版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊

料金不払い者への対応

 版元ドットコムの会員社の多くは、自社サイトなどで読者への直販も行なっている。そこで悩ましいのが、商品を送ってもお金を払わない不払い者への対応である。
 料金の支払いによく活用されているのが「郵便振替用紙」だ。振込手数料が安いので、手数料を版元負担にして、書籍と一緒に振替用紙を送る。お客様が料金を払い込むと、版元に郵便局から郵送で通知が来る。アナログなシステムではあるが、料金後払いという安心感と、振込手数料無料という手軽さで、いまも郵便振替用紙での支払いを希望する人は多い。
 が、この「料金後払い」というのを悪用して、注文だけして料金を払わない人がたまにいるのである。単に忘れている人なら催促すれば払ってくれるが、何度催促しても払わない「確信犯」らしき人が問題だ。
 最近は新古書店や、ネット書店の中の中古本コーナーなど、以前と比べて古本を売りやすい仕組みが整ってきた。そのためか、販売目的で本を万引きしたり、ネットで購入してお金を払わなかったり…という不届き者があとを絶たない。
 万引きは犯罪なので現行犯で捕まえることができるが、料金を払わない者への対処は難しい。警察で話を聞いてみたが、不払い常習者であっても、「払う」姿勢を見せている限りは、「詐欺」として捜査するのは難しいという。最近は個人情報保護の関係で、悪質常習者の情報が広まりにくくなっていることが、ますます「詐欺まがいの注文者」をのさばらせている。
 こうした詐欺まがいの注文者は「ジャンルがバラバラな本を注文する」「高額な商品を選ぶ」「とにかく急いでほしい」と急かす…といった特徴があるようだ。
 自社の本を気に入って購入したいと言ってくれる人に対しては、無条件に好意を感じてしまうのが版元気質。が、悪質な不払い者に対して、いつまでも甘い顔をしてはいられない。
 ロゼッタストーンではずっと料金後払いを続けてきたが、とうとう最近「3000円以上の書籍は前払いで」とお願いすることにした。ちゃんと支払ってくれる大多数の読者には不便をかけてしまい、申し訳ないのだが……。
 そして今、弊社ではある不払い者に対して、「少額訴訟」を起こそうとしている。少額訴訟というのは、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用できる制度で、原則として1日で審理が終わり、判決が出される。請求額が10万円以下の訴訟なら、手数料はわずか1000円。弁護士も不要で、難しい法律知識がなくてもなんとかなりそうだ。
 それで簡単にお金を取り戻せるかというと、いろいろ厳しいだろうけど、やれることはとにかくやってみなければ。
 初めての裁判。
さてさて、どうなりますことか……。
 
 
ロゼッタストーン の本一覧:版元ドットコム

このエントリーをはてなブックマークに>追加