作家が出版社を作るということ
はじめまして。謎専門出版社、SCRAP出版の大塚と申します。
突然ですが、リアル脱出ゲームをご存知でしょうか?
これは参加者がある場所に閉じこめられ、一定時間内に謎を解いてそこから脱出を試みる体験型エンターテイメントです。
マンションの一室から遊園地、スタジアムまでさまざまな場所で開催され、時には『名探偵コナン』『ONE PIECE』など、いろんな漫画やアニメとコラボした公演も行っています。
SCRAP出版は、そのリアル脱出ゲームの企画制作をしている株式会社SCRAPの一部門として、ちょうど1年前の2016年5月に立ち上げた出版レーベルです。
既刊・近刊は下記になります。
『リアル脱出ゲーム presents 究極の謎本』
ファンクラブ限定の謎に新作を加えた超難解問題集
『リアル脱出ゲームブックvol.1 ルネと不思議な箱』
昔ながらのゲームブックに謎解き要素を加えた体験型小説
『謎解き手帳2017』
毎週・毎月謎が解ける謎好き必携の手帳
『リアル脱出ゲーム presents 究極のクロスワード本』
本の概念が覆る変わり種クロスワード集
『3人で読む推理小説 スカイホープ最後の飛行』
3人で別々の冊子を読んで話し合いながら推理する小説
ご覧の通り、弊社の商品は基本的にリアル脱出ゲームファン向け=謎好きのための書籍です。
なので流通に関しては会場販売や自社店舗・自社ECサイトでの直販比率が高いです。
今のところどの商品も発売直後の直販分だけでだいたい損益分岐点に届いているので、そこが強みと言えます。
立ち上げ当初は直販プラス、買い切り条件でいくつかの書店との直取引を行っていたのですが、幸いなことに多くの書店からお声掛けいただき、現在は書店流通に関してはトランスビューさんに代行していただいています。そのおかげで、現在は全国的に展開できています。
直販分は発売から2カ月ぐらい経つとあまり動かなくなりますが、書店での販売はその後も順調で、トランスビューさんにはとても感謝しています。
それだけではなく、リアル脱出ゲームを知ってもらうためにも、弊社商品を書店に置いてもらう効果は大きいです。
実際アンケートでも、「イベントには参加したことはないが本を買ってみた」という声をよく聞きます。
今さらながら、ファン以外にリーチする機会を増やしてくれる書店のありがたみをひしひしと感じています。
と同時に思うのは、今は作家が出版社を作れる時代なのだということ。
作家が読者に直接告知する手段はいくらでもありますし、トランスビューさんのおかげで書店販売の障壁も低いです。
ましてやAmazonで販売するなら、個人も大会社も同じようなものです(弊社も立ち上げ当初はe託を利用していました)。
手売りできれば当然利益率も高いですし、作家が自ら出版社を作るメリットは計り知れないと思います。
もちろん、魅力的な商品を作り続けなければならないのは変わりませんが……。
というわけで謎専門出版社、しばらく頑張っていきたいと思ってます。
どうぞよろしくお願いいたします。