最後に

 第4章 司法制度改革と憲法学……………(山元一)
  はじめに
   A 司法制度改革の理念形成
  1 統治構造改革の中の司法制度改革
  2 司法制度改革の理念形成
   B 「法の支配」の実現とその批判
  1 「法の支配」の実現としての司法制度改革
  2 「司法制度改革」と戦後市民社会論
  3 司法制度改革論批判と憲法学
   C 憲法学から見た司法制度改革20年
  1 社会の「法化」と国民の「統治主体」化?
  2 司法官僚制の変化?
  3 違憲審査制 ― 司法消極主義の継続と定着?
  まとめにかえて

 第5章 比較司法政治から見た平成司法改革と日本の最高裁判所……………(網谷龍介)
    ――最高裁判所裁判官の選考制度に注目して
  はじめに
  1 政治的環境の中の司法
  2 違憲審査と裁判官任命のポリティクス
  3 憲法判断機関の任命方法
  4 日本における最高裁人事の議論
  5 司法改革における問題の回避
  6 グローバルな立憲民主主義へ向けて?

 第6章 平成司法制度改革の起源……………(ディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク)
    ――刑事司法制度への国民参加に焦点を当てて
  はじめに
  1 戦後司法が抜本的改革されなかった理由
  2 「日本人の法意識」と政策イメージ
  3 平成司法制度改革への道
  4 サブシステムからマクロ政治的アジェンダへ(1997-99 年)
  5 抜本的司法制度改革の時期 ――1999-2001 年の政策転換
  6 司法制度審議会と国民参加
  おわりに

第III部 改革は何を達成し、何を実現しなかったか

 第7章 弁護士の収入減と裁判所事件数の低迷について……………(馬場健一)
    ――見落とされている観点から
  1 弁護士の収入減と裁判所事件数の低迷
  2 弁護士収入の減少の実態とその評価について
  3 民事・行政訴訟における弁護士代理率について
  4 弁護士増は司法利用を活性化してきたのか
   ――比較法的見地も交えて
  5 暫定的結論

 第8章 原発事故賠償に見る民事司法制度……………(大坂恵里)
  はじめに
  1 意見書公表後の民事司法改革
  2 福島原発事故賠償において民事司法制度は十分に機能しているか
  おわりに

 第9章 司法制度改革と行政訴訟……………(興津征雄)
  はじめに
  1 実効的権利救済と行政訴訟
  2 抗告訴訟の原告適格と「オープンスペース」
  おわりに

 第10章 司法制度改革の司法権論と違憲審査制の国民的基盤……………(岩切大地)
  はじめに
  1 意見書における違憲審査制の位置づけと憲法判例との関係
  2 法の支配と国民的基盤
  3 意見書の別の含意
  むすびにかえて

 第11章 「人的基盤」としての法曹人口……………(米田憲市)
    ――ゆがんだ「法の支配」への道
  はじめに
  1 制度内視野での「人的基盤の充実」施策
  2 審議会意見書が目指した「人的基盤の充実」と法曹人口
  3 審議会意見書の目論見と達成状況
  4 司法試験合格者数の方針転換とその後の展開
  5 法曹人口の増加の成果と合格者数削減による影響
  6 司法制度改革後の法曹の地域分布や職域の状況
  7 法曹増員に向けた課題と展望

 第12章 「 理論」も「実務」も置き忘れた法曹養成……………(米田憲市)
    ――臨床法学教育を鍵とする再生を目指して
  はじめに
  1 法科大学院制度以前の法曹養成
  2 「法科大学院を中核とする法曹養成制度」の創設
  3 実現された法曹養成の「プロセス」
  4 法科大学院と司法試験受験対策
  5 設立後のバッシング、合格者数の削減、志願者の減少
  6 「推進会議意見」等による受験対策志向の容認・強化
  7 活力ある法曹養成を取り戻すために

 第13章 「法の支配」と司法への国民参加……………(四宮啓)
  はじめに
  1 なぜ審議会は国民参加を調査審議項目にしたのか
  2 裁判員制度は司法の国民的基盤を確立させたか
  3 国民的基盤をより確かなものにするために
  おわりに――国民的基盤を確立するために

 第14章 かくして裁判員制度は始まった……………(平山真理)
    ――しかし、欠けていたのは何か? 被告人の視点、被害者の視点、そしてジェンダーの視点
  はじめに――本章の目的
   A 被告人と裁判員制度――誰のための市民参加制度か
  1 被告人による選択制
  2 評決方法について
  3 令和司法改革に向けた「被告人の選択制」と「評決方法」の再考
   B 裁判員制度と被害者
  1 被害者は裁判員制度をどう見ているか――被害者の選択制?
  2 被害者参加制度と裁判員制度のダブル適用をどう論じるか
   C ジェンダーと裁判員制度 315
  1 裁判員/陪審員のジェンダーは選べるか
  2 裁判員とジェンダーバランス
  3 裁判員のジェンダーと性犯罪裁判員裁判
  まとめに代えて

第IV部 令和の司法制度改革のために

 第15章 「人」に頼るより「制度」の改革……………(泉徳治)
  1 訴訟法を改正し条約違反を上告理由に加える
  2 被疑者取調べ中の弁護人立会権を法律で明記する
  3 民事審判委員会を新設する
  4 司法試験予備試験を廃止する
  5 個人通報制度を導入し国内人権機関を設置する
  6 裁判官任命諮問審議会を設置する

 第16章 提言「令和司法改革のために」……………(令和司法改革研究会)
   A 改革の理念
   B 法・司法制度への期待をどう育てるか
   C 人々の期待に応える司法制度
  1 司法アクセスの改善
  2 民事訴訟制度の改革
  3 行政訴訟制度の改革
  4 刑事訴訟制度の改革
   D 司法制度を支える法曹の在り方
  1 法曹人口
  2 弁護士制度の改革
  3 裁判官制度の改革
  4 法曹養成制度の改革
   E 国民的基盤の確立――国民の司法参加のために
  1 裁判員制度の改革
  2 検察審査会制度の改革
   F ジェンダーの視点からの制度改革
  1 総論
  2 裁判員・検察審査会の構成
  3 法曹のジェンダー・バイアス
   G 世界に開かれた司法を作るために
  1 グローバル社会における裁判所――裁判官対話への参加
  2 国際人権と司法の連結
  3 世界に開かれた法曹養成教育
  4 他国の法学学位の承認
   H 司法改革の推進体制

  あとがき……………(須網隆夫)

著者プロフィール

須網 隆夫  (スアミ タカオ)  (著/文

須網隆夫(スアミ タカオ)
早稲田大学大学院法務研究科教授.1954年生.EU 法・国際経済法.主な著書にGlobal Constitutionalism from European and East Asian Perspectives(共編著,Cambridge,2018),『EU と新しい国際秩序』(共編,日本評論社,2021年)など.

上記内容は本書刊行時のものです。