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14歳からのアンチワーク哲学
なぜ僕らは働きたくないのか?
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年6月15日
- 書店発売日
- 2024年6月15日
- 登録日
- 2024年5月9日
- 最終更新日
- 2024年7月3日
書評掲載情報
2025-03-22 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 栗原康(アナキズム研究) |
2025-03-01 |
本の雑誌
3月号 評者: 栗原康 |
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紹介
将来に悩む14歳の少年と、労働の廃絶が可能だと訴える50歳の高齢ニート(自称哲学者)による対話式小説。「労働とはなにか?」「人間とはなにか?」「理想的な社会とはなにか?」といった現代社会の根源を貫く常識を、鮮やかに暴き出し覆す問題作。
【目次】
プロローグ
1章 サボることは社会貢献
・君は君の役に立て
・食欲は存在しない
・人は殺してもいい
2章 労働という悪魔の正体
・労働とは支配されること
・命を狙われる労働者
・ゲームを嫌いになる方法
・靴なんか履きたくない
・みんなで社畜になればいい?
3章 労働は本当に必要か?
・無意味な労働の数々
・ゴミのために働く大人たち
・お金を稼ぐのは偉くない
・学歴は金儲けの許可証
・ドラえもんはいつ生まれるの?
4章 お金を配ろう
・お金を配れば解決
・権力者に逆らおう
・家族はフィクション
・我慢をやめて環境問題解決
5章 人間が欲望するもの
・本当にお金のため?
・トイレに行くと決めたのは?
・あれもこれも欲望
・永遠にレベル1の人生
・ニートは正義のレジスタンス
6章 労働とお金
・他人を道具にする方法
・労働が生まれた日
・お金というイノベーション
・お金はコスパが悪い
・価値を比較する理由
・八十億総ニート
7章 労働なき世界
エピローグ
解説(哲学チャンネル)
あとがき
目次
プロローグ
1章 サボることは社会貢献
・君は君の役に立て
・食欲は存在しない
・人は殺してもいい
2章 労働という悪魔の正体
・労働とは支配されること
・命を狙われる労働者
・ゲームを嫌いになる方法
・靴なんか履きたくない
・みんなで社畜になればいい?
3章 労働は本当に必要か?
・無意味な労働の数々
・ゴミのために働く大人たち
・お金を稼ぐのは偉くない
・学歴は金儲けの許可証
・ドラえもんはいつ生まれるの?
4章 お金を配ろう
・お金を配れば解決
・権力者に逆らおう
・家族はフィクション
・我慢をやめて環境問題解決
5章 人間が欲望するもの
・本当にお金のため?
・トイレに行くと決めたのは?
・あれもこれも欲望
・永遠にレベル1の人生
・ニートは正義のレジスタンス
6章 労働とお金
・他人を道具にする方法
・労働が生まれた日
・お金というイノベーション
・お金はコスパが悪い
・価値を比較する理由
・八十億総ニート
7章 労働なき世界
エピローグ
解説(哲学チャンネル)
あとがき
前書きなど
【あとがき】
小学生や中学生の自殺数が増えているというニュースを目にしました。自殺率ではなく自殺数です。「少子化の時代なのに、なぜ?」と疑問に思わずにはいられませんでした。もちろん、これまでなら自殺と判断されなかった死を自殺と判断するようになって、見かけだけ自殺数が増えている可能性もありますので、鵜呑みにはできません。それでも時代の息苦しさを象徴するニュースだと感じずにはいられませんでした。なぜ、現代は子どもが自殺をしたくなるような時代なのか?
きっと子どもたちは「正しさ」に押し潰されているのではないでしょうか。勉強することは大切だ。働くことは大切だ。お金を稼ぐのは偉いことだ。家族の絆を守ろう。環境を守ろう。そのためにゴミを分別しよう。子ども向けの書物を紐解くと、こうした「正しい言葉」で溢れかえっていて、大人である僕ですら、なんだか責められているような気分になります。僕よりもっと繊細で壊れやすい子どもたちの心が、どれだけ苦しめられているのか、想像するのもおそろしいほどです。そんな「正しさ」の光で埋め尽くされた時代に、ほんの少しでもいいから、正しくないままでいられる影をつくりたい。そんな想いで僕はこの本をつくりました。
本書では現代社会の常識(労働、お金、家族、教育など)にさまざまな角度から疑問を投げかけました。「馬鹿馬鹿しい理屈を教えるな」と他の大人に怒られるかもしれませんが、それはおかしい。僕たちは民主主義社会に生きていて、言論の自由があるということになっています。ならば、世間一般の「正しさ」とは異なる理屈に触れ、いまとはまったく異なる社会のあり方を想像することはむしろ必要なことであるはずです。ジョン・スチュアート・ミルという哲学者は「ある問題について、自分の側の見方しか知らない人は、その問題をほとんど理解していない」と言いました。先述の通り、子ども向けの書物は「正しさ」を押し付けてばかりいます。それは本当の教育だと言えるでしょうか? もちろん、絶対的な「正しさ」はありません。大人が押し付ける常識も、僕が書いたことも、あくまで一つの解釈です。だからこそ、できるだけ多くの見方を知るべきなのだと、ミルは言いたかったのでしょう。
僕が「正しさ」が存在しないことに気づいたのは、大人になってからでした。いまになって考えれば、もっと早く気づけば間違えずに済んだ選択もたくさんあったと感じます。だから僕はこの本を14歳だった自分に向けて書きました。細かい経緯を語ることはしませんが、あの頃の僕は一歩間違えれば自殺していたくらいに追い込まれていたのです。結果的に自殺はしませんでしたが、この本に出会っていたなら、もっと自由に生きられたことでしょう。
この本を手に取るのはかつての僕のような中学生かもしれませんし、大人かもしれません。「その通りだ!」と思うかもしれませんし、「こんなの間違ってる!」と思う人もいるでしょう。それはどちらでも構いません。とにかく僕は、正しくないかもしれない見方を提示したかったのです。ニケと少年のように、本音で議論し合える人たちが、これからもっと現れることを願って。
版元から一言
今世紀における最重要哲学を、小説形式でわかりやすく紹介しました。人を変え、社会を変えるエネルギーのある本です。ぜひご覧ください。
上記内容は本書刊行時のものです。