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不平等と教育 苅谷剛彦(著) - 中央公論新社
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【利用可否不明】

不平等と教育 (フビョウドウトキョウイク) 日本の格差問題はなぜ解決しないのか (ニホンノカクサモンダイハナゼカイケツシナイノカ)

新書
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新書判
288ページ
定価 1,050 円+税   1,155 円(税込)
ISBN
978-4-12-102915-7   COPY
ISBN 13
9784121029157   COPY
ISBN 10h
4-12-102915-1   COPY
ISBN 10
4121029151   COPY
出版者記号
12   COPY
Cコード
C1237  
1:教養 2:新書 37:教育
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年6月25日
書店発売日
登録日
2026年4月24日
最終更新日
2026年6月11日
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書評掲載情報

2026-08-01 毎日新聞  朝刊
評者: 張競(比較文学者)
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紹介

教育の不平等をめぐっては多くの研究・議論が行われてきた。
だが、今なお解決には程遠い。
その理由は、日本人の認識枠組みにあり、意味が曖昧なまま外来の流行語・翻訳語を使うため、議論がすれ違うのだと著者は説く。
「大衆、機会均等の語義は原語と訳語でどう違うのか」「階級より階層、不平等より格差の語が使われる理由」など、鍵概念を手がかりに日本社会の思考の習性を探る。
日英で教鞭を執る著者の比較知識社会学。

目次

まえがき 教育論議は饒舌なのに、なぜ問題は解決しないのか

1章 「教育格差」論議の比較知識社会学
1 問題の所在
不平等に対する日本の向き合い方/実態把握の進展/政治や行政、私たちの認識を問う
2 「知識」は社会的に構成される
知識社会学とは何か/教育の現場や政策関係者の「常識」
3 比較知識社会学の試み
日本語は翻訳語でできている/「濾過の過程の見落とし」/輸入学問としての社会科学
4 「大衆教育社会」という経験
「大衆教育社会」とは何か/戦後日本の言説小史/「大衆」「能力主義」「格差」……/本書が取り組む課題

2章 「大衆」――生まれた時代と現代
1 大衆の発明
「大衆」の比較知識社会学/「大衆」という言葉を発明した男/工業化・都市化と普通選挙法/一向に明瞭でない正体/新奇性ゆえの流行
2 西洋における「大衆」概念
オルテガの大衆論/英国のmassの歴史/総力戦体制下における「国民化」
3 戦後日本の「大衆」「大衆社会」
1950年代の論争/西部邁の「高度大衆社会」論/大衆にまつわるネガティブさ/2章のまとめ

3章 「大衆化」――曖昧にされたエリートvs.マス
1 大衆教育とは何か?――戦前という前史
8割を占めた小卒者への教育/戦前教育学の重鎮の認識
2 強制的均質化と大衆教育
山之内靖の総力戦体制論/野口悠紀雄の1940年体制論/戦時の教育改革を率いた阿部重孝
3 「階級」の欠落
高校教育の大衆化/教育社会学の泰斗が見た60年代/トロウの発展段階論/第一人者による意訳/階級とmass higher education/曖昧化の作用/3章のまとめ

4章 「機会均等」――原語 “opportunity” との決定的違い
1 開かれた機会(opportunity)の信仰 
教育を重視したブレア政権/「第三の道」とは何か
2 アメリカにおけるopportunity
19世紀のアメリカン・ドリーム/アメリカ公教育の思想基盤/コモンスクールの思想
3 日本語の(教育)機会の均等
「機会」とは何か/均等と平等の違い/日本の消極性・形式主義/戦後の機会均等/高校教育と高等教育の「機会均等」/トロウ論文が示すopportunity概念
4 「試験」が教育と成功を媒介する
立身出世の日米比較/試験という媒介項/4章のまとめ

5章 「格差」と「不平等」――「階級」でなく「階層」を使う功罪
1 メリトクラシー理解の日英比較
メリット=知能+努力の謎/階級社会とIQ/頑迷な誤謬/11歳の試験イレブン・プラス
2 日本における能力主義と知能、努力
努力主義をめぐって/知能検査への不信感/努力と適性(知能・素質)/能力主義の日本的理解の特徴
3「階級」の消長
戦前の階級意識と階級概念/「階級」という言葉の消去/戦後日本のマルクス主義/絶対移動と相対移動/「一億総中流社会」の階級意識/ギデンズとサヴィジによる階級概念
4 学校化された能力主義
ヤングのブレア批判/大衆‐努力の意味連関/非認知的能力ブームの落とし穴/サンデルが提示した尊厳の問題/5章のまとめ

6章 「大衆教育社会」という経験
1 「大衆教育」から教育の「大衆化」へ
教育と平等をめぐって/教育の量的拡大と「大衆化」 /高度成長期と擬似的な動員/国庫負担制度が果たした役割/「一億総中流社会」イメージの形成
2 格差社会と教育改革の語られ方
小泉政権と新自由主義改革の時代/「頑張れば誰でも」の強調/メリトクラシーの大衆化と「公平さ」の誤認/詰め込みから個性重視へ/融通無碍な曖昧さ
3 曖昧さの入れ子構造
なぜ有効な手立てが打てないのか/日本語の概念、原語の概念/隠れた曖昧さ/ブルデューの文化資本概念と日本/日英で異なる社会への訴求力/言葉の力を鍛えなおす

著者プロフィール

苅谷剛彦  (カリヤタケヒコ)  (

1955年東京都生まれ。オックスフォード大学名誉教授、上智大学特任教授。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、ノースウェスタン大学大学院博士課程修了。Ph.D.(社会学)。放送教育開発センター助教授、東京大学大学院教育学研究科教授、オックスフォード大学社会学科および同大学ニッサン現代日本研究所教授を経て2024年より現職。『階層化日本と教育危機』(有信堂高文社、大佛次郎論壇賞奨励賞)、『大衆教育社会のゆくえ』(中公新書)、『教育の世紀』(弘文堂、サントリー学芸賞、増補版・ちくま学芸文庫)、『アメリカの大学・ニッポンの大学』『イギリスの大学・ニッポンの大学』『オックスフォードからの警鐘』『コロナ後の教育へ』(以上、中公新書ラクレ)、『追いついた近代 消えた近代』(岩波書店、毎日出版文化賞)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。