小規模出版社のレゾンデートルを見つめて
私たちは、昨年『今選ぶなら、地方小規模私立大学!~偏差値による進路選択からの脱却~』
を出版しました。ご存知の方も多いと思いますが、2020年には戦後最大の教育改革・大学入試改革があります。偏差値というひとつのモノサシだけで測られてきた学校教育が、大きな転換点を迎えるわけです。
私たちが出版する書籍は、「価値観を揺さぶる投げかけをする」ことを目指しています。『今選ぶなら、地方小規模私立大学!~偏差値による進路選択からの脱却~』も、そう。偏差値という一元的な評価から脱却し、「地方の」「小規模の」「私立大学」という、これまでの受験競争の中では劣勢に立たされていた教育のあり方にスポットライトを当てたいと思ったのです。
社名の「レゾンクリエイト」は、フランス語の「レゾンデートル」からとりました。レゾンデートルは、「存在理由」や「存在意義」という意味。ご依頼いただいたお客様の存在意義を輝かせ、価値をともに創っていきたいという思いから付けました。
ですから、書籍に限らず、多様なコンテンツ(Webの記事や広報的な媒体など)を制作しています。私たちが惚れ込んだ方々の存在価値を社会に伝え、読者のみなさんの価値観を揺さぶっていく、これが目指す姿です。
現在、来年5月の刊行を目標に新たな本づくりをスタートしています。著者は、生きて産まれてこられる確率が3%だった心臓疾患の少年です。その疾患の方の平均寿命は15歳だといわれています。今、彼は14歳。大きな意味を持つ来年の15歳の誕生日をきっかけに、書籍を形作りたいと考えました。
人よりも短い可能性が高い自身の命をどのように使うか、彼は、物心ついてからずっと考え続けてきました。「“将来役に立つから”という理由で、学校に通うべきなのか」「“人に迷惑をかけるから”と、本当にやりたいことを諦めることが美徳なのか」。彼の投げかけは、「いつか」と言いながら今を犠牲にしがちな私たちの脳を、軽やかにノックしてくれます。書籍では、そんな彼の過去・現在・未来をお伝えします。
著者やお客様のレゾンデートルを両手で掬い上げるように、小規模出版社ならでの本のつくり方や届け方に挑戦し、私たちも自身の価値とも向き合っていきたいと考えています。
必要とする方の手に本を届け、価値観を揺さぶる。読者の目に少しだけ違う明日が見えてくるような本づくりを目指し、レゾンクリエイトは挑戦し続けます。