書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
言論空間2025春号
「逆流の歴史」に踏み出したトランプ政治
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2025年4月9日
- 登録日
- 2025年2月19日
- 最終更新日
- 2025年4月9日
目次
【特集】トランプ復権と激流に溺れる世界政治
アメリカ大統領選後の世界と日本への影響
前嶋和弘(上智大学教授)
激流に溺れる西欧
栗田路子(ブリュッセル在住/ジャーナリスト)
トランプ2・0と欧州極右の台頭
土田修(ル・モンド・デイプロマティーク日本語版理事兼編集員)
〈露宇戦争〉トランプ革命とウクライナ戦争
下斗米 伸夫(神奈川大特別招聘教授・法政大名誉教授)
西洋文明の始まりと終わり(私の文明論)
錦織淳(弁護士、元衆議院議員)
----
【ミニ特集】アフリカの森の民とアイヌ民族が交流
子どもたちの質問相次ぐ
更科幸一(自由学園園長)
歌とノリと飲食と仲間
倉内慎介(屋台大学)
自然を対象に叡智と文化を築く
若杉紘一(武蔵野美術大学造形構想学教授)
文明観・価値観を問い直し迫る
小泉雅弘(さっぽろ自由学校「遊」事務局長)
アフリカの自然とともに生きる人々へ
多原良子(メノコモシモシ代表)
ピグミーの人々の視力の確かさにびっくり
宇佐照代(アイヌ料理店「ハルコロ」)
----
課題の拡張が続く国民投票法制にどう向き合い、解決するべきか
南部義典(国民投票総研代表)
ワクチンは矛盾しているが、選択できるもの
松山剛(松山クリニック院長)
尹錫悦内乱とキャンドル民主主義―極右・保守勢力に抗する人々の闘い
白石孝(日韓市民交流を進める希望連帯代表)
人道外交―超党派外交議連の静かな奮闘
横山弓彦(衆議院議員阿部知子政策担当秘書)
米欧の階級闘争は「極右」が担う
大西広(慶應義塾大学名誉教授)
寺山修司『僕が戦争に行くとき』を読み直す
希望という病気
坂本美幸(青森市在住)
少年死刑囚・作家、永山則夫の叫びを改めて聞き直す
市原みちえ(永山則夫さんの身柄引受人候補・最後の面会者)
気が遠くなる48年間の獄中生活に耐えた
青柳雄介(ノンフィクション作家)
市民運動への岐阜県警監視・情報提供は違法
近藤ゆり子(大垣警察市民監視違憲訴訟の勝利をめざす「もの言う」自由を守る会)
正義を求める闘いは終わらない
吉田邦彦(中国・広東外語外貿大学法学院・雲山特別教授)
マルクスとエンゲルスは一心同体だったのか
的場昭弘(神奈川大学名誉教授)
「良識と責任」を取り戻そう!
飯島博光(元税務労働者)
フクイチの底にデブリがある限り真の復興はありえない
伊藤久雄(NPO法人まちぽっと)
ドイツの頑迷石頭=債務ブレーキ直ちに外せ!
柏木勉(経済アナリスト)
【連載】
〈話題の文学〉戒厳令がやってきた!
尾張 はじめ(葦牙の会)
〈感じる映画たち〉女優たちが体現する男社会のくびき
加田斎(フリー編集者)
〈定説を疑え!経済の行方を読み解く〉
賃上げの「一本足打法」で個人消費の低迷打破は可能か
蜂谷隆(経済ジャーナリスト)
〈かっこいいおんなになるために。〉パンドラの箱の底
松元ちえ(ジャーナリスト)
〈現代の非理論〉ジョン・レノンは間違っている?
松本仁一(ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員)
〈メディア季報〉瓦解するのか? フジサンケイグループ
石井彰(放送作家)
〈沖縄の助産婦、海を歩く〉性暴力根絶条例がほしい
トルネイドまーりー
〈レキオからの便り〉沖縄の闇を撮る女性写真家 松村久美
鈴木次郎(自由学園)
〈東洋医学こぼれ話〉薬食同源③
大木一史(薬剤師・鍼灸師)
〈ドイツに暮らす〉「世代の差―ピザとスシの間」
フックス真理子(ドイツ在住)
〈今、私が薦めたいこの一冊 〉
『コロナ禍とワクチン見捨てられる被害者』
前澤ゆう子(元医療福祉労働者)
的場昭弘『「19世紀」であわかる世界衣講義』
石井明美
----
〈追悼〉古川さんありがとう
平田芳年(NPO現代の理論・社会フォーラム理事)
前書きなど
まえがき
「逆流の歴史」に踏み出したトランプ政治
トランプ大統領が復権し、矢継ぎ早に現状打破に挑戦し始めた。どこまで本気なのか、誰もわからない。いたるところで動揺と混乱が広がっている。トランプ大統領は「グレート・アメリカ・メイク・アメリカ」と主張し、「米国大統領の権力」を一方的に行使。さまざまな国際機関も、各国政府も、社会勢力もトランプ言動に振り回され、「濁流に溺れそうな」(本誌栗田路子論考)不安定な状況になっている。はっきりしていることは、ウクライナ停戦問題、「ガザ虐殺」進行中のパレスチナ問題、関税を武器にした貿易・通商戦争、国際条約と相互協力で成り立っている国際機関の在り方、どの分野でもトランプ政治は1929年世界恐慌・ニューディール政策以来、米国(西欧)主導で蓄積してきた自由・民主・平和への流れを、米国政府自身が突き崩す「逆流の歴史」を歩みだした。「西欧の敗北」なのか「新保守主義革命」なのか、あいまいではあるがあいまいに出来ない時代が始まった。
自由、民主、進歩、多様性という基本的価値(普遍的価値)が不確かになり始めたのであるから、文明史を含む歴史観の見直しという原理的な領域もこれからのテーマになった。2025春号は現実の政治焦点への鋭い切り口と並んで、動き出した新たな領域への問題提起が含まれているように思い、今後の編集に活かしたい。
(本誌編集長 山田勝)
上記内容は本書刊行時のものです。