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デザイン至上主義の世紀
横浜スカーフにみる近代
- 初版年月日
- 2023年5月
- 書店発売日
- 2023年5月25日
- 登録日
- 2023年5月2日
- 最終更新日
- 2023年5月2日
紹介
1950-60年代に世界のシェア80%、70年代に国内のシェア90%を占めていた「横浜スカーフ」。
服飾としてのみならず、観光土産やイベント向け、広告・宣伝用、国家や民族を表象した柄など、多種多様な用途とデザインのスカーフが横浜から国内外に渡っていた。
高度経済成長期からバブル崩壊を経て現在に至るまで、かつての日本有数の地場産業が経験した栄枯盛衰を、スカーフ・デザインとともにたどる。
目次
序 章
[Ⅰ]一九五〇年代の横浜スカーフとデザインへの認識
1 横浜スカーフ意匠保全・認定登録が始まった背景
2 繊維産業における「デザイン」「デザイナー」をめぐる言説
[Ⅱ]スカーフのオリジナル・デザインを求める動き
1 横浜発オリジナル・デザイン創造への取り組み
2 コンクール、見本市の開催
[Ⅲ]世界に輸出された横浜スカーフ
1 仕向け地によるデザインの違い
2 スカーフ・デザインの特徴
3 スカーフの仕向け地・デザインの分析
4 横浜スカーフのデザインから読み解く時代背景
⑴ ファイン・アートに近づくスカーフ・デザイン
⑵ 画家の名を冠したスカーフ/画家によるスカーフ
⑶ スーヴェニア、イベント柄と民族・国家表象のステレオタイプ化
⑷ 新しいモチーフにみる消費社会
[Ⅳ]横浜スカーフの「創作性」──「伝統+モダン・デザイン」の考察
1 欧米での日本趣味流行──一九五〇年のテキスタイル・デザイン
2 オリジナリティの根源としての「日本」
3 スカーフにみる「伝統+モダン・デザイン」の特徴
4 「伝統+モダン・デザイン」の生まれた背景
[Ⅴ]アフリカに輸出された横浜スカーフ──UAC(United Africa Company)との関連を中心に
1 横浜スカーフのアフリカへの輸出
2 UACと横浜スカーフとの関わり
3 横浜スカーフにみる民族・国家の表象
4 プリント・テキスタイルにみる元首のイメージ
[Ⅵ]横浜スカーフ産業の衰退(一九七〇─九〇年代)──ブランド・ライセンス契約との関連を中心に
1 国内向けスカーフの需要
2 スカーフ・デザインと付加価値
3 横浜スカーフとブランド・ライセンス契約
4 ブランド・ライセンス契約の問題点
5 ブランド・ライセンス契約の打ち切りとその後
おわりに
初出一覧
主要参考文献
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。