版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊

浮世絵にみる江戸美人のよそおい

ポーラ文化研究所は、化粧、髪型、装身具などの調査・研究の一環として、浮世絵版画の収集を行ってきました。江戸時代の女性たちがどのような化粧や髪型、衣装などを身につけていたのか、身分や職業の違い、生活の様子なども、浮世絵の描写から読み取ることができます。何気なく描かれた周辺情報も貴重な資料になっているのです。

江戸の化粧
浮世絵美人たちが、どのような化粧をしていたのか、白粉、紅、お歯黒、洗顔、結髪風景から、どんな化粧品や化粧道具を使っていたのかを探ります。
ukiyoe14.jpg
<浮世絵「君たち集り粧ひの図」歌川豊国 安政4年>
吉原遊郭の朝の風景、女髪結いに髪を結い上げてもらっている遊女、房楊枝で舌こきをしている遊女、耳盥(みみだらい)、うがい茶碗といったお歯黒道具も見える。遊女の身支度の様子で、忙しそうな雰囲気はあるが、どこかリラックスした様子も窺える。

江戸のよそおい
江戸時代のファッションリーダーといえば、遊女と歌舞伎役者、特に遊女は、常に先端モードの先駆者でした。身分や階級で違った伝統様式の装いのコーディネートがどのようなものであったか、浮世絵は唯一当時の流行が読み取れる資料となっています。
ukiyoe33.jpg
<浮世絵「新吉原三浦屋の高尾 頼兼君みうけの図」永嶋孟斎 安政4年>
三浦屋の大広間で、遊女の高尾が天秤にのって、体重と釣り合うだけの小判を頼兼君が載せたところ。高尾は竜虎模様の打ち掛けに、紅葉模様の帯、髪型は横兵庫で二枚櫛。江戸時代を代表する遊女として、名を馳せた様子が伝わってくる。

江戸美人図鑑〈揃いもの〉
1857年11月から1858年5月にかけて、歌川豊国と歌川国久が描き、出版された揃いもの。上流では大名の姫君から、下流は夜鷹までの美女が登場し、江戸の名所と関連付けて描いている。
ukiyoe52.jpg
<浮世絵「江戸名所百人美女 霞ヶ関」三代歌川豊国 安政4年>
霞ヶ関は、奥州街道の関所のある景勝地であり、代表的な大名屋敷があった。牡丹に桜、菊に梅、杜若の四季の花を散りばめた豪華な打掛、その下には最上の振袖をきている大名家の姫君。髪は島田髷でびらびらつきの桜模様の花簪を両側に、鼈甲櫛と後ろ簪も挿している。身分の違いを感じさせる一枚である。

978_4_938547_96_7.jpg上記3章から構成され、全77点の浮世絵資料から江戸時代の美人画を詳しく読み解いた図録、DVD-BOOK「浮世絵にみる江戸美人のよそおい
がポーラ文化研究所から刊行されます。(8月31日発行)
デジタルならではの高画質画像は、ズーム拡大で、浮世絵の細部の描写も画面上で確認することができます。江戸美人の粋なよそおいを鑑賞することで、あなたもきっと江戸美人通になれるはずです。

化粧についてもっと知りたいと思ったら
ポーラ文化研究所のホームページはこちら
 
 
ポーラ文化研究所 の本一覧

このエントリーをはてなブックマークに>追加