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近隣諸国の亡霊たちと歴史和解
なぜ日本は「過去」に取り憑かれ、ドイツは違うのか
原書: GHOSTS IN THE NEIGHBORHOOD: Why Japan Is Haunted by Its Past and Germany Is Not
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2026年4月6日
- 書店発売日
- 2026年4月2日
- 登録日
- 2026年3月2日
- 最終更新日
- 2026年3月27日
書評掲載情報
| 2026-05-02 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
日本はなぜ韓国や中国と歴史問題で和解ができないのか?国際政治を専門とする著者が各国の膨大なデータ比較から実証的に解き明かす。そこから見えてくる問題としての米国。米国の欧州とアジア地域では異なる政策アプローチに潜む人種問題までを析出する意欲作。
目次
日本語版への序文[ウォルター・F・ハッチ]
まえがき
第1章 序論――亡霊、地域主義、和解
第2章 二つの地域の血塗られた歴史
第3章 ドイツとフランス――連合の創出
第4章 日本と韓国――敵対する同盟国
第5章 ドイツとポーランド――テントの拡大
第6章 日本と中国――愛は買えない
第7章 超大国の二面性――異なる地域主義における米国の役割
第8章 地域機構の治癒力
解説――日本の対米従属が妨げるアジア近隣諸国との和解[中野晃一]
図解一覧
註
参考文献
人物名索引
事項索引
前書きなど
第1章 序論――亡霊、地域主義、和解
過去はしばしば現在の国際関係に忍び寄る。虐げられた国々が、加害国による恐ろしい犯罪の記憶を思い起こすときは特にそうだ。だが残忍な侵略や植民地支配を行った国でも、時が経つにつれて、近隣諸国の怒りに満ちた追及や非難という亡霊から逃れられる国もある。かと思えば、ただ過去の亡霊に取り憑かれたままの国もある。
二〇一八年秋の二つの場面について考えてみよう。
・第一次世界大戦の休戦協定が結ばれた森[仏パリ郊外コンピエーニュ]で、ドイツのアンゲラ・メルケル首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領は抱擁を交わし、互いの手を握り、すでに緊密な二国間関係のさらなる深化を約束した。
・日本の安倍晋三首相が北京を訪れ、中国の指導者と七年以上ぶりに首脳会談を行った。両国の巨大な国旗の前で、安倍首相と習近平国家主席は遠く離れて立ち、ぎこちなく握手を交わし、互いを見ることなく無愛想な面持ちでカメラに視線を向けた。
これらは単なる一場面、単なるエピソードでしかない。だが、ここには歴史という亡霊の影響が今日の欧州とアジアにもたらす、まったく異なる現実が示されている。ドイツがフランスやポーランドといった地における血塗られた過去から多かれ少なかれ解放されてきたのに対し、日本はいまだ中国や韓国といった国々を暴力的に支配した過去にきつく縛られている。ドイツがかつて征服し、蹂躙した近隣諸国との関係修復に比較的成功しているのに対し、なぜ日本はかつての敵国や被害国と友人としてやり直すことがほとんどできずにいるのか? 大方の評者(例えば、Berger 2012)は公式談話に着目し、ドイツが「悔悟」の姿勢を適切に表明してきたのに対し、日本は過去の「罪」に対する謝罪を怠ってきたと論じている。だが私はそう思わず、むしろ次のように主張する。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。
