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共に揺れる、共に育つ
四十年間教壇に立った或る教師の想い
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年11月1日
- 書店発売日
- 2021年11月1日
- 登録日
- 2021年9月27日
- 最終更新日
- 2023年6月2日
書評掲載情報
2022-02-21 |
日本教育新聞
2022年2月21日号 評者: 庭野三省 氏(新潟県十日町市教育委員会委員) |
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紹介
現代は、教師も親もそれぞれの「場所」で子供の教育に迷う時代です。能登半島の高校在学中に教員を目指し40年。いまも現場で活躍する著者のアドバイスは「悩みながら子供と共に揺れ、成長し、そして子供から学ぶ」こと。
学校現場での生徒や保護者との交流で得た貴重な経験、国語教師として近代日本文学を研究するなかでの発見、そして読書のなかで出会った先達の言葉など、多彩な経験と研究のなかから生まれた本書は、現役教員にも教員を目指す学生にも、保護者の皆さんにも、きっと役に立つでしょう。
著者は、石川県七尾市に生まれ、能登を自らの原点として育ち、七尾高校から金沢大学教育学部、早稲田大学専攻科をへて都内の私立中学、高校で国語科教師として40年余り教壇に立ち、その間、副校長や幼稚園長なども務めてきました。現在は東洋大学、江戸川大学で教員志望の学生の指導に携わりながら、石川県の魅力を伝える活動も続けています。第6章では、能登半島や金沢の街の自然や風土、人の姿などを描いていて、本書の魅力の一つとなっています。
【目次から】
序章 コロナ禍のもとの教育
第一章 自分を掘る-学びの場から
第二章 揺れながら待つ-教師という道
第三章 共に育つ-子供と親と教師と
第四章 人の心組み-詩とともに
第五章 本の世界へ旅する
■私の本棚 ブックレビュー
第六章 言葉の杖-故郷を想う
■言葉を杖として
■故郷を想う
あとがき
目次
序章 コロナ禍のもとの教育
「待つ」
授業の楽しみ
薔薇の蕾のような存在-教育実習生
教師の眼差し
教師に必要な力
緑蔭に憩う
出会いは楽しい
第一章 自分を掘る-学びの場から
自分を掘る
感性を育てる
関係を育む
二十代の自分に出会う
平和を語り継ぐ-長崎への旅
学校はいたるところにある
いそがなくてもいいんだよ
人が変わるところに付き合う
夜空の星-教師だった義姉の宝物
黒板に向かって
第二章 揺れながら待つ-教師という道
「守破離」
魅力ある先生とは
揺れながら待つこと-初めての教壇
「震える弱いアンテナ」を持つ
職人のように
感情を耕す
失敗から学ぶ
答えは自分の中に
鳥の目と虫の目
逆説と内省
過去の自分と出会う
得手に帆を揚げる
私の中の大きな学校
学校の個性、学校文化
人は一艘の舟、学校は港である
人は何度でもリセットできる
第三章 共に育つ-子供と親と教師と
教育は「共育」
選ぶことは喜びである
親子関係の気づき
自尊感情を育てる
子供たちの才能はさまざまである
道は近きにあり
平凡な日々などはなく
花のような言葉
言葉を変換する
橋を架ける
子供たちから生きるヒントを学ぶ
「潜行密用」
「そりゃいいね」-進歩は楽観主義から
言葉だけが「言葉」ではない
第四章 人の心組み-詩とともに
他人は自分の鏡
自分と出会う
心を塗り潰さない
出会いの「学校」
空の広さに憧れる
「お先にどうぞ」の心
ハンゲショウ
求めない――
変化と不変
心の貯金
空に聞く
イメージで遊ぶ
寄り道を楽しむ
マイナスがプラスに
寅さんと山頭火
眼差しの優しさ
第五章 本の世界へ旅する
「志」をつなぐリレー
言の葉の世界へ
父親としての鷗外
漱石の恋人
実篤への旅
さよならだけが人生だ
良寛-愚の自覚と自在な精神
寄り道も小さな旅
花がつないだもの
むずかしいことをやさしく
■私の本棚 ブックレビュー
子供への眼差し
★中川李枝子『子供は みんな 問題児。』
★灰谷健次郎『子どもに教わったこと』
★おほ しんたろう『学校と先生』
★瀬尾まいこ『ありがとう、さようなら』
先達からの贈り物
★山本有三『米百俵』
★志村ふくみ『伝書 しむらのいろ』
★小島寅雄『大愚 仏に向かう心』
★福田和也『人間の器量』
しなやかな心へ
★茂木健一郎・重松清『涙の理由』
★エバレット・ケネディ・ブラウン『失われゆく日本~黒船時代の技法で撮る~』
★佐藤文隆、高橋義人『10代のための古典名句名言』
★野矢茂樹『哲学な日々 考えさせない時代に抗して』
悩みに向かう読書
★佐治守夫『カウンセリング入門』
★河合隼雄『こころの処方箋』
★辰濃和男『私の好きな悪字』
★小澤竹俊 『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』
すばらしき絵本
★レオ・レオニ『フレデリック』
★『ハチドリのひとしずく』
★奈良美智『ともだちがほしかったこいぬ』
★佐野洋子『だってだってのおばあさん』
第六章 言葉の杖-故郷を想う
ある高校教師の言葉
■言葉を杖として
方向転換
忘筌
「民々と呼ぶ」
春雷
感じて動く
逢花打花逢月打月
一苦一楽
行路難
事実は味方
学ぶことは遊ぶこと
自分に由り、自分を信じる
■故郷を想う
犀川
心の中の雪景色
雪明かりの路
雪の日の思い出
階段の踊り場
風花の舞う街
感化力
北の都に秋たけて
能く登る
「能登はやさしや」
波に向かう船
あとがき
版元から一言
40年以上の教師経験のある著者が長年にわたり発信してきた学校や授業についての文章を編集しまとめた書籍です。学校の現場で苦労をしている教員の皆さんや教職志望の学生の皆さん、お子さんをお持ちの保護者の皆さんには、特に心に響く言葉が多いと思います。明日から元気な気持ちになれる本です。
上記内容は本書刊行時のものです。