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性理論のための三論文(一九〇五年版) ジークムント・フロイト(著) - 人文書院
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性理論のための三論文(一九〇五年版) (セイリロンノタメノサンロンブンセンキュウヒャクゴネンバン)

哲学・宗教
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発行:人文書院
四六判
縦194mm 横135mm 厚さ26mm
重さ 425g
300ページ
上製
定価 3,500 円+税   3,850 円(税込)
ISBN
978-4-409-34065-3   COPY
ISBN 13
9784409340653   COPY
ISBN 10h
4-409-34065-4   COPY
ISBN 10
4409340654   COPY
出版者記号
409   COPY
Cコード
C3011  
3:専門 0:単行本 11:心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年5月29日
書店発売日
登録日
2024年8月27日
最終更新日
2025年5月29日
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紹介

性のアナーキスト、フロイトがここに
世界的に注目されている初版に基づく、はじめての日本語訳

1905年に発表された本書は、20世紀のセクシュアリティをめぐる議論に決定的な影響を与えた。そこには対象と無関係に働く性欲動のアナーキーな姿が予見されていた。しかし、その後の度重なる加筆により、性器を中心に欲動が統合され、当初のラディカルさは影をひそめる。本翻訳はその初版に基づく、はじめての試みである。ここによみがえるフロイトの分析は、現代の性議論にも大きなインパクトを与えるだろう。厳密な日本語訳に加え、改訂の軌跡を詳細に追った訳注、本書に登場する人名解説、新鋭研究者による解題、そして索引を付し、研究書の役割も備えた決定版。

「性生活における障害に関してなされたこれらの探究の結論は不満足なものであるが、そのような結論が示唆しているのは、われわれは、セクシュアリティの本質がそこに存する生物学上の事象について、充分に知っているとはとうてい言えず、その結果、われわれの個々の認識からは、正常性あるいは異常性というものを理解するのに充分な理論を構成することが出来ないということである。」(本書より)

目次

第一論文 性の逸脱
 1.性対象に関する偏倚
  A.対象倒錯
     対象倒錯者の振る舞い 対象倒錯についての見解 変質 先天性
     対象倒錯についての説明 両性性を引き合いに出す 対象倒錯者の性対象
     対象倒錯者の性目標 結論
  B.性的に未熟な者や動物を性対象とすること
 2.性目標に関する偏倚
  a.解剖学上のはみだし
     性対象の過大評価 口唇および口腔粘膜を性のために利用すること
     肛門を性のために利用すること 他の身体部位が持つ意味
     性対象の不適切な代替――フェティシズム
  b.暫定的性目標の固着
     新たな意図の出現 触れることと見ること サディズムとマゾヒズム
 3.すべての目標倒錯について一般的に言えること
    ヴァリエーションと病気 目標倒錯における心の関与 二つの結論
 4.神経症患者の性欲動
   神経症と目標倒錯
 部分欲動と性源域
 精神神経症において、目標倒錯的セクシュアリティが優勢であるようにみえることについての説明
 セクシュアリティにおける小児性の指摘

第二論文 小児のセクシュアリティ
  小児性を等閑視すること 小児期の健忘
 子ども時代の性の潜在期とその突破
  性の抑止 昇華 潜伏期の突破
 小児のセクシュアリティの表出
  おしゃぶり 自体性愛
 小児のセクシュアリティにおける性目標
  性源域の性格 小児の性目標
 マスターベーションによる性の表出
  肛門域の活動 性器域の活動 乳児のマスターベーションの回帰
  多形倒錯的素質 部分欲動
 小児のセクシュアリティの源泉
  機械的な興奮 筋肉の活動 情動の諸過程 知的な仕事
  さまざまな性体質 相互影響の道

第三論文 思春期における改変
 性器域の優位と前駆的な快
  性の緊張 前駆的な快のメカニズム 前駆的な快の危険
 性の興奮の問題
  性物質の役割 内的な性器部分の過大評価 化学的な理論
 男と女の区別
  男性と女性における主導域
 対象の発見
  乳児期の性対象 小児の不安 近親姦に対する防壁
  小児期の対象選択が後にもたらす影響 対象倒錯を避ける
 まとめ
  発達を阻害する要因 体質と遺伝 抑圧 昇華
  偶然に体験されたこと 早熟 執拗な残存 固着

付録――各版序文と第二版以降の追加箇所
 第二版への序文(一九一〇年)
 第三版への序文(一九一五年)
 第四版への序文(一九二〇年)
 第一論文に追加された段落(1)(一九一五年)
 第一論文に追加された段落(2)(一九一五年)
 第二論文に追加された章(一九一五年)
  小児による性の探求
   知識欲動 スフィンクスの謎 去勢コンプレックスとペニス羨望
   誕生の理論 性交渉についてのサディスティックな見解
   子どもの性の探求の典型的な失敗
  性体制の発達段階
   前性器体制 両価性 対象選択の二期体制
 第二論文に追加された段落(3)(一九一五年)
 第二論文に追加された段落(4)(一九一五年)
 第二論文に追加された段落(5)(一九一五年)
 第三論文に追加された章(一九一五年)
  リビドー理論
 「まとめ」に追加された節(一九一五年)
  時間的な要因
 「まとめ」に追加された段落(6)(一九二〇年)
 「まとめ」に追加された段落(7)(一九一五年)

解題 『性理論のための三論文』再訪――逸脱するものとしてのセクシュアリティ(石﨑美侑)
解説(松本卓也)
訳者あとがき
人名リスト
索引

著者プロフィール

光末 紀子  (ミツスエ ノリコ)  (

【訳者】光末 紀子(みつすえ・のりこ)
1940年大連市生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。神戸大学名誉教授。専門分野:ドイツ近現代詩、ヨーロッパ文化論、ジェンダー論。著書に『書きはじめた女たち ドイツ・フェミニズム批評の視点から』(鳥影社、1998年)、『ドイツ女性の歩み』(共著、三修社、2001年)、『ハイデガーにおける「詩作と思索」 「被投性」の視点から』(共著、日本独文学会研究叢書58号、2008年)、『ドイツ文化を担った女性たち』(編著、鳥影社、2008年)など。

石﨑 美侑  (イシザキ ミュウ)  (解題

【解題】石﨑 美侑(いしざき・みゅう)
1999年生。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程(日本学術振興会特別研究員DC1)。修士(人間・環境学)、精神分析史。

松本 卓也  (マツモト タクヤ)  (解説

【解説】松本 卓也(まつもと・たくや)
1983年生。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。博士(医学)、精神病理学。著書に『人はみな妄想する』(青土社)、『享楽社会論』(人文書院)、『創造と狂気の歴史』(講談社選書メチエ)、『心の病気ってなんだろう』(平凡社)など。訳書にヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト』(共訳、岩波書店)

上記内容は本書刊行時のものです。