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モビリティとことばをめぐる挑戦 三宅 和子(編集) - ひつじ書房
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モビリティとことばをめぐる挑戦 (モビリティトコトバヲメグルチョウセン) 社会言語学の新たな「移動」 (シャカイゲンゴガクノアラタナイドウ)

語学・辞事典
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発行:ひつじ書房
A5判
284ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-8234-1128-1   COPY
ISBN 13
9784823411281   COPY
ISBN 10h
4-8234-1128-5   COPY
ISBN 10
4823411285   COPY
出版者記号
8234   COPY
Cコード
C3080  
3:専門 0:単行本 80:語学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年12月20日
書店発売日
登録日
2021年12月7日
最終更新日
2021年12月21日
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紹介

「移動の時代」といわれる21世紀、グローバル化、デジタル化の中で移動する人とことばの関係は多様性・流動性を深めている。従来の人文社会科学のパラダイムでは捉えきれなくなった、ポストモダンを生きる人々の「モビリティ」とことばの現実を把握するにはどのような視点や方法論が求められるのか。この課題に取り組んできた10人の研究者が集結。

執筆者:新井保裕、岩﨑典子、生越直樹、フロリアン・クルマス(三宅和子訳)、佐藤美奈子、サウクエン・ファン、古川敏明、三宅和子、山下里香、吉田真悟

目次

まえがき

第Ⅰ部 言語研究におけるモビリティの視点

序章 モビリティ、21 世紀に問われる社会言語学の課題
三宅和子
1. はじめに
2. モビリティとことば
3. ポスト構造主義と社会言語学のゆくえ
4. モビリティと日本の社会言語学
5. 本書の構成と内容
6. 本書の織りなすテーマ
7. おわりに
[コラム 私の移動をふり返る]モビリティと周縁性 三宅和子

第1章 言語の融合と分離
フロリアン・クルマス/三宅和子編訳
1. 雲と言語のアナロジー
2. 融合がもたらすのは豊かさか汚染か
3. 個別化─隔離・分割
4. 流動性と個別性
5. おわりに
[コラム 私の移動をふり返る]まだまだ移動中 フロリアン・クルマス/三宅和子訳

第Ⅱ部 移動と定住をめぐる言語コミュニティの形成と変容

第2章 朝鮮学校コミュニティにおける韓国朝鮮語
―移動しない子供たちにとって民族語を使う意味とは―
生越直樹
1. はじめに
2. 在日コリアンの状況
3. 朝鮮学校生徒の言語使用
4. おわりに
[コラム 私の移動をふり返る] 私にとって移動とは 生越直樹

第3章 ハワイ語の再活性化における話者性
―第二言語使用と混血―
古川敏明
1. はじめに―ハワイ先住民系、ハワイ語話者
2. カナカ、ハパ、オーレロ
3. 現代のハワイ先住民が直面する問題と本稿の問い
4. ハワイ語再活性化運動とメディア利用
5. プライド、先住民性、L2 としてのハワイ語
6. おわりに―エスニック運動、主権回復、言語再活性化
[コラム 私の移動をふり返る]オアフ島中央部ワヘワのコメディーショー 古川敏明

第4章 多言語社会ブータンの下町市場にみる共生の言語動態
―「第3の媒介言語」の起用と「仲介者」の機能―
佐藤美奈子
1. はじめに
2. 言語社会的背景
3. 多言語社会ブータン
4. 言語社会化論
5. 都市移住者の社会化過程と都市内移動
6. 下町市場ホンコン・マーケット
7. ホンコン・マーケットの言語選択の基盤にある認識
8. おわりに
[コラム 私の移動をふり返る]ことばとことばの〈隙間〉から 佐藤美奈子

第5章 台湾語における文字選択と「台湾意識」
吉田真悟
1. はじめに
2. 台湾語とその表記
3. 「台湾意識」と台湾語の文字化
4. 面接調査
5. 言語イデオロギーと文字選択
6. おわりに
[コラム 私の移動をふり返る] 移動と言語の自分史 吉田真悟

第Ⅲ部 モバイル・ライブズの多様な言語実践

第6章 多文化社会への移動によるリテラシー問題
―オーストラリア香港系移民の事例を通して―
サウクエン・ファン
1. はじめに
2. 移動の軌跡から見る在豪香港系移民コミュニティ
3.  香港における広東語話者と「中文」との複雑な関係─深刻な言文不一致の言語背景
4.  三世代香港系移民家族の「両文」管理の特徴から見るリテラシー問題
5.  中国語コミュニティ新聞発行をめぐる多様な正字法の実態から見るリテラシー問題
6. 終わりにかえて
[コラム 私の移動をふり返る] 思いがけない足跡 サウクエン・ファン

第7章 中国朝鮮族の言語をめぐる選択と戦略
―地域差と性差を中心に―
新井保裕
1. はじめに
2. 朝鮮族の移動と言語
3. アンケート調査概要
4. 地域差から見る選択の異なり
5. 大連市における、戦略としての言語実践
6. 性差などを含めて見る選択と戦略
7. おわりに
[コラム 私の移動をふり返る] 移動しない「移動」 新井保裕

第8章 国境を越える緑月旗の記号的役割
―日豪のパキスタン料理店に見られる凡庸なナショナリズム―
山下里香
1. 移動する国旗
2. 理論的背景
3. 国旗をめぐる相互行為と「凡庸なナショナリズム」
4. イベントにおける国旗の使用―故国から移住先へ
5. パキスタン料理店に見られる国旗
6. 愛国心を記号的景観に取り入れる料理店
7. 考察
[コラム 私の移動をふり返る]私の移動―南アジア系移民の世界との出会い 山下里香

第9章 言語ポートレートから見る多層アイデンティティ
―「アイデンティティの戦争」から複言語使用者へ―
岩﨑典子
1. 「留学」というモビリティとL2 アイデンティティ
2. 研究課題と研究方法
3. 言語レパートリーの変容
4. 結び
[コラム 私の移動をふり返る]ことばの習得に挑戦するモビリティの研究 岩﨑典子


あとがき
執筆者紹介

著者プロフィール

三宅 和子  (ミヤケ カズコ)  (編集

東洋大学名誉教授。
専門は社会言語学、メディア論、語用論。
主著に『移動とことば』(共編著、くろしお出版、2018)など。

新井 保裕  (アライ ヤスヒロ)  (編集

文京学院大学外国語学部准教授。
専門は社会言語学、韓国朝鮮語学。
主論文に「中国朝鮮族言語使用・意識の多様性に関する研究―朝鮮族学校でのアンケート調査」(共著、『社会言語科学』22(1)、2019)など。

上記内容は本書刊行時のものです。