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うたうソルフェージュ
教員養成課程・保育士養成課程のための
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年3月1日
- 書店発売日
- 2024年3月5日
- 登録日
- 2024年1月20日
- 最終更新日
- 2024年4月4日
紹介
子どもにうたい聴かせることができる教員養成や保育士養成を叶えるため、
視唱、楽典、リズム、和声の各分野を横断的に学習、また、うたうときにおこる「下行音程のぶら下がり」にも着目し、ソルフェージュの歴史的な背景を学び、発声や発音の基礎、身体の使いかた、読譜とリズム、音程、うたいかた、和声へと順をおって発展させて基礎的なソルフェージュの力の習得をめざします。
《主要目次》
第1章 ソルフェージュと音楽教育
第2章 声と言葉
第3章 しなやかな身体をつくる
第4章 楽譜を読む
第5章 インターバル(導入編)
第6章 ハーモニー
第7章 インターバル(応用編)
第8章 うたいかたの練習
第9章 総合練習
第10 章 ソルフェージュに関する音楽用語
目次
第1章 ソルフェージュと音楽教育
1.ソルフェージュ
2.ソルフェージュの歴史
3.ソルフェージュの基礎をつくった音楽教育者
(1)P.F. トージ(Pier Francesco Tosi:1653-1732)
(2)M. ボルドーニ(Giulio Marco Bordogni:1789-1856)
(3)P. コンコーネ(Paolo Giuseppe Gioacchino Concone:1801-1861)
(4)H. パノフカ(Heinrich Panofka:1807-1887)
(5)M. マルケージ(Mathilde Marchesi:1821-1913)
(6)F. ヴュルナー(Franz Wüllner:1832-1902)
4.現代の音楽教育者とその教育
(1)E. ダルクローズとリトミック
(2)Z. コダーイとコダーイ・メソッド(コダーイ・システム)
(3)C. オルフとムジカ・ポエティカ
(4)R.M. シェーファーとサウンド・スケープ
5.日本の音楽教育
(1)教科教育としての音楽教育
(2)専門教育としての音楽教育
第2章 声と言葉
1.声帯の発達と言葉の獲得
2.乳幼児期の言葉
3.擬音語
4.子どもの声域の変化
5.変声期(声がわり)
6.さまざまな声を探す
第3章 しなやかな身体をつくる
1.身体部位の重さを知る
2.しなやかな身体をつくる実践
(1)座って重さを感じる
(2)あお向けになって重さを感じる
(3)関節を回す
3.うたう身体をつくる実践
(1)オランウータンをまねる
(2)横隔膜を確認する
(3)支えを確認する
4.身体で表現する実践
(1)プレゼント
(2)ひとやすみ
(3)心をひらく
5.響きをつくる実践
(1)ハミング
(2)“ S ” と “ Z ”
(3)リップロール
第4章 楽譜を読む
1.楽譜の役目
2.楽譜の歴史
3.三要素を楽譜にする
4.楽譜を読む基礎
(1)拍を感じる
(2)拍子を感じる
(3)拍子記号
(4)音符と休符
(5)リズムを読む
(6)音部記号
(7)音の高さを知る
第5章 インターバル(導入編)
1.絶対音感と相対音感
2.固定ド唱法と移動ド唱法
3.身体の状態を確認する
4.インターバルの実践
(1)短2度
(2)長2度
(3)短3度
(4)長3度
第6章 ハーモニー
1.ハーモニー
2.ハーモニーの実践
(1)長三和音
(2)短三和音
(3)増三和音
(4)減三和音
第7章 インターバル(応用編)
1.単音程と複音程
2.インターバルの実践
(1)完全4度
(2)完全5度
(3)完全8度
3.さまざまなインターバルを感じる実践
(1)完全4度と完全5度
(2)長三和音
(3)短三和音
第8章 うたいかたの練習
1.発声の指導
2.発声を確認する
(1)自然な姿勢をつくる
(2)自然な呼吸と深い呼吸
(3)自然な響きをつくる
3.母音と子音の発音.
(1)母音
(2)子音
4.発声の実践.
(1)ロングトーン
(2)声の響きを保つ
5.うたいかたの実践
(1)2/4 拍子
(2)3/4 拍子
(3)4/4 拍子
(4)6/8 拍子
6.さまざまな表現方法
(1)ヴォカリーズ
(2)ア・カペラ
(3)ゴスペル
(4)スキャット
(5)ドゥ・ワップ
第9章 総合練習
1.ウォーミング・アップ
(1)ハーモニーの実践(第6章)を応用して
(2)ロングトーン(第8章)を応用して
2.コールユーブンゲン 6 番(a) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
3.コールユーブンゲン 9 番(a) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
4.コールユーブンゲン 17 番(c) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
5.コールユーブンゲン 19 番(a) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
6.コールユーブンゲン 26 番(d) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
7.コールユーブンゲン 28 番(b) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
8.コールユーブンゲン 33 番(a) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
9.コールユーブンゲン 37 番(a) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
10.コールユーブンゲン 31 番(a) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
11.コールユーブンゲン 39 番(e) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
12.コールユーブンゲン 41 番(a) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
13.コールユーブンゲン 43 番(d) F. ヴュルナー(伴奏:平井康三郎)
14.50 の練習曲1番 G. コンコーネ(木許 隆 編)
15.24 の易しいヴォカリーズ1番 M. ボルドーニ(木許 隆 編)
16.24 の前進的なヴォカリーズ1番 H. パノフカ(木許 隆 編)
17.24 のヴォカリーズ 2 番 M. マルケージ(木許 隆 編)
第10 章 ソルフェージュに関する音楽用語
1.音楽理論
2.読譜
3.初見視唱と初見視奏
4.聴音
5.聴音分析
6.音程
7.転回音程
8.全音階的音程と半音階的音程
9.和声と即興
前書きなど
ソルフェージュの歴史は古く、17 世紀中頃には、イタリアの音楽家たちが「うたいかた」を研究し、その練習曲として作曲されたものを教則本として出版していました。そして、19 世紀後半には、音楽の基礎教育としてソルフェージュが確立されました。また、フランスやベルギーでは、音楽の専門教育を受ける前段階として扱われるようになりました。これらの流れをふまえ、パリ国立高等音楽院(Conservatoire national supérieur de musique de Paris)で長らく指導された O. ガルテンローブ(Odette Gartenlaub:1922-2014)女史は、「基礎教育として行っているソルフェージュと、楽譜を正確に読み取り表現することが、なかなか結びつかない」といっています。これは、基礎(知識)と応用(実践)の関連性をよく考え、横断的な教育を考えるための示唆ではないかと考えます。日本で教育されている「ソルフェージュ」の内容は、フランスで行われてきた教育内容を移入したものです。そして、視唱、聴音、楽典、リズム、和声の各分野を分離して教育しています。この方法は、これから音楽の専門教育を受けるかたにとって有効な手段かも知れません。しかし、教員養成課程や保育士養成課程の学生に、この方法が有効であるかを見きわめなければならないと考えました。
本書を執筆するにあたり、筆者たちは、「子どもにうたい聴かせることができる」という観点に主眼をおき、視唱、楽典、リズム、和声の各分野を横断的に学習できないかと考えました。また、うたうときにおこる「下行音程のぶら下がり」にも着目しました。そこで、ソルフェージュの歴史的な背景を学び、発声や発音の基礎、身体のいかた、読譜とリズム、音程、うたいかた、和声へと順をおって発展させることができれば、基礎的なソルフェージュの力を習得できるのではないかと考えました。本書を用いて、少しでも新しいかたちの「ソルフェージュ」を体感していただければ幸甚です。また、子どもにうたい聴かせることができる教員養成や保育士養成が 叶うことを願ってやみません。
2024 年 春 編著者一同
上記内容は本書刊行時のものです。