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「かのように」の古文書世界
コミュニケーションの史的行動学
- 初版年月日
- 2024年12月2日
- 書店発売日
- 2024年12月4日
- 登録日
- 2024年9月21日
- 最終更新日
- 2024年11月30日
紹介
古文書世界の新たな学問的展開の可能性を探る!
歴史学、文学、哲学、思想史、情報学の学際的な共同研究によって「古文書学」を諸分野と関連させ、古典学は固より思想史・文化社会学・言語学・メディア学などにおける「古文書学」の可能性を提起する。また古文書の世界においての様式論・機能論・伝存論を伝達の作法・表現や心情の発露として記号論と結ぶことによって包括的に行動学として捉え直した。そして同時に、本書は、古文書の「置換え」もしくは「翻訳」が行われる現象から諸々の媒体要素としての可能性を分析することも試みた多面的な論集である。
目次
序にかえて──本の成り立ち、共同研究の開催記録
(リュッターマン・マルクス 日文研名誉教授)
Ⅰ 硏究の歴史と展望
1 書の遣り取りをめぐる史的研究の意義
──古文書論をメディア論に位置付ける観点から
(リュッターマン・マルクス)
2 西欧文書学の現代的展開と「アーカイブズ論的転回」
(岡崎 敦 九州大学名誉教授)
Ⅱ 様式の普及と実現
1 日本の文書様式における印の問題をめぐって
──公印・私印の近代への展開(小島道裕 元歴博教授)
2 鎌倉幕府をめぐる闕字(けつじ)の出現と転回
(高橋一樹 明治大学教授)
3 中世渡来僧の手紙──蘭溪道隆の宋式書状と和風書状
(榎本 渉 日文研教授)
Ⅲ 伝存と活用
1 安都雄足にまつわる日本古代の特異な私信群から
──現代に伝わるはずのない「石山紙背文書」をめぐって
(小口雅史 法政大学教授)
2 正倉院佐波理加盤付属文書の機能と伝来
──内容の解釈を踏まえて(金 泰虎 甲南大学教授)
3 日本中世の領主と在地社会の文書授受
──戦国期公家荘園領主の在荘直務日記『政基公旅引付』
(廣田浩治 静岡歴史博物館学芸課長)
4 デジタル漢籍の誕生
──紙から画面へ
(ウィッテルン・クリスティアン 京都大学教授)
Ⅳ 心情と身体
1 中世の声の画像化素描
──「かのように」声を描く歴史をめぐって
(荒木 浩 日文研教授)
2 言語の中の身体
──理論と実践と経験に現れる身体の歴史的・文化的多様性
(梶谷真司 東京大学教授)
3 書簡故実に現れた心情表現史
──恐怖を中心に(リュッターマン・マルクス)
索引
上記内容は本書刊行時のものです。