版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
都市のリズム 石橋純(編著) - 鹿島出版会
..
【利用不可】

都市のリズム (トシノリズム) 旅する音楽、人、街の物語 (タビスルオンガク ヒト マチノモノガタリ)

芸術
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:鹿島出版会
四六判
縦188mm 横130mm 厚さ13mm
重さ 210g
204ページ
定価 2,400 円+税   2,640 円(税込)
ISBN
978-4-306-09452-9   COPY
ISBN 13
9784306094529   COPY
ISBN 10h
4-306-09452-9   COPY
ISBN 10
4306094529   COPY
出版者記号
306   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2025年7月31日
最終更新日
2025年9月22日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

音楽は都市と人びとの移動の歴史とともにある。
ジャンルとジャンルの“混じりあい”が音楽の面白さを生んできた。人やものが集まる都市で、異質な文化が溶けあい発展してきたポピュラーミュージック。その背景には、音楽が生みだされる舞台装置としての都市がある。ときに社会を色濃く映しだし、国や境界、時代を越えて親しまれる音楽そして人びとの営みを、現地に精通した研究者、ライター、音楽家が紹介する都市エッセイ。

目次

本書に登場する都市と音楽/人と音楽の移動
はじめに 伊藤嘉章
第1章 土地に根づく
 都市とともに芽吹く音 石橋 純
1 ブエノスアイレス  タンゴとフォルクローレ、音楽を愛する街 谷本雅世
[コラム]アルゼンチンといえば牛肉
2 リマ 〝ハラナ〟 音楽と笑いのある祝祭の場 水口良樹
3 ブダペスト 時代の響きを紡ぐロマ楽師たち 横井雅子
4 那覇 時を超える琉球のしらべ 久万田 晋
5 サンパウロ サンバとリズムの伝承 加藤 勲
 [コラム]ニーマイヤーの曲線に住まう

第2章 故郷を胸に
 ルーツを奏でる 伊藤嘉章
1 ワシントンハイツ カリブ音楽流れるドミニカ人街 石橋 純
2 イースト・ロンドン 大都会に息づくベンガルの響き 栗田知宏
[コラム]文学作品からみるベンガーリー移民
3 ベルリン ベルリンから鳴り響くトルコ音楽の調べ 増田真吾
4 ベンガルール 先端都市に響くコロニアルな音風景 井上貴子

インタビュー 宮田信 境界を越え混淆を生きるバリオのビート

第3章 海のむこうから
 祝宴のリズム、去来する旋律 石橋純
1 パナマシティ カリブ文化の混淆が生んだレゲトン 伊藤嘉章
  [コラム]プエルトリコの最新の音楽潮流
2 ブリストル イギリスの港湾都市から轟く重低音 1TA(Bim One Production)
3 ナント 映画監督ジャック・ドゥミの港町 廣瀬 純
4 イスタンブル・バラト地区 セファルディのうたが聴こえる 長塚織人
5 ビーゴ ガリシア人の魂の音楽 高橋めぐみ
  [コラム]ガリシアから世界に旅立った「エンパナーダ」

第4章 時空を越えて
 共振する周縁の力 伊藤嘉章
1 メンフィス ロックンロール旋風のはじまり 佐藤良明
2 ニューヨーク ジャズの深化とヒップホップの誕生 伊藤嘉章
[コラム]音楽の発展とテクノロジー
3 ソウル K‐POPという欲望の震源地 李東俊
4 アビジャン アビジャンを揺らすレゲエとラップ 鈴木裕之
[コラム]ワールドミュージックへのワンステップ

インタビュー mitokon 「アマピアノ」――ダンスフロアのその先へ
おわりに 石橋純

著者プロフィール

石橋純  (イシバシジュン)  (編著

石橋 純 イシバシジュン
東京大学大学院ラテンアメリカコース教授。東京大学博士課程修了。博士(学術)。専攻は文化人類学。専門地域はベネズエラとスペイン語圏カリブ。専門分野はアフロ系子孫の政治・社会運動、混血社会の人種主義・人種差別、民衆文化・ポピュラー音楽。著書に『熱帯の祭りと宴』(柘植書房新社、2002年)、『太鼓歌に耳をかせ』(松籟社、2006年)、編著に『中南米の音楽』(東京堂出版、2010年)、『ベネズエラを知るための60章』(明石書店、2025年刊行予定)ほか。

伊藤嘉章  (イトウヨシアキ)  (編著

伊藤 嘉章 イトウヨシアキ
文化・音楽研究、音楽ライター。アフリカ、アメリカ、プエルトリコに計11年在住のほか、各地を訪問して文化と音楽との関係を研究。雑誌(『Jaz.in』など)やWeb 媒体(「eLPop」など)で記事、作品紹介を数多く執筆。鎌倉FM「世界はジャズを求めてる」ラジオパーソナリティ担当。共著に『カリブ・ラテンアメリカ音の地図』(音楽之友社、2002 年)、『米国ラテン音楽ディスク・ガイド 50’s-80’s』(リットーミュージック、2008年)、『ジャズな映画 名作100ガイド』(シンコーミュージック、2025年)、『ゼロから分かる!ラテン音楽』(世界文化社、2025年刊行予定)など。

井上 貴子  (イノウエタカコ)  (

井上 貴子 イノウエタカコ
大東文化大学国際関係学部教授。インド、デリー大学に4年間留学して南インド古典声楽を学び、研究のかたわらインド、日本でインド音楽のコンサートを開催。またロックをはじめポピュラー音楽の研究・演奏も行う。著書に『近代インドにおける音楽学と芸能の変容』(青弓社、2006年)編著に『アジアのポピュラー音楽―グローバルとローカルの相克―』(勁草書房、2010)、ほか。

加藤 勲  (カトウイサオ)  (

加藤 勲 カトウイサオ
芸術家。ドラムセット、アフロ系ラテンパーカッション演奏家。フェリス女学院大学音楽芸術学科非常勤講師。沖縄県立芸術大学芸術文化研究所共同研究員。ブラジルのソウザ・リマ音楽大学で打楽器演奏を学び、沖縄県立芸術大学大学院で民族音楽学を専攻。ブラジルのサンバを対象にリズムの研究を行っている。論文に「エスコーラ・ジ・サンバにおける象徴と音楽の関連」『非文字資料研究』(神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター 、2024年)、主な作品に「ブラジル奄美移民100周年記念サンバ Kibaramba-」がある。

久万田 晋   (クマダススム)  (

久万田 晋 クマダススム
1961年高知市生まれ。沖縄県立芸術大学・芸術文化研究所所長・教授。東京藝術大学大学院音楽研究科修了。専門は日本・沖縄を対象とした民族音楽学、民俗芸能論、ポピュラー音楽論。著書に『沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り: 民俗芸能の伝統と創造をめぐる旅』(ボーダーインク、2024年)、共編著に『沖縄芸能のダイナミズム 創造・表象・越境』(七月社、2020年)など。

栗田 知宏   (クリタトモヒロ)  (

栗田 知宏 クリタトモヒロ
東京外国語大学南アジア研究センター特定研究員。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在籍時より、南アジア系ポピュラー音楽などの文化研究を続ける。博士(社会学)。著書に『ブリティッシュ・エイジアン音楽の社会学――交渉するエスニシティと文化実践』(青土社、2021年)、訳書にギャレス・マローン『クラシック音楽のチカラ――ギャレス先生の特別授業』(青土社、2013年)がある。

佐藤 良明  (サトウヨシアキ)  (

佐藤 良明 サトウヨシアキ
東京大学名誉教授。アメリカ文化、ポピュラー音楽、英語教育。著書に『定本 ラバーソウルの弾みかた──ビートルズと僕らの文明』(岩波書店、2025年)、訳書にトマス・ピンチョン『重力の虹』(上下、新潮社、2014年)、ボブ・ディラン『The Lyrics』(上下、岩波書店、2020年)、グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ』(上中下、岩波文庫、2023年)ほか。

鈴木 裕之  (スズキヒロユキ)  (

鈴木 裕之 スズキヒロユキ
国士舘大学教授。文化人類学。アフリカの音楽と文学、とくにコートジボワールのアビジャンにおけるストリート音楽(レゲエ、ラップ)、マンデ民族のグリオを研究。著書に『ストリートの歌:現代アフリカの若者文化』(世界思想社、2000年)、『恋する文化人類学者:結婚が異文化をつなぐとき』(KADOKAWA、2024年)、編著書に『アフリカン・ポップス!:文化人類学からみる魅惑の音楽世界』(明石書店、2015年)など。

高橋めぐみ  (タカハシメグミ)  (

高橋 めぐみ タカハシメグミ
音楽プロデューサー。インディーズ・レーベル「アオラ・コーポレーション」で30年以上にわたりA&R、マーケティング、プロデュースに携わる。音楽コーディネーターとして無印良品のBGMシリーズ「19 Galicia」「20 Lima」「22 Basque」に参加。フィールドはスペインと南米。『スペインのガリシアを知るための50章』(明石書店、2011年)に執筆参加。食文化にも造詣が深い。

谷本 雅世  (タニモトマサヨ)  (

谷本 雅世 タニモトマサヨ
PaPiTaMuSiCa(パピータムシカ、音楽レーベル&プロデュース)共同代表。アルゼンチン赴任後、南米音楽に魅了され執筆活動を開始。ラジオ番組のMCと文筆業で南米の音楽と文化を紹介しつつ、音楽家のサポート・通訳などを行う。著書に『旅の指さし会話帳40アルゼンチン』(2003年)、『旅の指さし会話帳69JAPANスペイン語』 (2006年ほか、いずれもゆびさし)、『ミュージック・ガイドブックVol.2』(ミュージックマガジン社、2025年)でウルグアイ音楽執筆。

長塚 織人  (ナガツカオリヒト)  (

長塚 織人 ナガツカオリヒト
1991年宮城県生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究博士課程修了。博士(学術)。立命館大学専門研究員(日本学術振興会特別研究員PD)。スペイン系ユダヤ人の言語と文化、そして文学の研究を行っている。主な論文に「『声』のホームランドと多形的ディアスポラー―セファルディ系ユダヤ人の文学創造」(博士論文、2025年)など。

廣瀬純  (ヒロセジュン)  (

廣瀬 純 ヒロセジュン
1971年、東京生まれ。龍谷大学教員。哲学、映画批評。著書に『美味しい料理の哲学』(河出書房新社、2005年)Cómo imponer un límite absoluto al capitalismo, Tinta Limón, Buenos Aires, 2021など多数。最新作は『監督のクセから読み解く名作映画解剖図鑑』(彩図社、2024年)。

増田真吾  (マスダシンゴ)  (

増田 真吾 マスダシンゴ
1986年大阪府生まれ。幼少の頃よりピアノを弾き、2009年カイロにてカーヌーンを始める。エジプト、チュニジア、トルコ、ギリシャ、スペインでカーヌーンの奏法やアラブ音楽やトルコ音楽などの理論を学ぶ。2017年より演奏活動の拠点を日本からベルリンに移し、アラブやトルコなどの地中海音楽をベースに、世界のさまざまな音楽の要素を取り入れた作曲も行っている。

水口良樹  (ミズグチヨシキ)  (

水口 良樹 ミズグチヨシキ
文化人類学研究。専門はペルー都市部の民衆音楽と社会について。「ラテンアメリカ探訪」や「井戸端人類学F2キッチン」で一般向けウェビナーなどを開催。またラテン音楽Webマガジン「eLPop」などでも執筆活動を行う。編著に『日本から考えるラテンアメリカとフェミニズム』(中南米マガジン、2025年)、共著に『中南米の音楽』(東京堂出版、2010年)などがある。

横井雅子  (ヨコイマサコ)  (

横井 雅子 ヨコイマサコ
音楽学。国立音楽大学大学院特任教授。中・東欧の音楽文化、とくにロマ音楽の調査を通して民俗音楽、大衆音楽、古典音楽をとりつなぐ楽師像を探求してきた。楽器研究も手掛け、学際的な調査を展開している。著書に『ハンガリー音楽の魅力―リスト・バルトーク・コダーイ』(東洋書店、2006年)、『音楽論』(共著、武蔵野美術大学出版局、2016年)ほか。

李 東俊  (リドンジュン)  (

李 東俊 リ・ドンジュン
1969年韓国安東市生まれ。ソウル大学人文学部卒業。『韓国日報』記者を務めたのち、2008年東北大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。現在、北九州市立大学国際関係学科准教授。専攻は朝鮮半島の国際政治。著書に『未完の平和』(法政大学出版局、2010年)、編著書に『미완의 해방』〔未完の解放〕(ソウル:亜研出版部、2013年)、『「BTS学」への招待』(明石書店、2023年)ほか。

1TA  (ワンティーエー)  (

1TA ワン・ティー・エー(Bim One Production / Riddim Chango Records)
レゲエ/ダブ、リディムセレクター。レーベル「Riddim Chango Records」主宰のひとり、国産Dub再発レーベル「Rewind Dubs」主宰。ベース・カルチャー発信集団「BS0」、サウンドシステムの祭典「TOKYO DUB ATTACK」プロデューサー。国内のみならず世界各地でDJ活動を行い、2011年にはヨーロッパ最高峰のレゲエフェス「Rototom Regaae Fes」に出演。数々のミックスCDやトラックを手がけ、「Bim One Production」名義を中心に音源作品をリリース中。

上記内容は本書刊行時のものです。