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子どもが性被害をうけたとき
お母さんと、支援者のための本
原書: The Mother's Book: How to Survive the Molestation of Your Child
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2010年9月
- 書店発売日
- 2010年10月4日
- 登録日
- 2010年12月21日
- 最終更新日
- 2012年5月28日
紹介
自分の子どもが性虐待をうけた時、母親には対処の指針と支援が必要であるにもかかわらず、そのための情報はあまりにも少ない。原書はアメリカのロングセラーであり、また日本の読者に向けて専門家による日本の法律・制度面の解説も加筆されている。
目次
日本の読者のみなさんへ
監訳者からの注意書き
はじめに
第1章 子どもへの性的虐待に関する情報
子どもへの性的虐待の定義
社会問題としての性的虐待
子どもの虐待に関する統計資料
加害者の人間像
虐待が被害者に与える影響
虐待の社会的文脈
第2章 事実の発覚
母親の反応
感情面での反応は多様である
現実的な問題
事実の発覚に向き合い対処する
事実発覚後のはじめの数歩
第3章 自分自身へのいたわり
虐待の発覚のあとに
記憶と向き合うということ
加害者との関係
もしもあなたがバタード・ウーマン(痛めつけられる女性)なら
男の子への虐待
母親のあなたがレズビアンである場合
自分自身をいたわるためのプラン
記録しておくこと
第4章 法的問題
虐待の通報
ある母親の成功事例
犯罪の定義
刑事手続にどうかかわるか
児童保護局
家庭裁判所
司法手続における親の権利
加害者に対しておこす民事裁判
連邦法・州法における最近の進展
第5章 文化と階級
文化と階級とは何か
文化的バックグラウンドが役立つときと伝統を改革するとき
文化的バックグラウンドの負の側面
虐待を乗り越えることと文化・階級
社会経済的にみた母親たちの経験
さいごに
第6章 宗教の問題
罰と苦しみ
相手を赦すこと
別居と離婚について
教会やシナゴーグから支援を受ける
ユダヤ教の儀式をどう考えるか
怒りについて
聖職者による虐待
教会やシナゴーグの責任
第7章 トラウマからの回復
様々な問題を話し合う
カウンセラーを選ぶ
母親の回復事例
第8章 親としてできること
よくある質問
近親姦のあった家庭の母親たちに特有の質問
さいごに
法的観点からみた日本における性的虐待の対応(後藤弘子)
監訳者解説(宮地尚子)
参考資料
日本語で読めるお勧め文献リスト
前書きなど
日本の読者のみなさんへ
この本が日本語に訳され、日本の方々に役立つことを、心から誇らしく、うれしく思っています。この本はもともと、わが子が性的虐待をうけた母親たちのために書かれました。彼女たちが自分の置かれたつらい状況について理解し、乗り越えられるよう、必要な情報を集めたのです。けれども月日がたつにつれて、より広い読者を得るようになり、性的虐待の被害当事者、ソーシャルワーカー、セラピスト、法律関係者などにも役立ててもらえるようになりました。この本は米国以外の人たちにも読まれており、国際的な影響力ももっていますが、今回、英語圏以外の人にも読んでもらえるのは、とても意義のあることだと思っています。
この本の着想は、私が働いていたレイプ救援センターにやってきた母親たちから得ています。彼女たちは、困難な状況を乗り越えるために役立つものならなんでも手に入れたいと願い、自分たちにおきたことやそれにまつわる様々な感情についても、心を開いて語ってくれました。
この本がきっかけになって、日本の女性たちが自らの経験を語りはじめることを願ってやみません。そうすることで、この問題が文化を超えてどのようにおきているかを、私たちは理解することができるでしょう。
敬意をこめて。 キャロライン・M・バイヤリー
上記内容は本書刊行時のものです。