書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
核開発地域に生きる
下北半島からの問いかけ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2024年12月20日
- 登録日
- 2024年10月24日
- 最終更新日
- 2024年12月20日
紹介
半世紀以上に及ぶ戦後日本の〈核開発〉。そこに否応なく巻き込まれてきた下北半島でそれぞれに格闘してきた10名の〈生きざま〉と〈語り〉を丁寧に紐解き、この〈歴史と今〉を多角的に照射した稀有な好著!
寺西俊一(一橋大学名誉教授/環境経済学)
福島原発事故による放射能汚染のために、二度と戻れない故郷を作ってしまった私たちは、今後何を選択すべきなのか。本書の核開発に翻弄された歴史を学びとして、次世代への責任をはたさなければならない。
上原公子(脱原発をめざす首長会議前事務局長)
「核半島」とも呼ばれる下北半島――そこで呼吸をし、暮らしを営み、ものを考え、仕事や活動をしてきた普通の人々は何を思うのか――。
3.11後の2011年7月から下北半島に入り、現地で暮らす人々の証言を記録し、調査を重ねた執念の共同研究の成果。下北半島における核開発の歩みをふりかえるとき、今を生きる私たちに問いかけられる問題とは何か?
目次
序 章 安藤聡彦
第Ⅰ部:核開発の始動
第一章 原発に消えた学校――もう一つの「ふるさと剥奪」の履歴 川尻剛士
第二章 ぼくの町に原子力船がきた――「騒動」としての核開発 安藤聡彦
第三章 教師として地域に生きる――「生活台」としての東通村・白糠 古里貴士
コラム① コラム1「核開発地域に生きる」人々を記録する意味 安藤聡彦
第Ⅱ部:核開発の浸透
第四章 地域における自由な対話は、どうすれば可能か――他者の思いによりそう民主主義 澤佳成
第五章 激変した生まれ故郷で変わらない暮らしを残したい――六ヶ所村に戻り住み続ける理由 小山田和代
第六章 沈黙から、語り合いへ ――一発勝負で終わらない下北半島の作り方 西舘崇
コラム② 「みえない恐怖」を語り継ぐ――一九九九年に起きたJCO臨界事故 栗又衛
第Ⅲ部:核開発の転調
第七章 中間貯蔵施設になぜ反対し続けるのか――不可視化への抗いと市民の記録 西舘崇
第八章 〈独りよがり〉をめぐる葛藤――核開発地域における教育改革 三谷高史
第九章 能舞をつなぎ、白糠で生きる――暮らしの主体であり続けるために 丹野春香
第一〇章 「原発〝も〟あるんだよ」から「廃炉でもいいんじゃね?」へ――変わらずに変わっていく 川尻剛士
コラム③ 福島イノベーション・コースト構想の現場からポスト三・一一の核開発のあり方を問う 横山智樹
終 章 西舘崇
編者あとがき /本書関連事項年表
前書きなど
〈本書は、一九六〇年代から現在までの間に下北半島を生きた一〇人の人々の物語を記述している。その一〇人は、著名な政治家とか反対運動のリーダーといった人々ではない。教師、歯科技工士、郵便局員、消防士、自営業者、それに市民活動家といった、文字どおり核開発に揺れる下北半島で呼吸をし、暮らしを営み、ものを考え、仕事や活動をしてきた普通の人々である。かれらひとりひとりの物語を通して下北半島における核開発の歩みをふりかえるとともに、それらの物語から今を生きる私たちに投げかけられる問いかけ――そこに通底しているのは「あなたは私たちのことを忘れようとしているのではありませんか」という声だろう――に耳をすませたい〉(「序章」より)
上記内容は本書刊行時のものです。