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鎌倉草創 東国武士たちの革命戦争
- 初版年月日
- 2022年1月
- 書店発売日
- 2022年1月11日
- 登録日
- 2021年12月1日
- 最終更新日
- 2021年12月21日
紹介
●大河ドラマ「鎌倉殿の13人」中世軍事考証担当者が解き明かす、
これまで語られなかった武家政権成立史!
●さまざまなギモンが氷解! “腑に落ちる"鎌倉幕府成立史
「この年の十月七日、頼朝は伊豆・相模・武蔵と房総三国の武士たちを率いて、鎌倉に入った。石橋山での敗戦から二か月を経ずして、革命軍は南関東一円を実効支配下に置いたのである。かかる驚異的な勢力回復が、なぜ可能だったのだろうか。実は、この頼朝の驚異的な回復にこそ、鎌倉幕府成立のカギが隠されている。そのカギをさぐる上でもっとも大切なポイントは、武士たち――武を生業とする戦士階級――が結集してつくった軍事政権、という幕府の本質的な属性である。」(第一章「折れた革命」より)
歴史好きの方にとっても、戦国や幕末に比べると、深くは理解できていないであろう鎌倉幕府成立期。たとえば多くの方は以下のような疑問を抱いているのではないでしょうか。
・石橋山で惨敗した頼朝は、なぜ瞬く間に勢力を回復し、再び平氏打倒の軍を結集し、平氏打倒を実現できたのか?
・義経は天才と言われるが、具体的にどこがどのように天才だったのか?
・頼朝はなぜ、朝廷を打倒しなかったのか?
・幕府の実権を握った北条氏はなぜ、お飾りの将軍を担ぎつづけたのか?
・鎌倉幕府の成立は結局いつと考えればよいのか?
本書では、鎌倉幕府を、「武士たちがつくった軍事政権」との事実から読み説いていくことで、その本質に迫ります。またその過程でこうしたギモンも解消していきます。
●著者は戦国期の軍事と城の専門家。戦国史ファンにこそ読んで頂きたい武家政権成立の物語
著者は『戦国の軍隊』『東国武将たちの戦国史』『パーツから読み説く戦国期城郭論」など、中世の軍事と城郭に関する本を多数著しており、大河ドラマでは、2016年の『真田丸』では戦国軍事考証を、そして今年の『鎌倉殿の13人』では中世軍事考証を担当しています。
戦国時代と鎌倉時代は、同じ中世といはいえ400年もの隔たり、武士たちが甲冑を着て弓矢や刀剣で戦うのは共通していても、戦い方も軍事力の構成もまるで別物です。ではどこがどう違うのか? こういう点から、本書は戦国ファンの方にこそ読んでいただきたい1冊です。
●頼朝の挙兵から承久の乱までの40年を描く分析的通史
本書は、頼朝の挙兵から承久の乱までの通史の体裁になっています。また各章の末に、より理解が深まるコラムが1本入っています。
目次
★本書の内容(目次より)
はじめに
【第一章】 折れた革命 ~以仁王の令旨と頼朝の挙兵
1.カントリーライフの貴公子
2.頼朝、起つ
3.革命軍敗走
【第二章】 武家政権前夜 ~院政と武士の政治進出
1.公地公民から荘園へ
2.院政と軍事貴族
3.保元・平治の乱と平氏政権
【第三章】 叛乱から独立へ ~東国軍事政権の樹立
1.奇跡の復活
2.革命政府の樹立
3.激動の寿永二年
【第四章】 内乱の中の戦略と戦術 ~“源平合戦"と頼朝・義経兄弟
1.治承・寿永の内乱
2.伝説の奇襲戦
3.目標と目的
【第五章】 頼朝の到達と蹉跌 ~奥州侵攻と征夷大将軍
1.決裂した兄弟
2.奥州戦役
3.鎌倉幕府の成立
【第六章】 さまよう鎌倉殿 ~頼朝の後継者たち
1.権力を継ぐもの
2.将軍を殺す国
3.第三代将軍実朝
【第七章】 始まりの終わり ~実朝の横死と承久の乱
1.将軍斬殺
2.承久の乱
3.鎌倉幕府とは何だったのか
◎各章末コラム「時代を読む視点」
・史料に見える軍勢表記
・史料の信憑性
・合戦史料を読む感覚
・「城郭」の実態
・鎌倉城という幻想
・梶原景時の引橋
・文豪が描いた悲劇の将軍
あとがき
巻末資料(関東略図・系図・略年表)
参考文献
上記内容は本書刊行時のものです。