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出版者情報
一片冰心 谷垣禎一回顧録
- 書店発売日
- 2024年5月29日
- 登録日
- 2024年5月23日
- 最終更新日
- 2024年12月26日
書評掲載情報
2024-08-18 |
読売新聞
朝刊 評者: 清水唯一郎(慶應義塾大学教授・政治学者) |
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紹介
尾崎行雄記念財団「咢堂ブックオブザイヤー2024」国政部門大賞受賞!
・産経新聞 5月31日付 コラム「大手町の片隅から」 (乾正人さん)
・月刊WiLL 24年8月号(6月26日発売)
評者:岩田温さん (政治学者)
・週刊新潮 7月4日号(6月27日発売) 「15行本棚」
・読売新聞 8月18日付 書評欄「本よみうり堂」
評者:清水唯一朗さん (慶應義塾大学 総合政策学部教授)
にて紹介されました。
目次
政治資金と派閥問題、渦巻く政治不信、戦争と国際秩序の機能不全……
いま、時代の岐路に立つ日本の現代社会。
野党時代の自民党総裁・谷垣禎一が語る「政治の原点」とは──
2009年の政権転落から約3年での政権復帰──いかにして、谷垣総裁は自民党を立て直し、国民からの信頼を取り戻したのか。今まさに振り返るべき「谷垣イズム」の源流を探る貴重な証言集。
谷垣禎一元自民党総裁が政界を引退してから六年半が過ぎた。谷垣氏は議員バッジを外してしまったが、今ほど、自民党にとって、往時の復活劇の原動力となった「谷垣イズム」が求められるときはないのではないか。
2024年現在、自民党は政権復帰した2012年以降で最も深刻な危機に瀕している。
派閥の政治資金パーティー収入不記載事件は東京地検特捜部の大規模な捜査を招き、大半の派閥が解散に追い込まれる事態に発展した。
「自民はなぜ、十五年前に政権を手放すことになったのか。苦しい野党時代にどんな目に遭い、国民の信頼を取り戻すためにどんな努力を重ねたのか。その記憶が薄れているのではないか」
2024年3月初旬、谷垣氏に今の自民の窮状をどう思うか尋ねると、苦笑いを浮かべながらこんな答えが返ってきた。
自身も「十年程度は野党だと思った」と振り返る2009年の転落により、久々の野党総裁となった谷垣氏。そこから綱領の改定や「ふるさと対話」を開始するなど地道な努力を重ね、党を立て直し、結果、三年三カ月で政権を取り戻した。その努力は、氏のそれまでの半生からくる信条と人間性に裏打ちされたものであった。
本書では、「谷垣禎一」という一人の人間の生き様を出生から現在までたどることで、その信条がどのように育まれていったのかを探り、政権復帰を成し遂げた「谷垣イズム」の源流を見つめ直していく。「加藤の乱」や政権復帰を目前とした総裁選に不出馬を決めた所以など、戦後から現代までの日本政治史の一端を記す貴重な証言集でもある。
また2016年の自転車事故により、首から下が不自由になるという重傷を負った谷垣氏。悲壮感なくリハビリへ向き合う姿勢、リハビリ病院での交流、そしてパラリンピックをどう観たのか……そこにもまた、谷垣氏の人間性の一端を垣間見ることができる。
あわせて、野党時代に谷垣氏を幹事長や副総裁として支えた大島理森・元衆院議長や、次世代のホープとして注目される小林鷹之・元経済安全保障担当相との対談も収録した。
大島氏との対談では菅直人元首相からの大連立の打診を断った真相が初めて具体的に語られる。
小林氏とは、今の自民党が何をしなければならないのか、率直な議論が展開された。
本書を通じ、自民を立て直した「谷垣イズム」が、危機に苦しむ日本政治の良薬となって届くことを期待したい。
【目次】
序章:政治不信にどう向き合うか
第一章:火中の栗を拾う ~下野時代の総裁(2009~2012)
第二章:花も嵐も踏み越えて ~日本の戦後と政治家人生のはじまり(1945~1999)
第三章:信なくば立たず ~加藤の乱と平成政治の決算(2000~2009)
第四章:返り咲きの苦心 ~法相・幹事長 第二次安倍内閣 (2012~2016)
第五章:徳は孤ならず ~リハビリとパラリンピック(2017~2024)
終章:誠は天の道なり、これを誠にするは人の道 ~後輩に贈る言葉
《特別対談》
×大島理森氏(元衆院議長)
「合意形成と議会政治」
×小林鷹之氏(元経済安全保障担当相)
「自民党は今何をすべきか」
上記内容は本書刊行時のものです。