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がん細胞の弱点を突く ハイパーサーミア 温熱療法 及川 寛太(著) - 幻冬舎
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がん細胞の弱点を突く ハイパーサーミア 温熱療法 (ガンサイボウノジャクテンヲツク ハイパーサーミアオンネツリョウホウ)

医学
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発行:幻冬舎
四六判
190ページ
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-344-94902-7   COPY
ISBN 13
9784344949027   COPY
ISBN 10h
4-344-94902-1   COPY
ISBN 10
4344949021   COPY
出版者記号
344   COPY
Cコード
C0047  
0:一般 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年3月21日
書店発売日
登録日
2025年3月21日
最終更新日
2025年3月21日
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紹介

がん患者
 ・手術後に化学療法を受けている人
 ・手術ができなくて最初から化学療法や放射線療法を受けている人
 ・緩和療法を受けている人
がん治療に携わる医師
「熱」の力が、がん治療の新たな可能性を拓く!
体への負担を抑えながら治療効果を引き出す
温熱療法の有効性とは?
国立がん研究センターが2020年に調査したデータによると、日本人が生涯でがんと診断される確率は男性で62.1%、女性で48.9%に達しています。また、日本人の死因第1位は40年以上にわたり一貫して悪性新生物(がん)が占めており、今やがんは誰もがかかる可能性のある身近な疾患となりました。
がんの治療には医学的に効果が認められている手術療法、化学療法、放射線療法という三大治療が一般的です。しかし、進行度によっては治療を行っても完治が難しい場合や、高齢者など体力のない患者では副作用に耐えられず、そもそも治療ができないといったケースも少なくありません。がんの治療技術は日進月歩ですが、三大治療でも救えない命が数多く存在していることも現実です。
消化器内科医として長年にわたり臨床の現場で治療に携わってきた著者は、がん治療の新たな選択肢として 「ハイパーサーミア(温熱療法)」 に着目しています。これは、正常な細胞に比べて熱に弱いというがん細胞の特性を利用し、高周波電磁波で腫瘍を加温してがん細胞を死滅させる治療法です。強い副作用がなく、体力のない患者や高齢者でも受けられるうえに保険適用の対象であるのも大きな利点です。また、三大療法との併用によって治療効果を高めることも期待できるため、がんと闘うための新たな選択肢として注目されています。
本書では、ハイパーサーミアの基本的な仕組みから、具体的な治療方法、三大治療との併用による効果について、著者の知見を交えながら詳しく解説します。さらに、実際にハイパーサーミアを取り入れた患者の症例を紹介し、その治療経過や効果についても言及しています。
がんの治療法を模索している患者や家族だけでなく、三大療法の限界を感じている医療従事者にもおすすめの一冊です。

目次

はじめに

第1章 手術療法、化学療法、放射線療法
患者が正しく理解するべき三大治療のメリット・デメリット
進歩するがん治療、乗り越えるべき壁
三大治療にも弱点はある
進化するがん治療
がん治療の課題となる身体への負担
がん治療を支える新たな選択肢

第2章 “熱に弱い”というがん細胞の特性に着目した治療法
ハイパーサーミア(温熱療法)とは
がんの発生と進行、分類と生存率
熱でがん細胞をたたくハイパーサーミア
身体の深部まで加温するためにラジオ波を使用
ハイパーサーミアの歴史
ハイパーサーミアの治療装置
ハイパーサーミアのメリット
ハイパーサーミアのデメリット
ハイパーサーミアによる温熱療法を受けるときの注意点
ハイパーサーミア治療の流れ
ハイパーサーミアの治療費用
ハイパーサーミア治療を希望する9割が自力で調べてたどり着く
ハイパーサーミア治療でよくある質問

第3章 ほかの治療の効果を高め、副作用による体の負担も和らげる
三大治療との併用で発揮されるハイパーサーミアの力
手術療法との組み合わせ
手術療法とハイパーサーミアを併用するタイミング
手術療法との併用が効果を発揮することを示す学術論文での報告
化学療法との組み合わせ
ハイパーサーミアと相性の良い抗がん剤とは
化学療法とハイパーサーミアを併用した臨床試験
放射線療法との組み合わせ
放射線療法の効きやすさは細胞周期に関わる
放射線療法とハイパーサーミアを併用するタイミング
放射線のみ当てた細胞群とハイパーサーミア併用の比較試験
緩和療法との組み合わせ
緩和療法との組み合わせのタイミング
ハイパーサーミアの単独使用は推奨されない
ハイパーサーミア治療の効果判定──CTC検査を用いた評価方法
もし主治医にハイパーサーミアとの併用療法を反対されたら

第4章 がんがある部位・進行段階に合わせて治療をカスタマイズ
症例から見るハイパーサーミアに期待できる効果
Aさんの場合(男性・胸腺がん ステージⅣB・手術療法・化学療法・放射線療法を経験)
いつもと同じ「異常なし」のはずが、がんであることが判明
情報収集をしていた妻から勧められたことが受診のきっかけに
圧迫感や熱さはあるものの、終わったあとは温泉やサウナに入ったあとのような気分に
抗がん剤や放射線治療を続けながらQOLを下げずに生活ができている
数ある治療の中から、ハイパーサーミアに出会えたことが幸運
担当看護師の声
Bさんの場合(男性・膵頭部がん ステージⅡA・手術療法と化学療法を経験)
先代の「明日すぐおいで」の一言がきっかけで膵臓がんが見つかる
ハイパーサーミア開始後、最初の頃は傷痕がヒリヒリ痛んだ
趣味のゴルフも家庭菜園も楽しめるように
担当看護師の声
Cさんの場合(男性・膵体部がん ステージⅣB・多発肝転移あり・手術療法と化学療法を経験)
膵臓がんと診断され手術を受けたあと、今度は多発肝転移が見つかる
延命処置をしてもあと2年……だからなんでもやってみよう
おなかは冷えるけど熱を当て始めると全身着替えが必要なほど汗がハイパーサーミア治療でよくある質問

第3章 ほかの治療の効果を高め、副作用による体の負担も和らげる
三大治療との併用で発揮されるハイパーサーミアの力
手術療法との組み合わせ
手術療法とハイパーサーミアを併用するタイミング
手術療法との併用が効果を発揮することを示す学術論文での報告
化学療法との組み合わせ
ハイパーサーミアと相性の良い抗がん剤とは
化学療法とハイパーサーミアを併用した臨床試験
放射線療法との組み合わせ
放射線療法の効きやすさは細胞周期に関わる
放射線療法とハイパーサーミアを併用するタイミング
放射線のみ当てた細胞群とハイパーサーミア併用の比較試験
緩和療法との組み合わせ
緩和療法との組み合わせのタイミング
ハイパーサーミアの単独使用は推奨されない
ハイパーサーミア治療の効果判定──CTC検査を用いた評価方法
もし主治医にハイパーサーミアとの併用療法を反対されたら

第4章 がんがある部位・進行段階に合わせて治療をカスタマイズ
症例から見るハイパーサーミアに期待できる効果
Aさんの場合(男性・胸腺がん ステージⅣB・手術療法・化学療法・放射線療法を経験)
いつもと同じ「異常なし」のはずが、がんであることが判明
情報収集をしていた妻から勧められたことが受診のきっかけに
圧迫感や熱さはあるものの、終わったあとは温泉やサウナに入ったあとのような気分に
抗がん剤や放射線治療を続けながらQOLを下げずに生活ができている
数ある治療の中から、ハイパーサーミアに出会えたことが幸運
担当看護師の声
Bさんの場合(男性・膵頭部がん ステージⅡA・手術療法と化学療法を経験)
先代の「明日すぐおいで」の一言がきっかけで膵臓がんが見つかる
ハイパーサーミア開始後、最初の頃は傷痕がヒリヒリ痛んだ
趣味のゴルフも家庭菜園も楽しめるように
担当看護師の声
Cさんの場合(男性・膵体部がん ステージⅣB・多発肝転移あり・手術療法と化学療法を経験)
膵臓がんと診断され手術を受けたあと、今度は多発肝転移が見つかる
延命処置をしてもあと2年……だからなんでもやってみよう
おなかは冷えるけど熱を当て始めると全身着替えが必要なほど汗が出る
農家はやめたが、農作業を続ける毎日
担当看護師の声
Dさんの場合(女性・大腸がんステージⅣBと肺腺がんのダブルキャンサー・多発肝転移あり)
看護師の息子が探し当てたハイパーサーミア
抗がん剤治療に比べたら断然ラク、こんなにラクでいいのかな
抗がん剤治療をやめる決断をする
現在はハイパーサーミア単独で治療を続ける
担当看護師の声

第5章 ハイパーサーミア治療を受けられる病院を増やす
患者がひとりでも救われる未来へ
ハイパーサーミアとの出会いから導入に至った経緯
なぜハイパーサーミアはこんなに知られていないのか
治療装置を持っている施設が少ない
医師がハイパーサーミアを知る機会が少ない
治療装置が高価である
ハイパーサーミアに対する懐疑的な意見とは
RECIST1.1から外れてしまうのではないか
エビデンスが少ないのではないか
治療効果にばらつきがあるのではないか
ハイパーサーミアの普及と理解促進のために行っている取り組み
患者にとっての光となるハイパーサーミア治療
「緩和ケアに移行」と言われてもなお、最期までがんと闘える手段がある
がんと共存しながら生きるという選択肢も生まれる
ハイパーサーミアで最期まで自分らしい時間を過ごしてもらいたい
治療を終了するとき
ハイパーサーミアで生きられる時間を延ばした私の父

おわりに

著者プロフィール

及川 寛太  (オイカワ カンタ)  (

及川寛太(おいかわ かんた)
1973 年11 月、岩手県生まれ。
1999 年に金沢医科大学を卒業後、岩手医科大学で博士課程修了、消化器内科医として地域医療に深く関わる。医師家系に生まれ、地元岩手での医療に対する献身的な姿勢は、多くの患者とその家族から深い信頼を得ている。おいかわ内科クリニックにおいて、副院長を経て、理事長・院長としてクリニックを率いる。2016 年、地域医療へのさらなる貢献を目指し、新たながん治療の手段としてハイパーサーミア(温熱療法)を導入。初期の懐疑的な意見に直面しながらも、持続的な努力と熱心な啓蒙活動により、その有効性が徐々に認識されてきている。

上記内容は本書刊行時のものです。