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第三の文化の時代へ
慶びを積み、暉を重ね、正しき道を養わんが為に
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2024年2月25日
- 登録日
- 2024年1月10日
- 最終更新日
- 2024年3月6日
紹介
昭和天皇に乞われ、日本の国体を説き続けた「最後の国師」の渾身の講演・著作を初めてまとめたもの。
人間とは、思想とは、社会主義とは、資本主義とは、民主主義とは・・・・そして「日本」とは?
すべての事物、事象を根源から説き起こし、「にっぽん」の真像を追求し続けた〝最後の国師″の心声が、いま甦る!
目次
1 三上照夫と歴代首相と昭和天皇 産経新聞論説委員 阿比留瑠比
Ⅱ 第三の文化の時代へ
第一章 日本の視点より見た大東亜戦争
先制攻撃したのはどちらか/中国狙いの西洋列強
明治維新はイギリス対フランス/大東亜戦争の真因
定義なき「侵略戦争」/ソ連の裏切り
理解されぬ占領政策の真の意図/パール博士の心底にあるもの
過ちを犯したのは誰か/東條英機の真実
第二章 日本の国柄
社会の形成と共通目標/国体の定義
国体と政体/総意と全意
社会正義は民族の歴史的経験から/生活体系と生命体系
より良く生きたい/体系化とは/体系化の条件/
天皇について/天皇とは道義の指標/天皇の決断
第三章 民主主義と天皇
世界史は第三文化へ/民主主義とは
社会正義とは/統貫史的法とは
国体とは/西周の誤訳の罪
民主主義の変遷/明治憲法は天皇主権か
天皇の御心やいかに/統治とは/人格的民心統一
日本的社会正義とは/上に立つ者の心得
三種の神器に込められたこと/第三文化は体系化にあり
『桃太郎』の意味と意義/体系化と人格的民心統一
結局、天皇が救った/国民と共に/
民安かれが天皇の願い
第四章 第三文化の提唱~自由主義と社会主義~
個人と社会の実相/自由主義における経済制度
自由主義の甘さ/自由主義の求めたもの
資本主義の長所と短所/資本主義の修正
保守的自由と進歩的自由/民主主義は多数決にあらず
社会主義/ゾンバルトの社会主義の定義
集産主義/集産主義の失敗
地下にもぐった恐慌/配給の不円滑化
なぜ社会主義は間違えたのか/資本主義と集産主義の変革
二つの主義の接近/第三の文化/王道と皇道
礼楽思想/時処位
第五章 当来社会の示すもの~第三文化の提唱~
第一部 二十世紀の神話に対する迷信
民主主義に対する現代人の矛盾
民主主義の根底は人間至上主義
人間至上主義は我(が)の上に立つもの
西洋文明の生み出した二つの華
自由が生んだ不自由
ヘーゲルとマルクスの相剋
レーニンとロシア革命
共産党独裁の必然
二つの民主主義、二つの平和主義
第二部 独立日本の世界への指導的立場
米ソの歩み寄り/人類の断末魔への光明は東より
東洋の聖者が求めたもの/仏教の未来性
空の世界とは/人為法の世界から自然法の世界へ
日本独自の文化原理の提唱
前書きなど
【産経新聞論説委員 阿比留瑠比氏の冒頭解説より】
昭和天皇の私的な相談役として宮内庁の役人らから、ひそかに「国師」と呼ばれ、岸信介から
佐藤栄作、田中角栄、福田赳夫、中曽根康弘までの歴代首相からも折に触れて助言を求められた
男がいた。昭和三年四月二十五日に生まれ、平成六年一月八日に没した三上照夫がその人である。
妻の祥惠夫人は夫を「禅坊主」と呼び、その数奇で波乱万丈な人生をこう振り返る。
「主人は天下の素浪人、無冠の大夫でした。それだから、誰とでも会え、いろんなところに行き、
思うまま好きなことが言えたんだと思います」
京都の呉服屋の三男に生まれた三上は幼少期から何をしても頼り抜きんでていて、神童と言わ
れた。昭和十九年に同志社中学三年を終了すると、特別幹部候補生として陸軍に入隊する。二十
年三月には、台湾沖で乗っていた輸送船が撃沈され、約一万四千人の戦闘員のうち、九死に一生
を得て救助されたわずか二百十八人の一人となった。
二十年五月、特攻隊員として飛び立ち、敵艦に突っ込むが、まさにその瞬間に片翼が吹っ飛び、搭乗機は小島
に胴体着陸をしてまたしても生還する。その後の七月、補充部隊に配属されるも再び出撃する
ことなく終戦を迎えた。
二十一年十二月に復員後は、同志社中学に復学して勉学に励む一方で、方々で辻立ちして説法を続け、こう訴
えた。
「大東亜戦争は日本が仕掛けた戦争に非ず」
当然、日本を占領していた連合国軍総司令部(GHQ)にはにらまれる。三上は聴衆に呼びか
けた。
「捕まるのは私だけだから、安心して耳だけこちらに向けてくれ」
当時の警官は軍隊出身者が多く、三上の話が終わるまで捕縛しようとはしなかったという。と
はいえ、無名で何者でもない三上がいくら説法を続けても、個人にできることには限界があった。
以下略
版元から一言
昭和天皇の私的な相談役として進講を続けた三上照夫は、宮内庁の関係者からは「国師」と呼ばれていた。そして、天皇と三上の間でどんな会話がなされたのか、その詳細はいっさい明らかになっていない。
しかし、三上が生前行った各地での講演や論文を見れば、三上がどのような考えのもと、昭和天皇に進講されたのか、その一端がわかる。
本書は、「最後の国師」と言われている三上照夫の考え方がもっともわかりやすく明らかになっている講演と論文をまとめた初めての書である。
上記内容は本書刊行時のものです。