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必携 法律家・支援者のための生活保護活用マニュアル 2024年改訂版
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年8月30日
- 書店発売日
- 2024年9月1日
- 登録日
- 2024年8月23日
- 最終更新日
- 2024年8月29日
紹介
好評の「法律家・支援者のための生活保護活用マニュアル」5年ぶりに大幅改訂。生活保護制度を正しく理解し活用するために82のQ&Aでわかりやすく解説。
★「自動車の保有・借用」「海外渡航と生活保護」などQ&Aを多数新設!
★扶養照会や大学等への進学、78条(不正受給)と63条返還に関するQ&Aなどを大幅改訂!
★「自動車保有」や「扶養照会」に関する申出書式を掲載!
目次
はじめに
第1章 申 請
第2章 調査・決定
第3章 生活保護申請を拒否された場合の対処法
第4章 生活保護利用中によく問題になる論点
第5章 廃 止
第6章 争 訟
第7章 災害と生活保護
書式・資料集
前書きなど
はじめに
あなたの目の前にいる人の「生きる権利」を守るためにできることは何か。
生活保護は「最低限度の生活」を保障するものでしかない。
でも、「生きる権利」は、最低限度の生活を確保しなければ、守ることはできない。
生活が苦しくて借金をした、と相談を受ける。
破産手続をとれば、大丈夫ですよ、と答える。
生きるために、万引を繰り返した人の弁護をする。
執行猶予がつくから、大丈夫ですよ、という。
子どもは小さいけれど、もう夫の暴力に耐えられない、と今後のことを聞かれる。
調停をすれば、養育費がもらえるから、大丈夫ですよ、と回答する。
本当に「大丈夫」なのだろうか。
免責審尋で、裁判官は「何で、今日呼ばれたか、わかっていますか」と聞き、本人は借金の原因を「ギャンブル」あるいは「浪費」などと答える。免責決定を受けた後、通りを歩けばパチンコ屋がそこら中にあるし、家に帰れば通販番組が美容と健康を語りかけて購買意欲をあおってくる。
釈放された後、コンビニは夜中まであいているのに、区役所では「明日来て下さい」と言われる。
やっと離婚できて、もう一度働こうとしたら、保育所には、現在稼働中の人が優先で入るものだと判明する。
誰も助けてくれない。
現代の貧困に展望を見出すには、「相談者に対するケースワーク」で、「最低限度の生活」を「生きる権利」として少しずつ彩っていくしかないのではないか。
憲法13条は、個人の尊重として、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、……最大の尊重を必要とする」と明記している。
憲法25条は、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と明記し、生活保護法は、無差別平等の原理、必要即応の原則の下、その健康で文化的な生活を営む権利を具体化している。
私たちに全てができるわけがないのだとしても、私たちに何もできないはずはない。
目の前にいるその人の「生きる権利」を鮮やかにするために、まずは、生活保護について、知って欲しい。
上記内容は本書刊行時のものです。