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出版者情報
分断と反知性主義のアメリカ
知性の敗北と再建の政治経済学
- 初版年月日
- 2026年6月25日
- 書店発売日
- 2026年6月24日
- 登録日
- 2026年3月30日
- 最終更新日
- 2026年7月1日
書評掲載情報
| 2026-08-15 |
毎日新聞
朝刊 評者: 大竹文雄(大阪大学特任教授・経済学) |
| 2026-08-08 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
「複雑な真実」はなぜ、「単純な物語」に敗北するのか?
反知性主義は無知ではない――単純な物語が支持を集める「分かりやすさ均衡」という政治的構造である。
コロナ、格差、AIからアメリカの分断を解き明かし、知が機能するための制度「知の公共化回路」を提示する。
目次
はじめに
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第一章 分断と反知性主義の基礎――「分かりやすさ」が勝つ社会
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1 分断――歴史とメカニズム
分断の三次元/分断のメカニズム
2 反知性主義――特殊アメリカ的な文脈
リチャード・ホフスタッター/宗教復興運動/ジャクソニアン・デモクラシー/
パラノイド・スタイル/ドナルド・トランプ
3 分かりやすさ均衡
我々は「部分均衡マシン」である/
確率、時間、他者/「分かりやすさ均衡」
4 分断と反知性主義に寄り添う
ラストベルトから出ていかない者は怠惰なのか/
リベラルも科学も純粋ではない/オリジナルのポピュリスト/
コラム1 「空洞化」として現れる日本の反知性主義
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第二章 コロナ期における公衆衛生対策と経済財政政策
――専門知という名の「信頼財」
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1 不信のなかの公衆衛生対策
世界で最も準備ができていた国のコロナ対策/
実証分析からみえること――信頼という構造条件/信頼と非薬理学的介入/
感染症に潜む二つの部分均衡/
コラム2 日本のコロナ対応は「成功」だったのか
2 専門知という信頼材
信頼財/不信は「愚かさ」ではなく構造的な帰結
3 遅れてくるインフレ
大規模経済対策/ミクロ経済学の成果――現在進行形のフィードバック/
アメリカ救済計画という「過大な一押し」/
財政インフレ、火消しに遅れた金融政策/マクロ経済の分かりやすさ均衡
4 完全雇用下の大幅赤字
予算制度の建付けと議会予算局(CBO)/積み上がる赤字と債務/
「現実認識の分断」のもとでの財政悪化/議会予算局という「控えめな警鐘」
5 知の公共化回路――疾病予防管理センターと議会予算局
公衆衛生専門家はフロンティアを描く/経済政策におけるトレードオフ/
「知の公共化回路」――土俵を作る、土俵を広く、懐深くする
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第三章 格差の正当化――顧みられない格差
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1 「消えゆくアメリカン・ドリーム」
分配の上方集中/格差の決め手は事前分配/
米欧で異なるオートメーションの帰結/アメリカン・ドリームの統計学
2 政治はいかに格差を見えなくするか――みせかけの再分配
共和党政権――三つの政治技法/
バイデン――再分配への厚い壁、事前分配の未成熟/
コラム3・1 分配が政治になる瞬間
3 なぜ顧みられないのか――システム正当化理論
パラドックス――格差が広がると、福祉を求めなくなる/
世界は概ね正しいという信念/
格差が広がるほどメリトクラシーへの信念は強まる/
制度の裏切り――アイビー・プラスへの入学の実態
4 処方箋――事前分配/再分配の二段構え
事前分配の方法論的成熟、社会保険としての再分配/
機会の平等――競技場の平準化(level playing field)/
AI仕様の事前分配/再分配/
コラム3・2 数値化された価値をめぐる分断
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第四章 民主主義の「共有地」の枯渇――連帯という核心
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1 アメリカ民主主義の現在地
侵食される民主主義/「重なり合うコンセンサス」への後退/
さらなる後退?/後退の先は共同体なのか
2 言論の自由市場
二面市場モデル、公共財としての真理/レモン問題とSNS/
コラム4・1 日本の言論市場/検閲ではない、三つの介入
3 二つのアプローチ――ルソーとマディソン
ジャン=ジャック・ルソー――鏡を磨く/
ジェームズ・マディソン――競争と抑制均衡
4 連帯――競争と討議を支える共有地
民主主義の共有地/熟議という回路/熟議の制度整備/カント的規範/
アメリカ史からの希望/いま必要な連帯/
コラム4・2 司法と分断
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第五章 人類規模の危機――気候変動、AI、感染症
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1 二つのガバナンスの欠如
脅威評価の出発点/気候変動――「知の生産」への攻撃/
AI――開発競争、人間との分業の空洞化/
コラム5・1 「分からない」の政治学――AIにみる日本の無知性主義/
感染症――制度整備は進んでも信頼が傷ついたまま/問題は地理と時間
2 反知性主義との相克
人類規模の危機と向き合う三条件/共同体の拡張/倫理的射程の狭さ/
システムへの判断対象の拡大/複雑なシステムへの無理解/
不確実性の制度的処理/確実性への渇望/鏡像関係
3 危機の整理学
危機の三つの意味/政治運動としてのESG/
危機の射程を問う――ジョセフ・ヒース/テールリスク、正義の問題/
では、危機はあるのか
4 シングルトン
広く複雑な世界/科学と組織の力/シングルトンという思考実験/
シングルトンの欠陥/グローバルな「知の公共化回路」/
コラム5・2 科学者間のカント的協力
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第六章 日本への射程と結論
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1 日本への射程
日本の無知性主義/
コロナ禍――異時点間ガバナンスの欠如と「制度的記憶」の不在/
格差――「二段構え」の未完成/
日本の民主主義――日本版「知の公共化回路」の実装の必要性/
人類規模の危機――媒介のミドルたりうるか
2 結論――知性の敗北と再建の政治経済学
3 結語
おわりに
参考文献
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。
