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荷風と風景 失われ廃れゆくものを愛する 湯川 説子(著) - 文学通信
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荷風と風景 失われ廃れゆくものを愛する (カフウトフウケイ ウシナワレスタレユクモノヲアイスル)

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発行:文学通信
四六判
204ページ
価格 2,400 円+税   2,640 円(税込)
ISBN
978-4-86766-087-4   COPY
ISBN 13
9784867660874   COPY
ISBN 10h
4-86766-087-6   COPY
ISBN 10
4867660876   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年5月30日
書店発売日
登録日
2025年5月12日
最終更新日
2025年6月4日
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紹介

作家は廃れゆき失われつつある土地の記憶をたどろうとしたーー。
文豪・永井荷風が言葉で紡いだ江戸東京の風景を丹念に紐解くと、何が見えてくるのだろう。作家の言葉と実際の場所を結びつけ、過ぎ去った時代の都市の姿の痕跡を探し、荷風の愛した風景を追いかける。

本書は「地形を歩む」「⽔辺散策」「都会⽣活」の3部にわけ、小石川金富町三十二番地(現・文京区春日二丁目)の生家から、孤高の砦であった自邸・偏奇館まで、永井荷風の人生と作品の現場を読み解いていく。

荷風の歩き見た景色が目の前にあらわれ、作家が作品に遺した目まぐるしく変わりゆく時代を追体験する。年譜・荷風関連地図・図版40点以上を掲載!

荷風とともに江戸東京の風景を探すためのガイドブック!

【荷風が言葉で紡ぐ江戸東京の風景は、私たち現代の読者に過ぎ去った時代の都市の姿を伝えてくれる。登場人物の感情と物語の情景が織りなす世界は、読む者を心地良いひと時へと誘うだろう。本書はその道しるべである。】

目次

はじめに―荷風が紡いだ江戸東京を歩いてみる

Ⅰ 地形を歩む

第1章 荷風生育地―小石川と麹町―

【荷風生誕屋敷周辺の地理的特徴や、後年に訪ねた生育地はじめゆかりの名所などを、作者自身の幼年期から青年期の体験や作品とともに読み解く。】

1 地形から名付けられた襟川楼―荷風生誕屋敷―
2 在し日を追慕する礫川の徜徉
3 若き荷風が歩んだ麹町への道

第2章 「日和下駄」の世界

【東京の散策によって完成させた随筆『日和下駄』に描かれた、都市における自然の魅力を、江戸期の切絵図や、同時代の絵画資料とたどる。】

1 地図を懐中に
2 散歩者の捉えた崖と坂の風景
3 水と緑に見る都会の美

Ⅱ 水辺散策

第3章 隅田川の光景

【江戸時代の面影を残す人々が登場する荷風作品の舞台と伝統的な浮世絵版画に描かれた名所との関わりのほか、隅田川周辺地域と作家に連なるエピソードを紹介。】

1 浮世絵版画の風景と「すみだ川」
2 書き留めた二つの柳橋
3 追想の向島と田園風景

第4章 深川から放水路へ

【亡き親友の面影をたどり歩いた深川の地や、関東大震災後に変貌を遂げた郊外の姿を、荷風自筆の日記やスケッチなどに見る。】

1 憧憬の地・深川を歩く
2 随筆を生む日記の経験
3 遮るもののない放水路の眺め

Ⅲ 都会生活

第5章 都市の散歩者

【明治期から昭和初期の荷風作品に描かれた交通網や建築物を通して、都市の姿がどのように描かれてきたかをたどる。】

1 都市交通に映す心情
2 近代化に揺れる新橋芸者の東京
3 銀座のカフェーとモダン都市の様相

第6章 隠れ家とユートピア

【荷風作品には、自らをモデルとしたような、芸者の置屋や私娼窟に身を置いた人物が登場する。実生活でも長く隠棲した麻布の洋館での逸話等を、その死や作品とともに伝える。】

1 二人のための煉瓦街の二階屋
2 「濹東綺譚」の見えない風景
3 わが偏奇館焼亡す

おわりに

永井荷風略年譜
主な参考文献

著者プロフィール

湯川 説子  (ユカワ セツコ)  (

東京生まれ。(公財)東京都歴史文化財団学芸員。東京都江戸東京博物館にて「近代版画にみる東京―うつりゆく風景―」展(1996年)、「永井荷風と東京」展(1999年)、「武蔵野文学散歩展~都市のとなりのユートピア~」(2004年)、「モダン都市の文学誌~描かれた浅草・銀座・新宿・武蔵野~」展(2015年)、「永井荷風と浮世絵版画の風景」展(2019年)などを企画・実施。日本女子大学非常勤講師を経て、現在はアーツカウンシル東京にて、子ども達の伝統文化芸能体験等の支援を行う。編著書に『帝都の誕生を覗く』〈江戸東京歴史探検第五巻〉(中央公論新社、2003年)、共著に『図説 永井荷風』(河出書房新社、2005年)、『謎解き浮世絵叢書 小林清親 東京名所図』(二玄社、2012年)、『江戸東京まち歩きブック』((公財)東京観光財団、2023年)等がある。

上記内容は本書刊行時のものです。