阪神と阪急
ライブドアの球界参入宣言で楽天誕生という漁夫の利を得たような決定に落ち着いた昨年。年が明けてWBCで盛り上がったのもつかの間、阪神と阪急の経営統合という衝撃的なニュースが現実味を帯びてきた。
筆者の取引先は主に欧米のIT企業。ゆえに、買収・合併に伴う多くの悲劇を見てきた。というかM&Aは売上げにかかわる大問題なのだ。ハンチントン教授の『文明の衝突』ほど大袈裟ではないが、AOL Time Warnerのような企業カルチャーの相違による摩擦は無数にある。
阪神と阪急は、梅田から三宮を平行して走る。そして、阪神と阪急の中間にJRが割って入る。3路線が平行しているという異常な空間なのである。さらに昔は、国鉄と阪神の間に挟まれた国道2号線に都電荒川線のような路面電車も走っていた。客層はそれぞれの電車で異なる。一見して判断がつくことも多く、筆者にとっては日本人と中国人を見分けるより容易い。コテコテの下町(阪神)とハイソな山の手(阪急)である。中間のJRは微妙(笑)。
西宮市には2つの球場があった。浜の阪神甲子園には甲子園球場、山の手の阪急西宮北口には西宮球場である(西宮球場は取り壊された)。もちろん、甲子園球場は阪神タイガースの本拠地で、西宮球場は阪急ブレーブス(現オリックス)。甲子園はいつも賑やかだが、西宮球場は閑古鳥が鳴いていた。
甲子園のヤジは凄い。説得力もある。時には後ろから串カツが飛んでくる。観客席がコンクリートだった頃は、座布団のレンタルがあった。タイガースが負けると、大相撲のように座布団が舞った。ファンは熱いが、フロントはボンボン。それがタイガース。
温度差がある阪神と阪急。鋭ちゃんには気の毒だが、阪神が阪急になっても「六甲颪」の語呂が悪くならないし、HTのロゴも変更しなくても良さそうなので、まあいいか。
※鋭ちゃんこと中村鋭一さんは元アナウンサー(元参議院議員)、六甲颪を広めた虎キチです。
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