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医療現場におけるDV被害者への対応ハンドブック
医師および医療関係者のために
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2008年1月
- 書店発売日
- 2008年2月6日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
医療現場はDVの問題を発見し早期に解決する重要な位置にあるが最低限の理解さえない医療関係者が多数である。医師および医療関係者向けにDV被害者への対応について基本的あり方を説明、医療現場ですぐに役立つ実用書であり、医学看護教育でも活用できる。
目次
はじめに
総論編
初級編
第1章 DVとは何かを理解し、DV被害者にどう対応すべきかを学ぶ
1. DVとは何か
2. DVを見極めるポイント
3. DV被害者への対応の原則
第2章 DVをめぐる法律知識を身につけ、初診時に最低限すべきことを学ぶ
1. DVをめぐる法律:最低限知っておくべきこと
2. 医療関係者に法的に求められる責務
3. DVが疑われたときに初診時にすべきこと
第3章 DV被害者に対する診察・検査、診断・評価のポイントを理解する
1. 身体の診察・検査
2. 心理面の診察・検査
3. 診断・評価
4. 記録を残す
第4章 DV被害者に対する診療全体の流れをつかむ
1. 問診における注意点
2. 治療計画
3. 医療費について
中級編
第5章 DVが公衆衛生上の重大な問題であることを理解する
1. 公衆衛生的問題としてのDV
2. DV被害の頻度や内容についての統計(日本)
3. DV被害の頻度や内容についての統計(米・英・加)
4. 医療関係者が留意すべきこと
第6章 DV被害がどのような健康問題をもたらすのか理解する
1. DVのもたらす健康上の問題
2. 医療現場でのDV問題への積極的な関わり
3. 医療関係者のセルフケア
第7章 間違った思い込みを訂正し、医療現場におけるDV問題の全体像を捉え直す
各論編
第8章 産婦人科におけるDVへの対応(甲村弘子)
1. 産婦人科とDV
2. 妊娠中のDV被害の発生頻度
3. スクリーニング
4. DVを疑うサイン
5. 母体と胎児への影響
6. 支援のフローチャート
第9章 小児科におけるDVへの対応(紀平省悟)
1. 子どもへの影響
2. 対応の基本原則
3. アセスメント
4. 関係諸機関との連携と法律
5. ティーンエイジャー:デートDVの被害
第10章 病院全体の取り組み――まつしま病院の実践より(佐々木靜子)
1. 医療機関がDV支援に取り組むきっかけ
2. DV支援取り組みの実際
3. 当院の実績
4. 人権を守ることも病院の業務
第11章 社会におけるDVへの対応――医師に求められる役割(土井真知)
1. DV防止法の規定と医療関係者の努力義務
2. DV防止法に基づく通報件数
3. 医療機関における被害者
4. 国および地方公共団体における取り組み
5. 医師等に求められる役割
あとがき
資料
・配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(改正後)
・配偶者暴力相談支援センターの機能を果たす施設一覧
執筆者紹介
前書きなど
はじめに
この本は,医療現場におけるDV被害者への対応について,医師をはじめとした医療関係者に向けて基本的なあり方を説明したものです。諸外国で定められたガイドラインや研究結果を参考に,スタンダードな対応について呈示しています。
医療現場で今からすぐに役に立つ実用的な本であること,同時にこれからの医学教育や看護教育などにも活用できる本であることをめざして,ポイントを明確にし,要点を各項ごとにまとめました。また,実際の臨床現場でどのようなことを考えないといけないのか,とくに誤った対応はどのようなものかを理解してもらうために,具体的な事例に基づく「問い」と「解答・解説」を各章の冒頭と末尾に加えました。
なるべくエビデンスに基づく内容にしたつもりですが,日本ではまだ,DVに関する医療実践も研究も始まったばかりであり,エビデンスそのものをこれから積み上げていく必要があります。本書を読んで,疑問に思ったことや日本では違うのではないかと思ったことについては,ぜひご自身の臨床や研究の中で確かめてみて,ご報告ください。そして,日本でのDV被害者支援についての医学的知見を増やしていってください。
わたし自身,諸外国の文献を参考にしながら,実際の臨床の中で試行錯誤を繰り返し,理解を深めてきました。被害者の方々と直接向き合いながら,驚かされ,学ばされることがたくさんありました。その過程の中でわたし自身が気づいた思い込みや間違い,改めて納得させられたこと,誤解しやすいなと思ったことについては,本文の中でなるべく丁寧に説明を加え,現場で使いやすい内容にしたつもりです。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。