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立川生志のニュース落語3
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2025年8月30日
- 登録日
- 2025年6月27日
- 最終更新日
- 2025年9月2日
紹介
毎週、時事ネタを基に新作落語を創り続ける
RKBラジオ『立川生志 金サイト』人気コーナー
大好評につき書籍化第3弾!
ラジオ100周年記念
つボイノリオとのスペシャル対談も収録‼
2023年度(第61回)放送批評懇談会ギャラクシー賞奨励賞を受賞したラジオ番組『立川生志 金サイト』人気コーナーがまたまた書籍化!!
スポーツから政治、社会現象に動物ニュースと、バラエティ豊かな全33篇。高梨沙羅のスーツ規定違反問題、大谷翔平の経済効果、岸田首相の“裏金”問題や「オヤカク」、さらには「蛙化現象」「カスハラ」などZ世代の流行語まで、誰もが耳にしたことのあるニュースを、落語で斬る!!
「ニュースだけど笑える」「笑えるけれど考えさせられる」。そんな唯一無二の“時事落語”が、今日の日本を鋭く、そして温かく映し出します。
目次
まえがきに代えて
【スポーツ】
五輪の悪夢再び 高梨沙羅スーツ規定違反で失格/慶應の正反対? パワハラ上等、中日・立浪監督/五輪でぞくぞく見つかる日本語タトゥー/「個人情報をべらべら」増田明美、女子マラソン細かすぎる解説に視聴者イライラ/WBC大谷効果で650億円に上方修正/大谷翔平「改善バット」「デコピンスパイク効果」か
【政治】
首相、全閣僚に土産購入。長男秘書官の公務/岸田総理の息子、首相公邸で悪ノリ撮影に集まる批判/「社会が変わってしまう」首相、答弁撤回せず/第二次岸田再改造内閣発足/「挨拶とスカートは短い方がいい」福岡県中間市長が不適切発言/「国民をキレさせる天才」岸田首相裏金事件の最中納税呼びかけに批判殺到/河野太郎氏「やから発言」釈明、言葉の選び方は慎重に/〝論功〟鮮明。「若手ゼロ、女性2名」石破内閣。
[対談]つボイノリオ×立川生志 ラジオ100周年記念対談①
【人物】
最近のタクシー車内は無言が基本/港区女子の投稿で波紋、高級寿司店どんな場所か?/逆カスハラ、ファストフード店のブチギレ店員はマネージャー/女、子どもは守らなきゃ……昭和脳丸出し小4息子
【動物】
大阪・迷いクジラ死ぬ。東京でもトド、クジラ目撃される/「百獣の王」実は女王でした……ライオン『クレイ』札幌から愛媛に帰還/栃木の人工巣塔でコウノトリ、初産卵か
「イルカにかまれた」3年で/人負傷 人慣れした「同一個体」か
【社会・流行】
AI対話型検索、回答が失礼/東京都と国が大川原化工機違法捜査認定の判決に不服/「いいね!」鬼教官から一転、褒めちぎる教習所とは/万博時、タクシー2200台不足。国のライドシェアを大阪府が試算/自衛官採用時タトゥーOK検討/Z世代の流行語ランキング1位は「蛙化現象」/内定辞退をおそれる企業が「オヤカク」に注力/受刑者が「さん」付け・運用に抱いた違和感/2024年7月、時事ネタチャンチャカチャン/コンビニ名札、本名無しも可能に・カスハラ対策/「ラーメン二郎」で火事、客食べ続ける
[対談]つボイノリオ×立川生志 ラジオ100周年記念対談②
前書きなど
生成AIが花盛りだ。放送業界に身を置く私にとっても、身近な存在になった。たとえば、インタビューの音声を文字起こしする作業。かつては、何度もテープを巻き戻し、一言一句聞き直すのが日常だった。それが、生成AIでは瞬時に、しかも高い精度で、音声をテキストへと変換してくれる。本書にある新作落語「AI対話型検索、回答が失礼」に登場するような、的外れなAIのやり取りは、もはや過去の笑い話。何度やり直しを命じても文句一つ言わず、黙々と働き続けてくれるAIは、まさに頼れる相棒と言えるだろう。私も日々、ラジオ番組の放送内容をウェブ記事に再構成する際、音声のテキスト化に加え、目を引く見出しの作成や、誤字脱字のチェックで、その力を借りるようになった。今回の「立川生志×つボイノリオ対談」も、1時間余りある録音データを生成AIで文字起こしし、対談形式の記事として体裁を整えるのに、10分とかからなかった(もちろん、その後編集者が音声を聴きながら、内容を修正している)。
だが、本書に収録した落語の台本は、生成AIに一切頼っていない。RKBラジオ『立川生志 金サイト』で生志さんが演じている落語を、昔ながらの手法で書き起こしているのは、弟子の立川生九郎さんだ。ラジオ番組を繰り返し聴けるアプリ「radiko」や、ポッドキャストを駆使して、何度も聴き込み、文字にすることで、落語独特のリズム、絶妙な間の取り方、そして思わずクスッと笑ってしまう「さげ(オチ)」といった、話芸の粋が、自然に身についていく。これは、師匠に命じられた、立派な修業の一環だ。生九郎さん自身「モチーフにしている古典落語のパターンも体に入ってくる。まさに落語を丸ごと吸収できます」と語っている。
生九郎さんは、師匠・生志さんの故郷、福岡県筑紫野市に隣接する太宰府市の出身。コメディアンを目指して単身上京後、偶然訪れた生志さんの落語会で、衝撃を受けたと言う。「マクラ(噺に入る前の導入部分)で世相を鋭く斬り、観客の想像力で笑いを生む語り。これこそ、自分が追い求めていた表現の世界だ!」と確信したそうだ。入門を願い出た青年に、生志さんは当初「弟子は取らない」と難色を示したが、そのひたむきな情熱に心を動かされたのか、ついに門下へ。ところがある日、師匠の逆鱗に触れ、破門を言い渡されてしまう。その理由について生九郎さんは「我を捨てきれなかった。弟子入りした以上、一度は自分のエゴを全て忘れ、師匠の背中を追いかけるべきだった」と振り返る。立川流のほかの先輩たちが師匠を説得してくれた甲斐もあって、間もなく再入門が許されたものの、それは「一からの出直しというより、ゼロからの再スタート」。約1年の見習い期間を経て、「立川生ぼう」として前座を務めるようになったのは、最初に入門してから2年半後の2021年1月だった。
その年の春、『立川生志 金サイト』がスタートした。この番組のためにほぼ毎週、新作落語を生み出し続ける噺家は、落語界広しといえども、生志さんただ一人。そして、それらを一作目から全て書き起こしている弟子もまた、他にはいないだろう。この唯一無二の師弟関係によって、「立川生志のニュース落語」は書籍化、シリーズ化されていると言っても過言ではない。
さて、シリーズ第3弾となる本書は、前作から約2年ぶりの刊行となる。その間、生九郎さんは前座から二ツ目へと昇進を果たした。そして、『立川生志 金サイト』は、放送界で権威あるコンクール、第61回ギャラクシー賞のラジオ部門で、奨励賞という栄誉にあずかった。ニュースを扱いながらも、大喜利や落語といった娯楽的要素をバランスよく取り入れた、他に例のない生ワイド番組であることが評価された。日頃から、番組を応援してくださっているリスナーに、この場を借りて心より感謝申し上げる。(「まえがきに代えて」より)
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。
