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青い目の人形大使と渋沢栄一
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2025年1月15日
- 登録日
- 2024年12月14日
- 最終更新日
- 2025年1月7日
紹介
昭和2年(1927年)、アメリカから届いた約1万2000体の日米友好の使者・青い目の人形。全国の小学校へと贈られ盛大な歓迎会が行われた。しかし、日米開戦を機にその運命は一転する。今、全国に残る人形は337体。そのうち九州に残る14体の数奇な運命をたどる。
世界の平和は子供から……。100年前にこの運動を始めた人々、歴史に翻弄されながらも人形を守り抜いた人々、それを語り伝える人々、多くの人々の願いを託された人形の物語。
目次
日米友好に尽力した二人
海を渡った「青い目の人形」たち / シドニー・ギューリック博士のこと / 人形を日本で迎えた渋沢栄一
渋沢とパリ万国博覧会 / 高松凌雲のこと / 帰国後の渋沢栄一 / 渋沢栄一ゆかりの地を訪ねて
九州に残る青い目の人形
渋沢栄一と青い目の人形との出会い / 盛大な歓迎式典 / 日本国際児童親善会
思いがけない悲しい運命 / 城島小学校のシュリーちゃんの場合 / 大隈小学校のペッギィちゃんの場合
可也小学校のルースちゃんの場合 / 隈小学校のペッギィちゃんの今
シュリーちゃんのもとに来たジーニーちゃん / ルースちゃんに会いに糸島へ
若松中央小学校のハンナちゃん / 生きられなかった人形 / 佐賀県で唯一生き残ったお人形
長崎県で生き残った青い目の人形大使 / 大分県の青い目の人形大使 / 熊本県の青い目の人形大使
宮崎県の青い目の人形大使 / 九州外で書き残したい青い目の人形大使 / 韓国の人形たちのその後
前書きなど
アメリカから「世界の平和は子どもから」と、平和の親善大使としてやってきた青い目の人形たち。大歓迎を受け、子どもたちに抱っこされたり、一緒に仲よく遊んだりして愛されていました。ところが昭和十八年(一九四三年)、日本に来て十六年が過ぎたころ、青い目の人形たちは、敵国のスパイだ、と殺されていきます。何の罪もない人形たちが、なぜ殺されねばならなかったのでしょう。許せない怒りが心の底から湧いてきました。
しかし、その中に小さな光を見出しました。贈られてきた一万一九七三体のうち、三三七体の人形たちを軍の命令に従わずそっと隠して人形の命を守った人たちがいたのです。感動しました。そのプロセスを書かずにはいられませんでした。
嬉しいことに、生き延びた人形たちは今もそれぞれの学校で、平和の大使として、子どもたちに平和の大切さを伝えながら、大切にされています。このことに明るい希望を見出しています。(本書「あとがき」より)
上記内容は本書刊行時のものです。